「選ばれる」酒蔵への道!採用市場の分析と対策のポイント

※2025年3月27日更新

 「蔵の将来を考えると、若い人をもっともっと採用したい…」 

「ハローワークに出しているけど、なかなか応募が来ない…」 

このようなお悩みをお持ちの蔵元さんは多いのではないでしょうか。 

今後、酒蔵が自社に適した人材を採用するためには、採用市場の動向を把握して、効果的な採用戦略が必要であると言われています。 

今回は、採用活動の中で「選ばれる」酒蔵にするために必要な採用市場の分析と対策のポイントについて解説しましょう。 

 採用市場の分析とは 

はじめに、「採用市場の分析」について理解を深めておきましょう。 

ここでは、採用市場の分析とは何かについて解説します。 

【採用市場の分析とは】 

  • 採用市場とは 
  • 採用市場の分析とは
  • 採用市場の分析はどのように行うのか

採用市場とは  

「採用市場」とは、職を探している求職者が「売り手」、人材を求めている求人企業が「買い手」となり、需要と供給の取引が行われる市場のこと。 

具体的には、学生や転職希望者が職を探し、企業がそれに対して求人を出すことで成り立っているのが「採用市場」です。 

採用市場の動向は、経済状況や社会の変化に応じて変わり、たとえば、好況時には企業が多くの人材を求め、求職者側が有利な立場(売り手市場)になる一方、不況時には逆に企業側(求人側)が有利(買い手市場)になります。 

採用市場の分析とは 

一般的に、「市場の分析」とは、市場の動向や傾向を把握し、そこから得られるデータを基に、市場での競争力を高めるための戦略を策定するプロセスのこと。 

たとえば、「モノを売る」ことを成功させるために行うマーケティングの中でも、「市場の分析」は非常に重要です。 

同様に、「採用市場の分析」とは、人材を求めている求人企業が、「採用活動の成功=最適な人材の確保」を目的として、効果的な採用活動の戦略を立てるために、採用活動の状況や動向、競争環境などを調査・分析することです。 

採用市場の分析を行うことで、採用活動の効率化や効果の向上、求める人材の獲得などに役立てることができます。 

採用市場の分析はどのように行うのか 

採用市場の分析を行うには、さまざまな手法がありますが、はじめに市場の動向を見極めるために、需給バランス=「売り手市場」か「買い手市場」かを把握することが重要です。 

「売り手市場」か「買い手市場」かを把握するためには、一般的には、「求人倍率」を活用します。 

「求人倍率」とは、求職者数に対する求人数の割合のことであり、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。 

「求人倍率」を使って採用市場を分析することにより、求人する企業にとっては、求職側、求人側どちらが有利な市場なのかを把握することができます。 

求人倍率を活用して「売り手市場」か「買い手市場」かを把握する算式は、以下のとおりです。

求人倍率=求人数÷求職者数 

  • (求人数/求職者数)≧1⇒求職者より求人数が多い=「売り手市場」 
  • (求人数/求職者数)≦1⇒求職者より求人数が少ない=「買い手市場」 

他にも、自社の採用プロセスにおける母集団形成から入社に至るまでのデータを収集し、3C分析(自社の採用活動における「市場」「顧客」「競合」の3つの要素を分析するマーケティングフレームワーク)を行うなどの分析手法があることを押さえておきましょう。 

現在の採用市場 

採用活動を成功させるためには、現在の採用市場の動向を把握しておくことが必須となります。 

ここでは、現在の採用市場について解説しましょう。 

【現在の採用市場】 

  • 現在の採用市場の分析 
  • 現在は売り手市場  

現在の採用市場の分析 

現在の採用市場を分析するためには、「求人倍率」を把握する必要があります。 

ここで、「求人倍率」には、以下のような種類があることも押さえておきましょう。 

種類 公表機関 公表期間 新卒 
有効求人倍率 厚生労働省 毎月 含まない 
求人倍率(中高新卒)   含む 
求人倍率(大学新卒) リクルートワークス研究所 毎年 含む 

たとえば、新卒の学生や転職者を求人したい企業の場合、現在の採用市場を分析するためには、厚生労働省が全国のハローワーク求職者数と求人数を基に算出して「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の中で毎月発表している「有効求人倍率」のほか、中高大の新卒の求人倍率も参考にするとよいでしょう。 

なお、「有効求人倍率」は、産業別や地域別、雇用形態別などの数値があるため、自社に適した必要なデータを活用することをおすすめします。 

現在は売り手市場 

地域別の状況の違いはあるものの、全国的に見てみると、現在の採用市場は、「売り手市場」であると考えて間違いないでしょう。 

「売り手市場」とは、求職者側から見れば、多くの求人が出回っているため、自身の条件に合った企業を選べるということであり、求人企業側から考えると、業界を超えて競合相手が多く、自社に適した人材を採用するためには、効果的な採用戦略が必要だということです。

選ばれる酒蔵になるための対策のポイントとは

現在の採用市場が、求人企業側に不利な「『売り手市場』=競合相手とパイ(優秀な人材)奪い合う市場」であるため、求職者に「選ばれる酒蔵」になるための対策が必要となります。 

