補助金の「賃上げ」もう怖くない!賃上げ促進税制活用のススメ

現在、酒蔵や酒販店向けの注目の優良補助金を申請する上で、要件に「賃上げ」が含まれていることが当たり前となっています。

しかし、実際に補助金の申請を検討している酒類事業者さんにとっては、正直、「賃上げして大丈夫だろうか…」と不安を抱えている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

大丈夫です!

補助金の「賃上げ」はそんなに恐れる必要はありません。

なぜなら、「賃上げ促進税制」という賃上げ実行時の節税効果の高い新たな税制があるからです。

皆さんは、この「賃上げ促進税制」という税制をご存じでしょうか。

できたばかりの制度なので、知らない方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで今回は、補助金申請における「賃上げ要件」がネックで補助金の申請をためらっている蔵元さんや酒販店の社長さんに向けて、賃上げ促進税制を活用することにより、「賃上げ」が怖くなくなり、優良補助金を申請しやすくなる仕組みを解説していきましょう。

「賃上げ」がネックで補助金申請をためらう

「補助金は申請したい!でも、賃上げ、怖いなぁ…」

「賃上げして、経営にどのくらい影響出ちゃうんだろう?」

「うちの状況じゃ、給与UPなんて無理かも…」

こんな不安から、補助金の申請をためらっている酒類事業者さんが多いという噂を耳にします。

「最近、総理も賃上げって言いだしたもんなぁ…既定路線なんだなぁ…」

政府の補助金政策としても、「もの補助」をはじめ、主要な補助金の公募要領には、「賃上げ」という要件が…もはや、「補助金申請」と「賃上げ」はセットという感じです。

このような状況下では、「賃上げが怖い」と言っていたら、優良補助金は活用できない時代になっています。

「補助金を1,000万もらっても、賃上げで1,000万かかったら、プラマイゼロ!汗かいて、申請するだけ無駄じゃない?」なんて思っていませんか?

実は、そんなことないんです。

冒頭でも説明したとおり、「賃上げ促進税制」を活用すれば、まるっと不安が薄らぎます。

いよいよ、本題に入っていきましょう。

賃上げ促進税制とは

ここでは、賃上げ促進税制とはどのようなものなのか、概要や適用要件に関して解説します。

賃上げ促進税制の概要

「賃上げ促進税制」とは、令和4年度税制改正によって、2022年4月1日に施行された、従業員の給与引き上げを行った中小企業や大企業を支援するための制度です。

具体的には、前年度に比べて、従業員の給与等を増加させた中小企業者・大企業等は、給与増加額の一部を法人税額から税額控除※(個人事業主の場合は、所得税額から税額控除)できるようになります。

※ただし、税額控除額には「法人税額・所得税額の20%まで」という上限があることに注意が必要です。

以前は、「所得拡大促進税制」という名称でしたが、「税額控除率のアップ(最大40%)」などの改正により、節税効果もアップしました。

賃上げ促進税制の要件

賃上げ促進税制の適用要件は以下のとおりです。※()内は大企業の場合

適用要件控除率※
通常要件雇用者全体(継続雇用者)の給与支給額が前年度より
1.5%(3%)以上増額
15%
上乗せ要件①雇用者全体(継続雇用者)の給与支給額が前年度より
2.5%(4%)以上増額
+15%(+10%)
上乗せ要件②教育訓練費が前年度より
10%(20%)以上増加
+10%(+5%)

※上記すべての要件(通常・上乗せとも)に当てはまる場合でも、控除率最大40%(30%)となります。

※中小企業・大企業の定義は、青色申告書提出企業で、資本金1億円以下かつ常時使用従業員数1,000名以下が中小企業等、資本金1億円超かつ常時使用従業員数1,000名超が大企業。

