【酒販店必見】客単価を上げる方法とは?売上アップのポイントを解説
「最近、なかなか売上が上がらなくて…」
こんなお悩みを抱えている酒販店様もいらっしゃるのではないでしょうか。
酒販店を取り巻く事業環境としては、コロナの影響も落ち着きを見せはじめ、インバウンド需要も徐々に回復して、街には人も戻ってきつつあり、一時期よりは回復しているように思います。
小売り酒販店さんも家飲み需要で売上アップが見込まれ、業務用酒販店さんも飲食店・居酒屋などに客足が戻れば売上アップが見込まれる状況ではあるものの…
反面、これまで通りのお酒の売り方では、さらなる売上アップは望めず、コロナで変わった消費者の生活スタイルの変化に伴う新たなニーズへの対応が求められています。
今回は、酒販店の客単価を上げる方法を中心に、酒販店の売上アップのポイントを解説します。
酒販店で売上アップを図る方法
ここでは、酒販店で売上アップを図る方法にはどのようなものがあるのか解説していきます。
酒販店とは
お酒の販売を取り扱う事業者は、「卸業者(酒問屋)」と「小売業者(酒屋)」に大別され、それぞれ酒類販売業免許(酒類小売業免許・酒類卸売業免許)が必要とされています。
【酒類販売事業者と免許】
- 「卸業者(酒問屋)」=酒類販売業免許(酒類卸売業免許)
- 「小売業者(酒屋)」=酒類販売業免許(酒類小売業免許)
【酒販店】
- 「業務用酒販店(業務用小売業者)」
- 「小売酒販店(一般の個人客小売業者)」
酒類小売業者のことを「酒販店」と呼び、酒販店は、「業務用酒販店(業務用小売業者)」と「小売酒販店(一般の個人客小売業者)」に分類されます。
「卸業者(問屋)」は、メーカーである酒蔵から酒類を仕入れて、酒屋や量販店などの小売販売店に卸すB to Bビジネスを主な業務としています。
【酒類の販売経路】
(これまで一般的な経路)
A「酒類メーカー(酒蔵など製造者)」⇒B「卸業者」
⇒C「小売業者」⇒D「料飲店・消費者」
(最近増えてきた経路)
※特約店制度(A⇒C⇒D)
※直販(A⇒D)
お酒の販売経路は、一般的にはA「酒類メーカー(酒蔵など製造者)」⇒B「卸業者」⇒C「小売業者」⇒D「料飲店・消費者」となっています。
最近では、「特約店制度(A⇒C⇒D)」や「直販」(A⇒D)などあらたなお酒の販売ルートも確立してきています。
なお、「酒販店」を理解するときに、注意すべき点は、卸業者は酒販店には含まれないこと、C「業務用小売業者」⇒D「料飲店」に販売するときに「卸す」という言葉を使う場合があること、卸業者や業務用酒販店などは、一般の消費者にはあまり知られていないこと、業務用酒販店も酒屋ということなどです。
酒販店が売上アップを図るには
「酒販店」のビジネスは、「小売酒販店(一般の個人客小売業者)」のケースでは、B to Cビジネスであり、「業務用酒販店(業務用小売業者)」のケースでは、B to B to Cビジネス(料飲店等の先に顧客がいるから)です。
いずれにしても、酒販店の売上は、「客単価」×「客数」で決定し、さらに「客単価」は、「客1人あたりの購買数」×「1品平均単価」で決定します。
【酒販店の売上】
「客単価」=「売上」÷「客数※」
※「客数」:購入に至らなかった顧客は含めません。また、延べ人数で算出するか属性ごとに1人とカウントするか(お得意様は何度購入してもを1人とカウントするなど)は店舗の考え方によって変わります。
したがって、酒販店が売上アップを図るには、「客単価アップ」または「客数増加」を行うしかありません。
さらに、「客単価アップ」のためには、「客1人あたりの購買数」か「1品平均単価」を上げるしかしか現状は方法がありません。
【酒販店の売上アップの方法】
- 「客単価アップ」⇒「客1人あたりの購買数」か「1品平均単価」を上げる
- 「客数増加」
酒販店で客単価を意識することの重要性
酒販店で売上アップを図るためには客単価を意識することが重要です。
ここでは、「なぜ客単価を意識することが重要なのか」について掘り下げていきます。
客単価とは
売上アップに不可欠とされている「客単価」。そもそも「客単価」とは、どのような意味合いをもっているのでしょうか。
「客単価」とは、顧客1人が1回の購買によって支払う平均単価のこと。酒販店での「客単価」は、顧客1人につき、1回の購買(注文)での平均支払額になり、売上高を客数で割ることで求めることができます。
【客単価の求め方】
「客単価」=「売上」÷「客数※」