ここでは、選ばれる酒蔵になるための対策のポイントについて解説しましょう。 

【選ばれる酒蔵になるための対策のポイント】 

  • 対策しないとどうなるのか
  • 効果的な採用戦略のポイント①自社の採用戦略の現状分析
  • 効果的な採用戦略のポイント②自社の採用活動を見直す 

対策しないとどうなるのか 

採用市場が「売り手市場」の場合、求人企業が、何の対策もせずに従来の採用活動を行っていれば、次のような不都合が生じてしまうかもしれません。 

  • 採用活動に費用をかけたくないので、自社のホームページやハローワークに求人情報を掲載しても、求人が埋もれてしまい、なかなか応募が集まらない
  • 求めているような人材が採用できない 
  • 求職者が複数の内定を得られる市場のため、面接や内定の辞退者が多い 
  • 入社してもすぐに離職してしまう  

労働人口の2人に1人が45歳以上(内閣府「令和4年版高齢社会白書」などのデータを引用)、ハローワークの年代別利用者も40歳以下が約40%、20代以下は約15%(独立行政法人労働政策研究所・研究機構のデータを引用)となっている状況。 

これらのデータからも、現状の労働人口の高齢化がわかり、若手人材を採用するには、大企業も含めた競合相手とパイを奪い合う状況です。 

大企業などは、採用コストをかけ、求人の露出頻度を増やし、優秀な人材にスカウトメールを送るなどして、ターゲット人材を集めています。 

しかも、若者が転職する際に利用しているツールは、「求人・転職サイト」が8割以上、「転職エージェント」が5割以上、「スカウトサービス」が2割以上(若者しごと白書2024のデータを引用)ということからもわかるように、採用コストにこだわるあまり、何の対策も講じないままだと、いつまでたっても求めている若手人材は採用できません。 

現状の売り手市場において、「選ばれる酒蔵」になるためには、従来と違った効果的な採用戦略が必要なのです。

効果的な採用戦略のポイント①自社の採用戦略の現状分析 

自社に適した効果的な採用戦略を立案するポイントの1つめとしては、自社の採用戦略に関して、以下のような現状分析を行うことが考えられます。 

【求職者の特性分析】
求職者の背景、スキル、期待する条件などを調査し、ターゲットとする人材像を明確にする 

【自社や競合の強みと弱みの把握、競合他社の採用状況】 
自社が訴求すべき魅力や強みの検討を行うと同時に、競合他社がどのような人材を求め、どのような条件で採用を行っているかを把握することにより、自社の採用戦略を改善するためのヒントを得る 

【市場トレンドの把握】 
現在の採用市場の動向や、今後の予測を分析する 

【採用チャネルの評価】 
どの採用チャネル(求人サイト、エージェント、SNSなど)が効果的かを評価し、それに応じてリソースを配分する 

【給与と条件の比較】 
同業他社と比較して、自社の給与や労働条件が競争力があるかを評価する 

【採用コストの見直し】 
採用にかかる費用と求める人材の獲得による組織強化などの効果を比較して、採用コストの見直しを検討する 

このような分析を通じて、企業は効果的な採用戦略を策定し、優秀な人材を確保することができます。 

効果的な採用戦略のポイント②自社の採用活動を見直す  

「これまで何年もこのやり方でやってきたから…」 

このようなお話をされる蔵元さんも少なくありません。 

しかし、現在は、売り手市場に加えて、求職者側も採用活動を行うための便利なツールが発達しており、効果的な採用戦略を策定する上では、以下のような観点で自社の採用活動を見直すことも必要です。 

【早期のアプローチが重要】 
売り手市場では、大企業など競合相手が、採用コストを惜しまず、優秀人材はヘッドハンティングやリファラルで早い段階から採用が決定しまう傾向にあるため、これから転職を考えているといった「転職潜在層」に向けたアプローチなど早期のアプローチが重要 

【カジュアル面談の採用】 
面談を、「企業と人材の価値観や考え方、将来のビジョンを共有し、カルチャーマッチを判断する場」として捉え、心理的ハードルが低くなり、従来の採用活動では出会えないレベルの優秀な人材に会える「カジュアル面談(履歴書やエントリーシートを必要としない対話を重視した面談)」の採用の検討 

【求人側も審査されているという意識】 
売り手市場では、求職者が「複数の求人企業から自分が就職したい企業を選考できる」という意識が強いため、一連の採用活動のプロセスを通じて求人側も審査されているという意識を持ち、「事実に即した求人内容」「一貫性のある採用活動」を遵守すれば、入社後のミスマッチも防止でき、人材の定着につながる 

このような観点から、再度自社の採用活動を見直すことによって、「選ばれる酒蔵」になるための効果的な採用戦略を策定することが可能となります。 

まとめ 

ここまで、採用活動の中で「選ばれる」酒蔵にするために必要な採用市場の分析と対策のポイントについてご紹介させていただきました。 

「選ばれる」酒蔵になるためには、求職者に対して、まずは「採用をしている!」ということを認知してもらうことが必要です。 

採用市場のターゲット(対象)に効果的にリーチするには、酒造業への就業を切望している求職者が多数集まるアンカーマンの「合同就職説明会」や「酒蔵エージェント」を活用しましょう。 

アンカーマンでは、酒造業特化型の就職/転職イベントとして、新卒・第二新卒・U30を対象とした「飲める!酒蔵合同就職説明会2025」を2025年8月8日(金)に開催します。 

昨年に続き第2回となる今回は、100名を超す酒造業への就職を希望する若者を集客し、就職採用の場を提供するだけでなく、酒造会社様のブランディングにも貢献する場となっています。 

ぜひご活用ください。 

アンカーマンが提供する「酒蔵エージェント」は、酒蔵や酒販店など酒類事業に携わりたい人と酒類事業者をマッチングするサービスです。 

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