賃上げ促進税制のメリット

賃上げ促進税制を活用する最大のメリットは、活用する企業側にも、所属する従業員側にも双方にメリットがあるという点です。

ここでは、酒蔵や酒販店が賃上げ促進税制を活用した場合のメリットに関してご紹介しましょう。

企業側のメリット

賃上げ促進税制を活用する企業側のメリットとしては、納税負担を減らしながら、優秀な人材を確保できるという点が挙げられます。

節税効果メリットを享受しながら、社員のモチベーションアップを図り、人材確保に繋がる点は大きなメリットとして考えてよいのではないでしょうか。

酒蔵や酒販店が、従業員全体の賃上げを実行した場合、経済的な負担が大きく、ハードルが高いと捉えられがちですが、賃上げ促進税制を活用することにより、賃上げしても一定額の税額控除を受けられるので、経済的な負担は軽減されます。

給与等の増加割合によっては、最大で40%の税額控除を受けられるので、賃上げによる支出増加分の税負担は、税額控除で補える算段となるでしょう。

さらに、教育訓練費の増加によっても、従業員のスキルアップも期待でき、長期的に考えて企業側にとってもメリットが大きいと思います。

従業員側のメリット

賃上げによって、当然従業員は、給与がアップするので、モチベーションがアップし、仕事の成果も上がり、会社への満足度もアップすることが期待できるため、定着率もアップするでしょう。

このように、賃上げ促進税制の活用は、企業側、従業員側双方にとってWIN-WINとなることが期待でき、補助金が申請しやすくなる以上のメリットが期待できます。

もの補助の要件を満たせば賃上げ促進税制が使える!

「ものづくり補助金」の申請要件として、以下の要件をすべて満たす3〜5年の事業計画の策定が必要となります。さらに、申請時点で、賃金引上げ計画の策定も必要です。

事業場全体の付加価値額年率平均3%以上増加
給与支給総額年率平均1.5%以上増加
事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円以上の水準

このものづくり補助金の要件は、既にご紹介した「賃上げ促進税制」の要件と重複します。

つまり、ものづくり補助金の要件を満たせば、「賃上げ促進税制」を活用することができるということ。

「補助金申請」=「賃上げ促進税制の活用」という図式になることを押さえておきましょう。

賃上げ+補助金+節税の流れ

酒蔵さんや酒販店さんが、補助金を申請する際に懸念していた「賃上げ」について、「賃上げ促進税制」を活用する際の流れに関して、再度確認しておきましょう。

まず、酒蔵さんや酒販店さんが、補助金を申請する際の要件を充足するための「賃上げ」を実行します。

「賃上げ」を実行することで、従業員のモチベーションがアップしたり、地元他社よりも給料が良くなるので、優秀な人材が集まりやすく、採用面で有利になるなどのメリットが享受できます。

賃上げ実行により、補助金も申請でき、補助金で新しい設備が入れば、蔵人さんやお店の従業員さんたちは「酒質がよくなった、おいしくなった」「楽になった!」「仕事がしやすい」など大喜びなはず。

さらに、「賃上げ促進税制」の活用で、節税まで可能に!

「あれ?なんであれだけ、怖かった賃上げ、大丈夫になってるんだろう?」と思うはずです。

この「賃上げ」⇒「補助金」⇒「節税」の流れを理解しておくことで、もはや「賃上げ」恐るるに足らずというモチベーションになるでしょう。

まとめ

さて、ここまで、賃上げ促進税制を活用することにより、「賃上げ」が怖くなくなり、優良補助金を申請しやすくなる仕組みについてご紹介させていただきました。

補助金申請のネックだと思っていた「賃上げ」ですが、節税とセットにすることで、ぐんと負担や不安が減り、優良補助金を申請しやすくなるはずです。

今年は、賃上げ要件さえ何とかなれば補助金を申請したいと思っていた事業者さま、ぜひ「もの補助」をはじめとした酒造業・酒販店さま向けの優良補助金にチャレンジしてみませんか?

アンカーマンが、丁寧にサポートいたします!!

アンカーマンの補助金サポートにご興味ある方、「賃上げ促進税制」を含めた「賃上げ」に関してご不明な点がある方、どなたでも、以下の専用フォームから、アンカーマンまでお気軽にご連絡ください。

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