【補助金基礎講座】申請までの流れ

※2022年9月1日更新

補助金の申請を行い、審査を受けるためには、決められた期限までに書類を揃えて提出する必要があります。また、補助金によっては電子申請のためのアカウントを新規取得しておかなければなりません。

補助金申請は、思っている以上に手間と時間がかかります。

今回は、初心者の方に向けて、補助金申請までの流れと、申請までに必要なリードタイムを分かりやすく説明します。

始めに書類の提出方法をチェックしよう

補助金が公募されたら、要件の確認に加えて、必要書類の提出方法もチェックしましょう。それによって、スケジューリングが異なるためです。

提出方法は大きく分けて2種類あります。

Ⅰ.印刷した紙の書類で提出
Ⅱ.データで提出

Ⅰ.印刷した紙の書類で提出

印刷した紙の書類で提出する場合、 Ⓐ窓口へ持参する場合と、Ⓑ郵送する場合があります。

コロナ禍以降、窓口への持参を控える事務局が圧倒的に増え、郵送が大半になりましたが、窓口持参が必須の場合もあります。また、申請書そのものは郵送でも、商工会・商工会議所が申請書の事前チェック後、発行してもらった書類と一緒に事務局へ郵送するなど、補助金によって提出方法はさまざまです。

特に、県などの自治体が実施主体の補助金には、担当者の事前チェックや社長面談など、独自のルールが設けられていることがあるので注意しましょう。

Ⓐ窓口へ持参する場合は、提出時の事前予約が必要かを確認し、締切前に行くことができる日程を確保しましょう。申請締切直前は予約も埋まりやすいため、早めに枠を確保するのがおすすめです。

Ⓑ郵送する場合は、印刷した紙の書類を郵送する場合と、申請書データをUSBメモリやCD-Rなどに保存して郵送する場合があります。

いずれにしても、申請締切日までに「必着」なのか「当日消印有効」なのかは、必ず確認しましょう。「締切日を過ぎてから到着したので受理されなかった」といったトラブルが起こる可能性があります。

他にも、「郵送先を間違えた」「いざ保存しようと思ったらCD-Rの買い置きがなかった」なども懸念されますので、あらかじめ公募要項を入念に読み込み、不明点は事務局に問い合わせましょう。

Ⅱ.データで提出

データで提出する場合、大きく分けて、Ⓐメール提出、Ⓑ電子申請システムへ登録する2通りの方法があります。いずれの場合も、トラブルの大半はIT関連知識の不足により発生するため、パソコン操作やWebなどに詳しいスタッフを補助金担当者に任命するなどの対策がおすすめです。

Ⓐメール提出の場合は、申請データをメールに添付し、指定された提出先メールアドレスへ送付しますが、次のようなトラブルが考えられます。

・事業計画書のデータが重くてメール添付できるサイズを超えてしまう
・メールアドレスなどを間違えて社外に情報が漏洩する

送信前にメールの容量や宛先をよく確認しましょう。

Ⓑ 電子申請システムへの登録の場合は、補助金の公式Webサイトを経由し、指定された電子申請システム上で次の手順を実施します。

・会社情報(住所、代表者名、業種、従業員数など
・役員情報(役員の持株割合、住所、所属企業など)
・労働者名簿(従業員の氏名、生年月日、雇入年月日など)
・事業計画書などのデータをアップロード
・申請ボタンのクリック

入力開始前には、必要な情報をすべて手元に準備しておきましょう。一定時間操作が中断すると自動的にログアウトされ、せっかく入力した情報がすべて消えてしまうことがあります。特に、役員の住所や従業員の生年月日、雇入年月日などは調べるのに時間がかかる場合もあるので注意が必要です。入力中は、こまめな一時保存も忘れないようにしましょう。

また、申請が込み合ったことでシステムがダウンし、申請ができていなかったというトラブルも発生する恐れがあります。

このように、補助金申請とひとくちにいっても、提出方法だけでこれだけさまざまな方法があり、補助金によってフローも異なります。

Ⅱ電子申請システムへの登録によって申請する場合、アカウントの取得が必要になります。その代表的なものが「GビズID」です。GビズIDについては、次章で説明します。

補助金申請までの流れ

書類の提出方法が分かったら、次は補助金申請までの流れを確認しましょう。必要な時間の目安も併せてご紹介します。

GビズIDの取得(1~3週間)

GビズIDとは、法人・個人事業主向け共通認証システムで、管轄はデジタル庁です。

GビズIDを取得すると、一つのID・パスワードで、補助金の申請や社会保険といったさまざまな行政サービスにログインできます。アカウントに有効期限はなく、年度更新の必要もありません (令和3年8月現在)。

GビズIDは、「リクルートID」をイメージすると分かりやすいでしょう。リクルートIDを一つ持っていると、「ホットペッパー」「じゃらん」など、リクルート社が提供しているさまざまなオンラインサービスが利用できます。GビズIDも同じで、オンラインの行政手続きに共通で使用できる便利な会員IDです。

補助金の電子申請にはGビズIDを利用しますが、IDが発行されるまでに3週間以上かかることもあり、希望の補助金の申請締切に間に合わなかった例もあります。そのため、補助金申請を考えている方は、まずGビズIDを取得しましょう。

アンカーマンでは、GビズIDの発行もサポートしています。

事業計画書の作成(3~4週間)

補助金を申請するには事業計画書の作成が必要で、次のような項目を書面にまとめて提出します。

・補助金を申請する理由
・補助金の具体的な使い道
・それによって期待できる効果

革新性や技術面など、申請する補助金の審査項目を漏れなくカバーし、かつ審査員の目に留まるような魅力的なストーリーに仕上げるのが採択されるポイントです。

設備の見積もり依頼(2~3週間)

補助金申請には、補助金を使って導入したいと考えている設備の見積書が必要です。また、申請した設備の価格が適当なのかどうか正当性の裏付を証明するために、複数社からの相見積の提出が求められます。

繁忙期は見積もりに時間がかかる場合もあるので、余裕を持って依頼しましょう。

決算書や加点資料の準備(1~2週間)

補助金申請に必要な書類は、事業計画書や見積書以外にもまだまだあります。例えば、直近の決算書や加点資料。特に、加点資料は採択される上で重要なポイントになるため、加点要件を必ず確認しておきましょう。加点要件や、申請に必要な書類は補助金によって異なります。

書類のスキャンと電子申請(1週間程度)

補助金申請に必要な書類を揃えたら、スキャンしてPDF化します。PDFの準備が整ったらいよいよ申請です。

「ものづくり補助金」「事業債構築補助金」などの大型の補助金は、電子申請が必須です。電子申請にはGビズIDが必要なので、余裕を持って取得しましょう。

「締切直前になってGビズIDが必要ということを知って申請が間に合わなかった」というケースも実際にあるので、注意が必要です。

遅くとも申請締切の2か月前には動き出そう

ここまで、補助金申請の流れを説明してきました。

補助金申請を考えている方は、遅くとも申請締切の2か月前には動き出しましょう。特に、初めて申請する場合は思うように作業が進まないこともあるため、期限までもう少し余裕があると安心です。

アンカーマンでは日々、全国の市町村レベルまで補助金情報をチェックしています。

あなたにピッタリの補助金をご案内しますので、まずはホームページトップの「無料相談」からご連絡ください。

以下のような疑問、質問もお気軽にどうぞ!

・実際に補助金の申請をするかどうかは分からない
・どんな補助金があるのか情報だけ欲しい
・補助金の申請資格があるのかどうか知りたい