コスト意識とは?会社全体で高める方法や意識が低い組織の特徴を解説
事業の利益を増やすためには、売上アップか、コストダウンが必要です。
売上アップを図るには、ブランディングやマーケティング戦略などさまざまなことを行う必要があり、時間もかかります。
他方、コストダウンに関しては、すぐに取り組めて、構成員のコストに関する意識(コスト意識)を再構築することで実現することも期待できるのです。
今回は、経営する上で重要なコスト意識に関して、コスト意識が必要な理由やコスト意識を高めるメリット、コスト意識を高める方法、コスト意識が低い組織の特徴などを解説します。
- 1. コスト意識とは
- 2. コスト意識が必要な理由
- 2.1. 厳しい競争の中で会社を守るため
- 2.2. 変わりやすい世の中の動きに対応するため
- 2.3. 会社の価値を長く高め続けるため
- 3. コスト意識を高めるメリット
- 3.1. 不要な支出削減により収益性が上がる
- 3.2. 社員が会社の運営に関心を持ち、仕事の改善が進む
- 3.3. 効率よく質の高い仕事で顧客の満足度が上がる
- 4. コスト意識を高める方法
- 4.1. 日常的な経費節減からはじめる
- 4.2. 具体的な目標を立ててチーム全体で取り組む
- 4.3. 部門を超えて会社全体のもうけを考える管理職の役割
- 4.4. コスト意識を高める教育・研修プログラムの実施
- 4.5. ITツールを活用したコスト管理システムの導入
- 4.6. サプライチェーン全体でのコスト最適化
- 5. 会社全体にコスト意識を広める方法
- 5.1. 経営層から方針を発信する
- 5.2. コスト情報を可視化して共有する
- 5.3. 全社参加型のコスト削減キャンペーン
- 6. コスト意識が低い組織の特徴
- 6.1. 経費管理が甘い
- 6.2. オフィス用品の過剰在庫など資源を無駄遣いしている
- 6.3. 業務効率が低い
- 6.4. 投資判断が甘い
- 6.5. 従業員の当事者意識が低い
- 7. コスト意識のまとめ
コスト意識とは
「コスト意識」とは、企業や組織が活動する際に発生するコスト(費用)を常に意識し、効率的に管理・削減することを指します。
具体的には、以下のような要素が含まれるので要チェックです。
【コスト意識に含まれる要素】
- 金銭的コスト: 直接的にお金が発生するコストで、人件費、保守修繕費、消耗品費、旅費交通費などが含まれます。
- 時間的コスト: 各行動や業務にかかる時間のことで、業務開始から終了までの時間や実作業時間、従業員に対する教育の時間などが含まれます。
コスト意識が必要な理由
企業や組織が活動する際、なぜ発生するコスト(費用)を常に意識する必要があるのでしょうか。なぜ、コスト意識が必要なのかに関しては、さまざまな理由があります。
ここでは、コスト意識が必要な理由について解説しましょう。
【コスト意識が必要な理由】
- 厳しい競争の中で会社を守るため
- 変わりやすい世の中の動きに対応するため
- 会社の価値を長く高め続けるため
厳しい競争の中で会社を守るため
コスト意識が必要な理由の1つは、厳しい競争の中で会社を守るためです。
事業を行う上で、競合との競争は大なり小なり不可欠。
日々、厳しい競争の中で、勝ち残っていかなければなりません。
競争に勝ち残り、事業を継続していく上で必要なこと、それは利益を継続的に出し続けることと、利益の最大化を図ることです。
利益を出すためには、売上アップかコストダウンが必要であり、無駄なコストを削減する など、売上アップに比べると、コストの削減のほうがスピード感をもって取り組めるでしょう。
厳しい競争の中で会社を守るため、組織の構成員各人がコスト意識を持つことが必要なのです。
変わりやすい世の中の動きに対応するため
変わりやすい世の中の動きに対応するため、コスト意識が必要であることも押さえておきましょう。
世の中の動きは早く、どんなに人気のあるヒット商品でも、ときには消費者から飽きられてしまうこともあります。
重要なことは、消費者ニーズを常にキャッチアップしておくことです。
従業員各人がコスト意識を持つことで、経営者的視点を持ち、会社の利益をアップさせるために積極的に取り組むようになれば、変わりやすい世の中の動きに対応することを意識するようになり、消費者ニーズに常にキャッチアップするために取り組むようになるでしょう。
会社の価値を長く高め続けるため
コスト意識を持つことは、会社の価値を長く高め続けるためにも必要です。
コスト意識を持つことで、適切なコスト配分が可能となり、成長や新たな事業への投資がしやすくなり、企業の経営基盤を強化することができます。
また、コスト意識を持てば、無駄な作業や時間を削減し、効率的に業務を進めることも可能です。
コスト意識を高めるメリット
企業や組織にとって、コスト意識を高めるとどのような効果があるのでしょうか。
ここでは、コスト意識を高めるメリットについて解説します。
