酒類事業の設備投資に新たなミカタ~中小企業省力化投資補助金とは

※2025年5月15日更新

近年、中小企業では、人手不足や生産性向上の必要性に迫られ、設備投資の重要性が高まっている中、2025年(令和7年)から、人手不足に悩む中小企業等の省力化投資を後押しする補助金「中小企業省力化投資補助金(通称『省力化補助金』)」が大きく変わります。 

中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするための「中小企業省力化投資補助金」は、酒類事業を行う中小事業者にとっても、設備投資等に活用できる力強い支援策となることが予想されるため、ぜひこの機会にポイントを押さえておきましょう。 

今回は、中小企業省力化投資補助金に関して、概要や活用方法、酒類業界への影響について掘り下げます。 

 

中小企業省力化投資補助金とは? 

「中小企業省力化投資補助金」は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援する制度です。 

政府はこの補助金を通じて、中小企業等の付加価値額アップや生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的として、労働力不足を補い、持続可能な事業運営を実現するための革新的な技術導入を促進しています。 

ここでは、中小企業省力化投資補助金とはどのような補助金か、概要やスケジュールについて解説しましょう。

 

概要

支援枠は、「カタログ注文型」「一般型」の2つがあり、それぞれの概要は、以下のとおりです。 

支援枠 カタログ注文型 一般型 
補助対象 カタログに掲載された省力化効果のある汎用製品 個別現場の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 
投資内容 簡易で即効性がある省力化投資 オーダーメイド性のある多様な省力化投資            
事業計画に 必要な補助対象要件 労働生産性・年平均成長率「3%」向上を目指す 労働生産性・年平均成長率「4%」向上を目指す      
特徴 カタログに登録された省力化製品のなかから、自社の課題・業種・業務プロセスに合った製品を選び、販売店(販売事業者)と共同で申請 ・ハード・ソフトを自由に組み合わせ可能 
・事業全体を一体的に支援 
活用事例 ・清掃ロボット
 ・自動券売機 
・スチームコンベクションオーブン 
・無人搬送車 
・業務プロセスの自動化・高度化           
・ロボット生産プロセスの改善 
・デジタルトランスフォーメーション(DX) 
補助上限額 従業員数
 5人以下200万円 
 6~20人500万円  
21人以上1,000万円 
従業員数
 5人以下750万円
6~20人1,500万円
21~50人3,000万円 
51~100人5,000万円 
101人以上8,000万円 
大幅賃上げ 特例 従業員数
 5人以下300万円
6~20人750万円
21人以上1,500万円 
従業員数 
5人以下1,000万円 
 6~20人2,000万円
21~50人4,000万円 
51~100人6,500万円 
101人以上1億円 
補助率 2分の1 2分の1(小規模・再生3分の2)
  ※1,500万円超の部分は3分の1 
最低賃金 引上げ特例     ー 3分の2に引上げ (小規模・再生事業者除く) 
スケジュール 随時公募を受け付け 公募回制 

補償上限額は、「カタログ注文型」で最大1,500万円、「一般型」で最大1億円にもなります。 

スケジュール 

「カタログ注文型」に関しては、随時公募を受け付けているので、導入したい設備がカタログに掲載されている場合には、いつでも申請することが可能です。 

他方、「一般型」に関しては公募回制となっており、公募回の締切に合わせて申請することになります。 

現時点では、「第2回応募」が以下のスケジュールで申請受付中です。 

「一般型」第2回応募 2025年4月25日(金)~5月30日(金)17:00 

公募回数は、年3〜4回を予定しているとのこと。  

「カタログ注文型」「一般型」どちらを選べばいいの? 

導入したい省力化設備がカタログに掲載されている場合は「カタログ注文型」を選ぶといいしょう。 

申請手続きも比較的簡単で、設備を迅速に導入することができるためです。 

一方、「カタログにない設備を導入したい」「自社の業務プロセスに適した設備をオーダーメイドで導入したい」「大規模な設備を導入したい」などのケースでは、「一般型」を選択することをおすすめします。 

申請手続きは、多少煩雑で専門的ですが、申請代行などのパートナーとタッグを組んで申請することにより、補助金額も大きく、自社が導入したい設備を導入できる可能性があるからです。

酒類事業での活用例 

 酒類業界では、伝統的な醸造技術を守りつつ、効率化を図る動きが活発になっています。 

省力化投資補助金を活用することで、たとえば、以下のような改善が期待できるでしょう。 

発酵・熟成の管理効率化 IoT技術を活用し、発酵・熟成プロセスの温度や湿度を精密に管理することで、品質の安定化を図ることが可能 
ボトリング・包装工程の自動化   自動充填機やラベリング装置を導入することで、作業時間の短縮と人的ミスの削減につながる 
店舗・倉庫の物流効率化 在庫管理をデジタル化することで、余剰在庫を削減し、発注・出荷の効率を向上させることができる 

今後の展望と活用のポイント

酒類事業の未来を見据えた設備投資には、補助金制度を積極的に活用することが欠かせません。 

ただし、申請には適切な計画や要件の確認が必要です。 

補助金の申請を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。 

  • 事業目的に沿った設備選定を行う 
  • 導入による労働力削減・生産性向上の具体的な計画を立てる 
  • 自社に適したパートナーに相談し、適切な申請準備を行う 

また、「一般型」のポイントとして、以下のような点も押さえておくことをおすすめします。 

ものづくり補助金との違い         ・目的の違い:もの補助が「革新的な新製品・サービスの開発等」、省力化補助金[一般型]が「生産・業務プロセス等の効率化(省力化)」
 ・基本要件の違い:もの補助が「付加価値額」の年平均成長率(3%以上増加)、省力化補助金[一般型]が「労働生産性」の年平均成長率(4%以上増加) 
補助事業の 実施期間       「最大18ヶ月」なので、生産・業務プロセスの大幅な改善をともなう設備導入にも余裕をもって取り組める 
「収益納付」は 求めない 他の補助金と違い、省力化補助金[一般型]は「収益納付」は 求めない点が特徴 

酒類業界の発展に向け、省力化補助金を活用しながら新たな可能性を模索していきましょう。 

最新情報をチェックし、自社の成長戦略に組み込んでみてはいかがでしょうか。 

まとめ 

中小企業省力化投資補助金は、酒類事業者の設備投資の新たなミカタとして、使い勝手のいい補助金の1つです。 

今後は、国税庁補助金などの酒類事業者向けの補助金と同様に、自社の設備投資のタイミングに合わせて活用を検討しましょう。 

アンカーマンでは、日々、酒類事業者向け補助金の最新情報をチェックしています。 

自社に適した補助金の情報をお知りになりたいという方は、お気軽にアンカーマンまでご連絡ください。  

補助金の申請をする上で、最新の補助金情報にキャッチアップして、早めに準備することはとても大切です。  

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