HACCPを導入するために活用できる補助金とは?制度や補助金の詳細をわかりやすく解説

「海外の取引先から『HACCPは対応できてるか?』と聞かれたが、HACCPってなに?」

「衛生管理で求められるHACCP対策、具体的にはどうすればいいの?」

最近、蔵元さんからこのようなお声を耳にすることがあります。

HACCP(ハサップ)とは、「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づいて、酒類製造者を含む食品等事業者が令和3年(2021年)6月1日から原則導入が義務化されている国際標準の衛生管理指針です。

日本酒の輸出が堅調である中、海外展開の機会が多くなってきた酒蔵さんだけでなく、国内で事業を行う酒蔵さんも含めて、新たな衛生管理基準として押さえておく必要があります。

今回は、令和で求められる衛生管理には必要不可欠となっている「HACCP対策」をしたい蔵元さんに対して、制度説明や導入に活用できる補助金をご紹介していきます。

HACCPとは

【HACCPの概要】

HACCP(ハサップ)酒類製造者を含む食品等事業者による衛生管理指針
義務化令和3年(2021年)6月以降
大規模事業者「HACCPに基づく衛生管理」に基づく計画作成および管理の実施(HACCP7原則を取り入れた衛生管理)
小規模事業者
(食品取扱者50名未満)
「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(取り扱う食品の特性に応じた取組)に基づく計画作成および管理の実施
(各業界団体が作成した手引書を参考に簡略化されたアプローチによる衛生管理の実施)(HACCP7原則の一部を取り入れただけであり運用面が簡略化)
小規模酒類製造者「酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模事業者向け)」に基づく計画作成および管理の実施
取組事項1.危害要因の理解
2.手引書のひな形を利用して、衛生管理計画と手順書の準備・従業員への周知
3.衛生管理実施状況の記録および一定期間記録の保存
4.衛生管理計画・手順書の内容の見直し
監視指導保健所による衛生管理計画の作成・遵守の確認(通常の定期立入検査の際)→違反すれば行政指導や行政処分
HACCPの制度化・工程管理(ソフト面)の基準を求めているが、施設設備等(ハード面)の整備を求めてはいない
・HACCP認定・認証の取得は求められていない
日本酒の海外展開日本よりも海外はHACCPの導入が進んでおり、輸出時には輸出先国の食品安全基準に従う必要があるため、日本よりも厳格な基準が求められるケースがある
・HACCP認定・認証の取得
・工程管理(ソフト面)の基準だけでなく、施設設備等(ハード面)の整備

HACCP(ハサップ)とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点・危害要因分析必須管理点)」の略で、食品等事業者による衛生管理指針です。

「食品衛生法等の一部を改正する法律」(2018年6月交付、2020年6月施行)に基づき、2021年6月から原則として酒類製造者を含む食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理の実施が義務化されました。

「食品衛生法等の一部を改正する法律」の規定では、食品事業者の規模に応じて「HACCPに基づく衛生管理」または「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の計画を作成し管理を実施することとされています。

また、同法の規定では、国際機関コーデックスが定めるHACCP7原則すべてを取り入れた「HACCPに基づく衛生管理」が中規模以上の食品製造事業者に求められ、小規模食品製造事業者(食品の取扱いに従事する者の数が50名未満)は、HACCP7原則の一部を取り入れてHACCPの運用面を簡略化した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」ですむようになっており、業界団体が作成した手引書をもとに管理を行うことが可能です。

酒類製造業界は、小規模事業者が多いことから、酒造関連業界団体が「酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模事業者向け)」を作成して、衛生管理計画作成の負担軽減を図るとともに、制度の統一的な運用を目指していますので活用しましょう。

HACCPに対応した衛生管理とは?