【コスト意識を高めるメリット】
- 不要な支出削減により収益性が上がる
- 社員が会社の運営に関心を持ち、仕事の改善が進む
- 効率よく質の高い仕事で顧客の満足度が上がる
不要な支出削減により収益性が上がる
コスト意識を高めることで、不要な支出を削減することができ、収益性アップが狙えます。
コスト削減により、財政にも余裕が生じ、新規事業や設備投資など、事業に必要な部分に投資を集中することができるようになり、さらなる収益アップも期待できるでしょう。
社員が会社の運営に関心を持ち、仕事の改善が進む
コスト意識を高めることにより、社員各人が経営者的観点を持つようになります。
社員が会社の運営に関心を持ち、仕事の改善が進むことにつながるでしょう。
効率よく質の高い仕事で顧客の満足度が上がる
社員各人のコスト意識を高めれば、効率よく質の高い仕事への改善に取り組むようになり、業務も効率化されます。
業務効率化により、生産性もアップし、顧客の満足度アップも期待できるというメリットが生まれるでしょう。
コスト意識を高める方法
コスト意識はどのようにすれば高められるのでしょうか。
ここでは、コスト意識を高める方法について解説します。
【コスト意識を高める方法】
- 日常的な経費節減からはじめる
- 具体的な目標を立ててチーム全体で取り組む
- 部門を超えて会社全体のもうけを考える管理職の役割
- コスト意識を高める教育・研修プログラムの実施
- ITツールを活用したコスト管理システムの導入
- サプライチェーン全体でのコスト最適化
日常的な経費節減からはじめる
コスト意識を高める方法として、日常的な経費節減からはじめてみることも効果的です。
はじめから、高い目標を立てて従業員各人が取り組むことも大切ですが、身の回りの小さなこと、具体的に結果が目に見えることからはじめることで、継続できることが期待できるでしょう。
たとえば、「今月は、従業員各人の経費を1%節減してみよう!」など、実現可能な小さな目標を立て、実現したときの達成感を積み重ねることが大切です。
具体的な目標を立ててチーム全体で取り組む
コスト意識を高めるために、具体的な目標を立ててチーム全体で取り組むことも有効な方法の1つです。
具体的な目標があれば、チーム全体で取り組むこともでき、チーム全体で取り組む中で、1人では実現できないことも、チーム全体となれば実現することが可能になります。
たとえば、「製造部で、経費を3ヶ月以内に 5%削減する」などの目標を立て、削減するためにはどのような業務効率化を図るべきかなどをチーム全体で協議したり、現状の業務を分析し、改善点を探るなどの取り組みをしたりすることで、従業員各人のコスト意識が高められるでしょう。
部門を超えて会社全体のもうけを考える管理職の役割
コスト意識を高めるためには、管理職の役割も重要です。
従業員各人に、各部門ごとのコスト削減を任せるだけでは、全社的な利益向上は見込めません。
各部門ごとにコスト削減を実現することも大切ですが、部門を超えた共通経費の削減など会社全体の利益を図る上で、管理職が経営計画を見直すなどの取り組みが必要になってきます。
コスト意識を高める教育・研修プログラムの実施
コスト意識を高めるためには、従業員や管理職への教育・研修プログラムの実施も必要になってきます。
具体的には、若手に対しては、会社の仕組みや経営的な数字のことを学ぶ研修、中堅・リーダー層には、費用対効果の判断力や業務改善力などの生産性向上を学ぶ取り組み、管理者層には、顧客別・部門別の収支分析による業績管理研修や、生産性向上研修などを教育・研修プログラムを計画的に受講してもらうようにしましょう。
ITツールを活用したコスト管理システムの導入
ITツールを活用したコスト管理システムの導入も、コスト意識を高めるためには有効です。
ITツールを活用したコスト管理システムとは、たとえばクラウド型の原価計算システムなどがあり、従業員各人に、コストを見える化して共有できるので、コスト意識を高めるために重要なツールとなるでしょう。
酒類事業者向けシステムをくわしく知りたい方は「酒造業向けシステムのおすすめの選び方とは?主な機能や導入するメリットを解説」をご覧ください。
サプライチェーン全体でのコスト最適化
商品が飲み手に届くまでには、さまざまなコストがかかっています。
造り手、売り手など、サプライチェーン全体でのコスト最適化を図ることで、コストダウンに成功し、利益を極大化でき、従業員各人のコスト意識も高められるといったメリットを享受することができるでしょう。
原材料から製品を消費者に届けるまでの生産フロー全体を管理する「サプライチェーン・マネジメント」の中で、コストの最適化を図ることは、自社および関連事業者全体でバリューアップを図るために必要なことです。
会社全体にコスト意識を広める方法
コスト意識を全社的に広めるのは、難しいのではないでしょうか。
ここでは、会社全体にコスト意識を広める方法について解説します。
