事業再構築補助金の採択後の手続きや流れとは?補助金を受け取るための方法をわかりやすく解説
「事業再構築補助金の採択後もこんなに大変な手続きがあったとは…」
「採択されたのに、なかなか補助金がもらえないんだよね…」
「補助金の応募申請で力尽きて、採択後の手続きが進められない…」
実は、こんなお悩みがある酒蔵さんが多いんです!
中には、依頼していた補助金申請代行が採択を受けるまでしかサポートしてくれず、採択後の流れがわからず手続きに困っているという酒蔵さんも…
「補助金の手続きは採択通知を受けた後が重要」ということを理解していないと大変なことになってしまうのです。
そこで、今回は、補助金手続きの中でも重要な採択後の手続きや流れについて押さえておかなければならないポイントを解説します。
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- 1. 事業再構築補助金とは?
- 2. 事業再構築補助金の手続きや流れを確認しておこう!
- 3. 事業再構築補助金採択後の手続きが重要な理由
- 4. 事業再構築補助金は応募申請だけでは受け取れない
- 4.1. 補助金を受け取るために必要な申請は全部で2回
- 4.2. 補助金を受け取るためには交付申請が必須
- 4.3. 補助事業は交付決定を受けた後!
- 5. 事業再構築補助金を受け取るためには請求が必要
- 5.1. 補助金の額は監査を受けてから確定する
- 5.2. 補助金をもらうには請求が必要!
- 6. 事業再構築補助金の採択後に必要な報告
- 6.1. 報告の種類
- 6.1.1. 【遂行状況報告】
- 6.1.2. 【実績報告】
- 6.1.3. 【事業化状況等報告】
- 7. 事業再構築補助金の採択後に返還する収益納付とは
- 8. まとめ
事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金とは、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中⼩企業等の挑戦を⽀援する補助金です。
補助対象者は、コロナの影響で厳しい状況にある中⼩企業、中堅企業、個⼈事業主、企業組合等です。
「中堅企業」というのは、「中⼩企業の範囲に⼊らない会社のうち、資本⾦10億円未満の会社」です。
補助対象となる主な要件は、下記の3つです。
コロナの影響に苦しむ事業者が、新事業への進出で挽回を図り、さらに、新たな発展を⽬指すことをサポートするものです。
- コロナの影響により、売上が減少していること
2020 年4 ⽉以降の連続する6か⽉間のうち、任意の3か⽉の合計売上⾼が、コロナ以前(2019年⼜は2020年1〜3⽉)の同3か⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少していること、という要件です。 - 事業再構築に取り組むこと
事業再構築とは、今まで取り組んでこなかった「新たな製品等」で「新たな市場」に進出することです。その新事業が、これまでの事業と「⽇本標準産業分類上の⼤分類」として同じか異なるか、3年なり5 年の事業計画実施後に新事業が⾃社の中でどの程度のウェイトを占めるかにより、類型の名称が異なります。 - 「認定経営革新等支援機関」と事業計画を策定すること
「認定経営⾰新等⽀援機関」とは、地域の商⼯会議所、商⼯会等のほか、税理⼠や中⼩企業診断⼠など専⾨⼠業者で⽀援機関としての資格を持っている⼈です。補助⾦額が3,000万円を超える案件は⾦融機関(銀⾏、信⾦、ファンド等)も参加して策定します。事業計画では3〜5年で付加価値額の年率平均3.0%以上の増加が⾒込まれる必要があります。
補助上限額・補助率は、様々な類型の枠があり、累計や従業員数によって異なりますが、通常枠の場合、従業員規模が20人以下の事業者は、100万円から2,000万円です。
中⼩企業の補助率は3分の2(6,000万円超は2分の1)、中堅企業の補助率は2分の1(4,000万円超は3分の1)です。
補助対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費、クラウドサービス利⽤費、運搬費、技術導⼊費(知的財産権導⼊に要する経費)、知的財産権等関連経費、外注費、専⾨家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費と、多岐にわたる経費が対象です。
事業再構築補助金の手続きや流れを確認しておこう!