※「客数」:購入に至らなかった顧客は含めません。また、延べ人数で算出するか属性ごとに1人とカウントするか(お得意様は何度購入してもを1人とカウントするなど)は店舗の考え方によって変わります。
客単価は、売上高と客数によって決まるため、売上データや顧客データを取得する期間(日・週・月・年など)ごとに算出可能です。
酒販店の客単価の目安とは
酒販店ごとに客単価の目安を持っておくことをおすすめします。「客単価の目安」とは、店舗の売上目標から算出できる目標値です。
たとえば、1ヶ月の売上高の目標が100万円、購買客数が1ヶ月500名(1日平均20人/25日稼働)の店舗の客単価の目安は、2,000円/人ということになります。
計算式:「客単価」=100万円÷500名=2,000円/人
店舗の経営上、事業計画から算出した客単価の目安(目標値)を把握しておくことにより、店舗のマーケティング戦略が決まるからです。
酒販店の客単価の目安は店舗によって変わってきます。まずは、自身の店舗の客単価の目安を把握するところからはじめてみましょう。
なぜ客単価を意識することが重要なのか?
酒販店の売上は、「客単価」×「客数」で決まるので、酒販店で売上アップを図ろうと思えば、「客単価アップ」または「客数増加」をするしかありません。
しかし、小売業者にとって、「客数」を増やすことはそう簡単ではないということはおわかりいただけるのではないでしょうか。
一般個人向けの酒屋さんであれば、来店客を増やし、料飲店等向けの酒屋さんであれば、新規取引先である料飲店等を増やさなければなりません。どちらも一朝一夕にはいかないことですね。
だからといって、「客単価アップ」に関してもそうそう簡単なことではありませんが、「客数増加」よりはスピード感もあり、取り組みやすい手法です。
また、「うちの店の商品価格は適正か」「商品在庫は適正か、販売の機会損失はないか」「客単価を上げるためにできるマーケティングは何か」「客数と客単価のバランスは適正か」「うちの店の強み・弱みは何か」「時間帯・季節によって客単価はどのように変化しているか」「店のコンセプトは顧客に伝わっているか(ブランディングはできているか)」など、客単価を意識・分析することで、経営課題を浮き彫りにもできます。
つまり、「客単価を意識すること」は、酒販店の売上アップを図るためだけでなく、店舗のブランディングに寄与すること、経営課題の解決に役立つことなどの観点で重要とされているのです。
酒販店の客単価を上げる方法
いよいよ、酒販店における客単価を上げる方法をご紹介していきましょう。
なお、顧客が一般の個人客か料飲店等か、事業者が小売り酒販店か業務用酒販店かによって客単価を上げる方法に多少の差異がありますのでご注意ください。
ここでは、一般の個人客の来店のケース(事業者が小売り酒販店)を中心に解説していきます。
ですが、業務用酒販店でも、料飲店等が顧客の場合には、注文を聞く際の提案型営業等に応用できることもあるでしょう。
酒販店の客単価を上げるには以下のような方法が考えられます。
【酒販店における客単価を上げる方法】
- 顧客に提案して販売する方法
- 酒売り場を工夫する方法
- 1品平均単価を上げる方法
- 客1人あたりの購買数を増やす方法
- 業務用酒販店特有のケース
以下、順に解説していきます。
顧客に提案して販売する方法
来店した客、注文する料飲店等顧客に対してさまざまな提案をして販売する方法です。例えば、「店内での提案」、「利用シーン提案」、「味の違いを提案」などの方法があります。
店内での提案
来店する顧客は、店頭で購入する商品を決定することが多いので、POPや店員による説明などで顧客ニーズに応える提案をすることによって客単価を上げることが期待できます。
来店した顧客に探しているお酒や好みのお酒の味わいなどを聞いたり、お酒の初心者向けに相談コーナーを設置したり、POPを作成したりして、ストーリー性を盛り込んだ説明で顧客ニーズに応えた提案ができるとよいでしょう。
利用シーン別の提案
顧客の利用シーンごとに提案する方法もあります。「自宅での晩酌用」「贈答用」「記念日用」「料理とのペアリング用」など利用シーン別の提案ができれば、顧客も購買数が増え、1品平均単価も上がることが期待できるでしょう。
味の違いを提案
お酒の初心者向けには、味の違いを提案することも客単価を上げるには有効な手段となります。