なお、酒類製造業者の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の詳細を知りたい方は、以下の2つの資料を参照してください。

※参照①:国税庁令和3年9月作成リーフレット「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理について」https://www.nta.go.jp/taxes/sake/anzen/pdf/0020002-102.pdf

※参照②:酒造関連業界団体2020年3月作成(2020年4月改訂)「酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模事業者向け)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000617523.pdf

もともと、HACCPは1960年代のアメリカNASAの宇宙開発(アポロ計画)の中で考案されたもので、宇宙には病院がないので、携帯する宇宙食で食中毒は起こせないことから高度な衛生管理が求められたことに由来しています。

HACCPとは、あらかじめ食品事業者が、食中毒菌汚染や異物混入等による健康被害などを防止するため、原因となるような可能性のある物質の情報を収集・整理・評価して、原材料の入荷から製品の出荷に至る食品製造の全工程で、危害要因を除去・低減させるため、重要な管理工程を定め、常時管理して記録することにより安全性を確保する衛生管理手法です。

従来行われていた一部の最終製品の「抜取検査」では、問題のある製品の出荷を未然に防止できないこと、原因の追求が効率的に行えないことなどの問題点があり、HACCPという国際的な基準が定められました。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」では、従来から行っている製造場の5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)の徹底のほか、「危害要因の理解」「衛生管理計画と手順書の準備」「従業員への周知」「衛生管理実施状況の記録」「一定期間記録の保存」「衛生管理計画・手順書の内容の見直し」など一連の管理の実施が必要となります。

保健所による監督指導があり、法律に違反すれば行政指導や行政処分の対象となるので注意することと、営業許可更新時までにはHACCPを実施しておくように心がけましょう。

HACCPに関しては、法律の規定では「HACCPに基づく衛生管理の実施」が要求されているだけで、HACCP等の認定・認証(第三者機関による審査を受けて基準適合の認定・認証を受けること)の取得や施設設備等(ハード面)の整備までは求められていません。

しかし、国際的な衛生管理手法である「HACCP」に関して、日本酒を海外展開する上で、取引対象国のバイヤーなどから、HACCP等の認定・認証取得や施設設備等(ハード面)の整備を取引条件として求められることがあるので注意をしましょう。

また、今後、国内取引においても、あたり前のように「HACCP対応」を求められることが容易に想像できます。

しかし、日本酒製造の現場において、課題となるのは、海外展開や国内事業での取引先から求められる「HACCP対応」に応じて、HACCPの認定・認証取得や、施設設備の整備等に莫大な費用がかかるということ。

自己資金で賄うにはハードルが高いため、補助金や優遇措置のある融資制度などを活用することを検討していきましょう。

HACCP導入のために解決すべき物理的な課題

あなたの蔵では、次にご紹介するような現状はありませんか?

  1. 瓶詰場が屋外にある
  2. 使用しているタンクが開放型

これらは、酒蔵さんでよく見かける設備ではないでしょうか?

アンカーマンで、お取引させていただいている酒蔵さんでもこのような現状が多いようです。

しかし、どちらも、ほこりや異物混入が懸念される状況ですよね。

先ほどご説明したように、法律の規定では、HACCP対策として求められているのは、工程管理といったソフト面での基準であり、現行の施設設備でHACCP対策を行うことが前提となっています。

しかし、日本酒を海外展開するときはもちろんのこと、国内で事業を行っていく場合でも、「酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模事業者向け)」に基づいて、衛生管理計画と管理の実行の局面で、どんなに製造場の5Sを徹底したとしても、「屋外にある瓶詰場」や「開放型のタンク」では、ほこりや異物混入の懸念は払拭しきれないのではないでしょうか?

こういった場合には、HACCP対策として、「屋外にある瓶詰場」の建屋の改修や新設を行い、屋内に瓶詰場を移設するという方法が考えられます。

また、開放型のタンクに関しては、局所的にクリーン化する装置である「クリーンブース」の新設が検討できるでしょう。

HACCP導入に活用できる補助金

「HACCP対策には、建屋の改修や設備の更新が必要でお金がかかりそうだなぁ…」

「HACCP対策したいけれど、資金がねぇ…」

こんなお悩みを抱えている酒蔵さんも多いのではないでしょうか?