はじめに事業再構築補助金の手続きについて確認しておきましょう。
補助金申請は、以下のような手続きの流れになっています。
補助金の手続きは、
①応募申請
②採択
③交付申請
④交付決定
⑤監査
⑥補助額確定
⑦請求
⑧入金
という流れになります。
それぞれの手続きの合間に、補助金の事務局が事業者の事業実施の状況を把握するための事業報告など、事務局とのやりとりが必要です。
補助金の手続きの流れや詳細に関しては、各補助金の公募要領、交付規程、補助事業の手引きなどに記載されていますので確認する必要があります。
近時、申請手続きや事業報告などは専用のシステムへの入力や、メールや電話での修正指示など、オンラインで行われることが一般的なので押さえておきましょう。
事業再構築補助金採択後の手続きが重要な理由
一般的に、補助金を申請する方の中には、煩雑で専門的なノウハウを必要とする応募申請のみに注力して、採択後の手続きをないがしろにする方もいらっしゃいます。
しかし、補助金の手続きの流れを確認いただければわかるとおり、採択後、補助金の入金を受けるまでには、交付申請や事業報告など数多くの重要な手続きがあることがわかります。
もし、採択後の重要な手続きをないがしろにしてしまうと、補助金の交付決定が遅くなり、補助金をすぐに受け取れないといった困った事態になってしまうこともあるんです。
そればかりか、最悪、補助事業が実施期間内に終了せず、補助金の交付を受けられずに、せっかく苦労して勝ち取った補助金の採択がムダになってしまうなんてことも…
そんな困った事態を避けるためにも、採択後の手続きは応募申請と同様に重要であること、期限内に書類提出を行ったり、事務局への報告義務を果たしたりしなければならないことなどを理解しておきましょう。
事業再構築補助金は応募申請だけでは受け取れない
「申請?そんなのとっくに終わったよ!もう、採択通知ももらったし…」
こんな勘違いをしている蔵元さん、結構多いんです!
事業再構築補助金は、応募申請をしただけでもらえるわけではありません。
実は、他にも申請手続きが必要なんです。
ここでは、採択後も含めて、補助金の手続きで必要となってくる申請手続きについて解説します。
補助金を受け取るために必要な申請は全部で2回
補助金の手続きでは、申請手続きは全部で『2回』必要となります。
1つは、公募期間中に行う「応募申請」、そしてもう1つは、採択通知後の交付手続きの中で行う「交付申請」。
補助金手続きがはじめてだという酒蔵さんでは、申請手続きが2回あることをご存じないことも多く、「申請はもう済んだ」と思い込んで、交付申請をしていないケースもあるんです。
応募申請だけでなく、採択後に交付申請があることをしっかりと押さえておくことが大切です。
補助金を受け取るためには交付申請が必須
交付申請をしないと、補助金をもらうために必要な交付決定が受けられません。
補助金の手続きは、補助金の交付を受けたい事業者が申請してはじめてスタートするのです。
苦労して補助金の申請をして、「採択」を受けられたら、「やったぁ!これで補助金がもらえる!」と浮かれてしまう気持ちもわかります。
しかし、交付決定を受けるまでには2段階の手続きが必要で、採択後に交付申請をしてはじめて交付決定を受けるための交付手続きが開始するのです。
交付決定を受けるためには、交付申請を忘れずに行うようにしましょう。
補助事業は交付決定を受けた後!
補助金を申請する酒蔵さんは、補助事業をすぐにでも開始したいと思っているはず。
「早くタンクを入れ替えないともう限界…」
「なんとしても、来期の造りには間に合わせたい…」
しかし、気をつけなければならないのは、補助事業は、交付決定が出ないと開始してはいけないというルールになっているのです。
もし、このルールを破って、交付決定前に補助事業をスタートさせてしまうと、補助金の対象経費とはみなされず、補助金が交付されないこともあるので注意しましょう。
交付決定を受けるためには、交付申請をして、審査を受ける必要があることから、交付申請手続きに手間取り、申請が遅れてしまうと、交付決定も遅くなり、補助事業のスタートも遅れてしまいます。
補助事業を実施すべき期間は決まっていますので、補助事業のスタートが遅れてしまうと、補助金を受け取れる時期が遅れるばかりでなく、最悪、補助事業実施期間内に補助事業を完了することができずに補助金を受け取れなくなってしまうこともあるのです。
事業再構築補助金を受け取るためには請求が必要
「交付申請していろいろな報告もして、監査も受けたから、あとは補助金の入金を待つだけだ!」と思っている酒蔵さん、意外と多いんです。
事業再構築補助金の手続きは基本的に申請者側から動き出す手続きが多いことはご理解いただけているはず…
ここでは、採択後に補助金が入金されるまでの手続きについて解説しましょう。
補助金の額は監査を受けてから確定する
補助金の最終的な金額は、交付決定後、中間監査、確定監査などの手続きを経ないと確定しません。
「補助金の交付申請書に記載した補助金額がもらえると思っていたのに…」
「どうしよう…補助金額が減額になったから、急いで不足金を用立てなければ…」
このようなことで頭を抱え込まないように、交付申請した補助金の金額が満額もらえるわけではないことに注意をしましょう。
補助金をもらうには請求が必要!