たとえば、季節ごとに四季のお酒を提案するなど味の違いを説明して、来店したお客様がどのような味わいのお酒を求めているのかニーズに合わせたお酒の提案をすることで、客単価アップが期待できるだけでなく、お客様からの信頼も得られリピート客になってもらえるかもしれません。
酒売り場を工夫する方法
客単価を上げるには、1品平均単価を上げる、もしくは、客1人あたりの購買数を増やす必要があります。
そのためには、顧客のニーズに応えることや、ワクワクしてもらえる酒売り場を作ることが重要になってきます。
POPを効果的に活用して、お店のこだわりやコンセプトを前面に打ち出してアピール、お客様の目線に合わせた陳列方法の工夫などにより、店舗の販売したい商品や利益率の高い商品の販売を促進することも重要です。
1品平均単価を上げる方法
顧客の購入する1品平均単価を上げる方法としては、「商品の値上げ」や「クロスセルとアップセル」などがあります。以下、順に解説していきます。
商品の値上げ
単純に、商品の値上げをして客単価をアップする方法があります。ただ、いきなり値上げするだけでは、顧客満足度の低下につながるので、ブランディングをして、顧客との信頼関係を築いた上で、さらに事前予告など広告宣伝も十分に行った上で商品値上げに踏み切るなどの施策を打ち出しましょう。
クロスセルとアップセル
「クロスセル」とは関連する商品を一緒に販売する方法、「アップセル」とは、付加価値をつけてより高い商品を販売する方法です。
「クロスセル」とは、お酒と共にグラスやお猪口、おつまみなどの関連商品を同時に購入してもらうこと。
「アップセル」では、お酒の容量の大きいものを購入してもらう(四号瓶⇒一升瓶など)、1つ上のランクのお酒を勧めるなどが考えられます。
客1人あたりの購買数を増やす方法
客単価を上げる施策として、客1人あたりの購買数を増やす方法としては、店舗での取扱商品を増やすなどして、顧客のお気に入り商品や興味を惹く商品を増やすことが考えられます。
また、酒売り場を工夫したり、顧客への提案を工夫したり、商品に特典をつけてまとめ買い割引(2個買えば10%OFF、5,000円以上で送料無料など)を設定したりして、客1人あたりの購買数を増やすことにもトライしましょう。
業務用酒販店特有のケース
業務用酒販店の場合には、顧客は料飲店等です。したがって、料飲店等の客単価を上げるには、料飲店等の注文数を増やすか、1回の注文単価(1品平均単価)を上げるかどちらかです。
業務用酒販店のビジネスモデルはB to B to Cビジネスです。つまり、顧客である料飲店等の売上が上がることで、注文数も増え、1回の注文単価も上がるので、客単価アップが見込めます。
したがって、業務用酒販店の客単価アップの方法は、顧客である料飲店等に対する売上アップの提案型営業を行うことです。
たとえば、POPやチラシなどを作成し、得意先である料飲店等の売上が伸ばせるような提案をすることも1つの手法です。事例としては、チラシBOXを作成してもらい、料飲店等に「幹事マニュアル」を備え置く、のぼりや看板などを活用するなどの提案をしていくということが挙げられます。
酒販店の客単価アップに関する注意点
酒販店の売上アップを図るために、客単価をアップすることは有効な施策の1つです。しかし、強引な客単価アップは顧客の不満足度を高めてしまう可能性があるので注意するべきです。
店舗の客単価アップのマーケティング戦略を考案する際には、顧客満足度を落とさずに客単価アップを図ることが最低条件となります。
なぜなら、一時的に客単価アップが図れても、中長期的にみれば、顧客満足度が下がってしまうことにより、客離れ現象が発生して、客数が減少しては、結果的に売上ダウンするリスクもあるからです。
まとめ
ここまで、酒販店の売上アップのポイントの1つである客単価を上げる方法に関してご紹介させていただきました。
酒販店の売上アップを図る方法としては、客単価を上げることと客数を増やすことがあり、売上アップを図るためにはどちらも実行することが重要です。
特に、酒販店の客単価を上げるためには、来店客に対して、さまざまな提案をしていくことが大切となります。自身のお店に合ったスタイルでお客様にアプローチしていきましょう。
酒販店の売上アップを図るためにはどうしたらよいのかなど、ご要望やご質問があれば、お気軽にアンカーマンまでご連絡ください。
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