【会社全体にコスト意識を広める方法】
- 経営層から方針を発信する
- コスト情報を可視化して共有する
- 全社参加型のコスト削減キャンペーン
経営層から方針を発信する
全社的にコスト意識を広めるには、経営層から方針を発信するといった施策が効果的です。
日常的に、社長や管理職から、コスト意識に関しての訓示や達成目標など組織の方針を発信することで、従業員各人はコスト意識を共有することができ、常に意識下に置くことになるでしょう。
経営層からコスト意識に関する方針を発信する際には、なぜそれが必要なのか、メリットは何かなど結果だけでなく、目的やプロセスなども併せて情報発信すると効果的です。
コスト情報を可視化して共有する
コスト情報を可視化して共有することも、会社全体にコスト意識を広めるためには欠かせない方法の1つです。
コスト情報とは、コストに関する情報であり、所属する組織としてどのようなコストがあるのか、コスト積算の基準や共通経費の配分基準など、従業員各人が変わる業務において、コスト情報を可視化して共有することは、従業員各人のコスト意識を高めるだけでなく、全社的にコスト意識を広める方法としては、十分に効果的な施策になるでしょう。
全社参加型のコスト削減キャンペーン
会社全体にコスト意識を広めるために、全社参加型のコスト削減キャンペーンを企画して実行に移すといった試みも有効です。
たとえば、部門ごとにコスト削減の達成率を競わせ、優秀な部門を表彰するなどの企画は、従業員にコスト意識を広めるだけでなく、各人のモチベーションアップにもつながるでしょう。
コスト意識が低い組織の特徴
コスト意識が低いと組織はどうなってしまうのでしょうか。また、コスト意識が低い組織とはどのような組織なのでしょうか。
ここでは、コスト意識が低い組織の特徴について解説します。
【コスト意識が低い組織の特徴】
- 経費管理が甘い
- オフィス用品の過剰在庫など資源を無駄遣いしている
- 業務効率が低い
- 投資判断が甘い
- 従業員の当事者意識が低い
経費管理が甘い
コスト意識が低い組織の特徴の1つとして、経費管理が甘いといったことがあります。
交通費、接待交際費、販売促進費などの営業経費に対して削減しようという意識が低かったり、支出した経費の記録漏れや誤記、ごまかしなどの不正といった経費管理の甘さが見受けられます。
オフィス用品の過剰在庫など資源を無駄遣いしている
コスト意識が低い組織としては、資源の無駄遣いなどの特徴も見受けられます。
従業員各人のコスト意識が低いために、オフィス用品の在庫を確認せず、オフィス用品を注文した結果、過剰在庫になったり、電気やPC電源の消し忘れ、水の使いすぎ、経費の無駄遣いなど企業の資源を無駄に使っているケースも、コスト意識が低い組織の特徴です。
業務効率が低い
組織に属している構成員各人のコスト意識が低くなると、業務効率が低くなるといった特徴も見受けられます。
社員に利益の極大化を図ろうとする経営者的意識がないために、効率よく質の高い仕事をしようという取り組みが見られないためです。
投資判断が甘い
コスト意識が低い組織の特徴として、経営層の投資判断が甘いといったこともあります。
コスト意識が低い組織は、従業員だけでなく管理職もコスト意識が低い傾向にあり、結果として顧客別・事業別の損益の分析も甘くなり、投資判断が甘くなるといった傾向にあるからです。
投下コストが売上にもたらした影響などの分析をしっかりと行なっていないために、コストダウンとバリューアップがうまく図れていないなど、組織運営におけるコスト意識の低さがもたらす悪影響となって表れてしまいます。
従業員の当事者意識が低い
コスト意識が低い組織は、従業員の当事者意識が低いといった特徴も顕著です。
会社のお金を自分には関係のないものだと思っていたり、コスト削減のメリットやデメリットを認識できていなかったりすることにより、コストダウンに対する当事者としての意識が低くなってしまうといった悪い影響が出てしまうのでしょう。
コスト意識のまとめ
ここまで、経営する上で重要なコスト意識に関して、コスト意識が必要な理由やコスト意識を高めるメリット、コスト意識を高める方法、コスト意識が低い組織の特徴などをご紹介させていただきました。
コスト意識を高めることにより、企業は利益を最大化し、経営基盤を強化することができ、従業員が経営者視点を持つことで、業務の効率化や意思決定のスピード向上にもつながります。
つまり、酒蔵や酒販店の経営において、全社的に「コスト意識」を持つことは必要だということです。
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「従業員にコスト意識を抱かせるにはどのような施策をしたらいいのか」
「全社的にコスト意識を高めて将来に向けて経営基盤を強化したい」
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