補助金をもらうためには、補助金の請求手続きが必要なんです。
「え?!補助金て、こっちから請求しなくちゃいけないんだ…」
「申請手続きを2回もしたから、待ってればいいのかと思ってたよ…」
そのお気持ち、わかります。
ここまでのお手続き、大変でしたものねぇ!
しかし、残念ながら、待っているだけでは、いつまで待ってもあなたの蔵の口座に補助金は振り込まれないんです。
確定監査を受け、補助金額が確定した後に、補助金の請求を行うことによって、はじめて入金という手続きの流れになることを押さえておいてください。
事業再構築補助金の採択後に必要な報告
「補助金の報告?この前、やったよ!」
「補助金の報告って、どんなこと報告すればいいの?」
こんなことを思われている蔵元さんも多いはず。
ここでは、採択後に必要な補助金手続きの中での各種報告について解説しましょう。
報告の種類
補助金の手続きの中で、必要な報告がいくつかあります。
以下の3種類の報告です。
- 遂行状況報告(事業中間報告)
- 実績報告(事業完了報告)
- 事業化状況等報告(補助金交付後、補助事業の成果報告など)
以下、順に解説します。
【遂行状況報告】
「遂行状況報告」とは、補助事業開始後約3ヶ月後に事務局から依頼される中間報告です。
補助事業の進捗や補助対象経費の支払い状況を事務局に伝えることが目的となっています。
事務局からメールが届いたら、指定された期限内に報告書を提出しましょう。
【実績報告】
「実績報告」とは、補助事業完了後、補助事業が交付決定内容に適合的に遂行されているか確認するための報告です。
補助事業が完了したら、Jグランツにて、実績報告書の入力、証拠書類の添付を行いましょう。
報告には、提出期限が決まっており、補助事業完了後30日が経過した日または補助事業完了期限日のいずれか早いほうとなっています。
指定された期限内に提出できないと、交付決定取消となってしまいますのでご注意を!
【事業化状況等報告】
事業の中間報告としての『遂行状況報告』、事業の完了報告としての『実績報告』。
確定監査を受けて、補助金額が確定し、補助金の請求をして、蔵の口座に入金完了。
「やったぁ!補助金が受け取れた。やっと終わったか…ここまで大変だったなぁ…」
「本当にお疲れ様でした」と、言いたいところですが、残念ながら補助金の手続きはこれで終わりではないのです。
補助金をもらった後、補助事業完了日の属する年度も含めて、以降5年間、合計6回の「事業化状況等報告」をしなければなりません。
「事業化状況等報告」とは、事務局が補助金が適正に活用されているかどうかを把握することを目的として、事業者が補助金を受け取った後に、補助事業の成果(事業化や知的財産権の譲渡)の状況などに関して行う報告です。
事業化状況等報告は、事業化状況報告システムに「事業化状況」や「知的財産権等」の各種情報を登録していくことで行います。
これら事業化や知的財産権等の状況とは、報告対象期間だけの状況ではなく、補助事業終了後から報告を行う時点までの状況のこと。
具体的な入力方法や登録内容については、「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など補助金ごとに多少異なる点もあり、各補助金の交付規程や補助事業の手引きに詳細が記載されていますので、必ず確認しましょう。
♦事業化段階って?
事業化状況等報告において、「事業化状況登録」をしていく中で、まず補助事業の実施成果の「事業化の有無」を入力し、事業化有りの場合には事業化の「段階」も選択することになります。
ここで、「事業化」とは、補助対象事業で開発したお酒の販売に関する宣伝等を行った段階、あるいは設備投資のみの場合には、生産を開始した時点で「事業化」となります。
さらに、「事業化の段階」とは、事業化の進捗状況のことであり、全部で5段階あり、以下のように分かれています。
- 第1段階:お酒の販売に関する宣伝等を行っている状態
- 第2段階:契約や注文が取れている状態
- 第3段階:お酒が1つ以上販売されている状態
- 第4段階:継続的にお酒の販売実績はあるが利益が出ていない状態
- 第5段階:継続的にお酒の販売実績があり利益が出ている状態
♦知的財産権等の取得ってどういうこと?
事業化状況等報告において、「事業化状況」のほか、「知的財産権等の取得状況」も登録していくことになります。
補助事業で開発した造りの技術や他社から取得した知的財産権等を活用して、酒蔵さん自身が出願(取得)した知的財産権等がある場合には報告が必要になるのです。
なお、補助事業に関わる知的財産権等(酒蔵さん自身で出願したものおよび他社から取得したものを含む)を譲渡したり、知的財産権等を活用して収入や売上が発生したりしたことがあったかどうかについては、事業化状況で別途報告することになっています。
♦補助事業終了年度っていつ?