安心してください。

アンカーマンが自信を持ってご紹介できる補助金があります。

「農水省HACCP補助金」(正式名称「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業」)

「農水省HACCP補助金」(正式名称「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業」)とは、農林水産物・食品の輸出に取り組む食品事業者等に対して、輸出向けHACCP等対応施設の新設、改修及び機器の導入等の支援を受けられる補助金です。

「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」といった経済産業省管轄の補助金ではなく、農林水産省管轄の補助金になります。

酒蔵が、輸出拡大に向けて、HACCP等の認定・認証の取得や、輸出先国の消費者ニーズへ対応するために要する、施設・設備・機器などの導入・改修の費用やコンサル費などに関して、最大5億円(令和4年度は最大3億円)の補助を受けられます。

農水省HACCP補助金の詳しい解説はこちら!

農水省HACCP補助金とは?工場新設など大掛かりな投資に活用できる制度をわかりやすく解説

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「ものづくり補助金」(正式名称:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)

また、HACCP対策として、「農水省HACCP補助金」以外にも、必要な施設設備等の整備の支援を受けられるのが、「ものづくり補助金」(正式名称:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)です。

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その他HACCP導入に活用できる支援制度

ちなみに、この他にも、HACCP対策として、補助金ではありませんが、「HACCP支援法」(正式名称:「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法」)があり、日本政策金融公庫等により長期低金利の融資が受けられるという支援制度もあります。

まとめ

アンカーマンロゴ

今回は、国内・海外を問わず令和で求められる衛生管理「HACCP対策」に関して、制度説明や使える補助金をご紹介させていただきました。

「衛生管理には十分注意しているよ!」

「お酒造りは衛生管理が大切!これまで問題はなかったけど…」

こんなお声も聞こえてきそうですよね。

もちろん、「清酒製造では酵母などの微生物が活躍していること、アルコールが含有されていて雑菌が入っても繁殖しにくいこと」などアンカーマンも理解しています。

「HACCPが義務化されてなんだか大変そう…」

「やることばかり増えて面倒くさいなぁ…」

蔵元さんの、そんな心配もわかります。

でも、HACCPに関しては、メリットもあるんですよ。

自身の蔵の衛生管理上、特に気をつける項目を『見える化』することができて、従業員にも教えやすくなるんです。

それに、安全衛生上の事故防止だけでなく、お酒の品質向上にもつながりますよね。

HACCP対応を積極的に外部にアピールしたり、HACCP認定・認証を取得したりすることによって、クレームの減少、消費者からのイメージアップ、さらには、海外展開の取引先の増加などの効果も期待できちゃいます。

このようなメリットを活かすためにも、補助金を活用して、HACCP対応に必要な施設設備の整備を行いましょう。

「でも、補助金の申請って煩雑で手間がかかるんでしょう?難しいって聞くし…」

「補助金の申請代行を相談できる相手がいないんだよね…」

ご心配なく、「それ、アンカーマンがやります!!」

補助金は、施設設備の整備資金の一部を支援してくれて、酒蔵さんにとっては非常に助かる制度ですが、申請手続きが専門的で複雑、特殊なノウハウがないと、本業のお酒造りの時間が削られることに…

その点、アンカーマンに補助金申請代行をお任せいただければ、アンカーマンが酒蔵さんに代わって書類作成から申請まですべて行います

酒蔵さんは、申請のために必要な情報をアンカーマンに渡すだけで、あとは何もする必要はありません。

アンカーマンへの報酬も成果報酬型なので、相談料や着手金もかからず、不採択なら費用は一切かからないので安心です。

アンカーマンは、これまで160社以上の酒蔵さんのお手伝いをしてきた実績があります。

「HACCP対応のために補助金を活用したいけれど、どんな風に活用すればよいかわからない…」

それもご安心ください!

アンカーマンなら、あなたの蔵に適したHACCP対応のための補助金のストーリーを提案することもできます。

HACCP対応に関する補助金の活用について、ご不明点や不安な点がある方は、お気軽にアンカーマンまでご連絡を!

アンカーマンの補助金サポ-トにご興味ある方は、以下の専用フォームから、簡単な必要事項を記入して、「送信する」ボタンをクリックしてください。