事業化状況等報告において、補助事業完了後5年間は報告が義務づけられていますが、補助事業終了年度を初回の報告としています。それでは、補助事業終了年度とはいつになるのでしょうか?
補助事業終了年度とは、補助事業の終了(完了)した月が含まれる年度のことをいいます。
補助事業の終了(完了)とは、原則として、交付申請書の記載した本事業計画に基づく設備投資や試作品の開発の完了、購入物品等の納品・検収・支払いなど事業上必要なすべての行為が完了していることです。
事業再構築補助金の採択後に返還する収益納付とは
「補助金を返還する場合があるって聞いたけど本当?」
「補助金って返還不要じゃないの?」
「うちの蔵は補助金を返還する必要があるの?」
こんな質問を受けることがあります。
確かに、補助金は、金融機関からの融資などとは異なり、返済不要という制度です。
他方、補助金の適正な活用を定めた「補助金適正化法」には、補助金の交付を受けて補助事業を行った結果、補助金の交付額以上に利益を出した場合には、補助金の交付額を限度として、収益の全部又は一部を国庫に返納するという『収益納付』という規定があります。
「なんか返済不要って言ったり、返還する場合があるって言ったり矛盾してない?」
「事業継続を前提として補助金を申請したのに、儲かったら補助金が減っちゃうなんておかしくない?」
こんなことを思われる蔵元さんもいらっしゃるでしょう。
収益納付には、補助金の原資が税金であり、「税金を投入して利益が出たのなら一部返還してもらおう」という概念が関係しているのです。
結果として、「補助金を返還する場合があるの?」という質問に対しては、「補助事業者に要件未達、虚偽申告や不正受給など法令違反や規程違反があったケースでの返還義務以外にも、『収益納付』という考え方があり、具体的な内容は補助金の制度ごとに公募要領・交付規程・補助事業の手引きなどで定められていて、補助金によって補助事業で直接収益が発生するなどの条件に該当した場合には、補助金を返還するケースがある」という回答になるということを押さえておいてください。
「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」などでは、収益納付の規定があり、事業化状況等報告書の内容により、収益があると認められる場合には、補助金確定額を上限として、収益の一部を国庫に納付することになるとされています。
収益納付になるのは、補助金による補助事業実施部分で直接収益が生じたと認められるケースです。
直接発生した収益金に該当するか否かの判断は、補助金を活用したことと収益の因果関係が明確になっているかどうかとなります。
直接収益の具体例は以下のとおりです。
直接収益が生じて収益納付になるケース | 直接収益が生じたとはいえず収益納付にならないケース |
・補助金で購入した設備で生産したお酒の販売 ・補助金で開発したお酒の販売 ・補助金で構築した自社のネットショップでのお酒の販売 ・広報費などの補助金で他社のネットショップでのお酒の販売 ・補助金で開催した展示販売会でのお酒の販売 | ・蔵の改装 ・広告の掲載 ・ホームページの作成・改良(ネットショップ構築を除く) ・チラシの作成・配布 ・お酒造りに関係ない備品の購入 |
なお、収益納付の算定期間や算定方法は、補助金ごとに異なり、補助事業の手引きなどで規定されています。
ただし、単純に収益のすべてを返納するわけではないことを押さえておきましょう。
まとめ
ここまで、事業再構築補助金の手続きの中でも重要な採択後の手続きや流れについて押さえておかなければならないポイントなどをご紹介させていただきました。
補助金を迅速に受け取るためには、採択後の流れを理解したうえで、手続きを行うことが重要だということをご理解いただけたのではないでしょうか?
それでも、
「本業が忙しくて、採択後の手続きを行う時間がないんだよなぁ…」
「自分たちで手続きをするには、これで正しいのかどうか不安でしかたない…」
などの不安な蔵元さんもいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、お気軽にアンカーマンまでご連絡してください。
アンカーマンでは、酒蔵さんのための『採択後サポート』をご用意しています。
ご自身で応募申請はしたけれど、採択後の手続きを行う余力がないという方や、他社で申請代行をお願いしていたけれど、採択後のフォローまではしてくれなかったという方など、どんなケースでもアンカーマンはサポートさせていただきます。
アンカーマンの『補助金の採択後サポート』についてご不明点やご興味のある方は、以下のお問い合わせフォームにて、「採択後サポート希望」と記載のうえ、必要事項をご記入いただき、「送信する」ボタンをクリックしてください。
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