事業再構築補助金の交付申請とは?交付決定までの流れや必要書類を徹底解説

「補助金の申請手続きって、2種類あるって本当?」

「採択を受ければ、補助金がもらえるんでしょう?」

「事業再構築補助金の交付申請手続きどうすればいいの?」

酒造業や酒販店さんの事業にとって、使い勝手がよく補助金額も大きい「事業再構築補助金」!いの一番に検討すべき主要補助金と言ってもいいでしょう。

酒造業や酒販店さんにとっては、事業に役立つ「事業再構築補助金」ですが、応募申請をして、見事に採択は受けたものの、それだけで補助金を受け取れると思っている蔵元さんや酒販店の社長さんが多いようです。

そこで、今回は、事業再構築補助金を受給するために必要な交付申請手続きに関して、交付決定までの手続きの流れや交付申請に必要な書類などを徹底解説していきます。

事業再構築補助金とは

はじめに、事業再構築補助金について、概要や今後どうなっていくかを確認していきましょう。

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナに対応する中⼩企業等の思い切った事業再構築を⽀援するための補助金です。

事業再構築補助金は、通年で概ね約2〜4ヵ⽉おきに公募されていますが、現在公募中の補助金に関しては、公式HPを参考にしてください。

現在、公募中の事業再構築補助金はこちら

なお、第9回公募分(「令和2年度第3次補正予算・令和3年度補正・令和4年度予備費」令和5年1月)事業再構築補助金の概要は次のとおりです。

事業再構築補助金を申請するには、以下の要件をすべて満たす3〜5年で付加価値額(企業全体または従業員1人あたり)の年率平均3.0%(グリーン成長枠は5.0%)以上の増加が⾒込まれる「認定経営⾰新等⽀援機関」と策定した事業計画の策定が必要となります。

コロナの影響により売上減少2020 年4 ⽉以降の連続する6か⽉間のうち、任意の3か⽉の合計売上⾼が、コロナ以前(2019年または2020年1〜3⽉)の同3か⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少していること(売上高に代えて付加価値額を用いることができる※付加価値額の場合は15%減少)
事業再構築への取組み「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」

また、事業再構築補助金には、「通常枠」「大規模賃金引上枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」「緊急対策枠」の6つの申請類型があり、それぞれ概要と個別要件は以下のとおりとなっています。

申請類型概要・要件・補助金額・補助率
【通常枠】【通常枠】
主要要件のみ
補助金額:100万円~8,000万円(従業員数によって上限が異なる)
補助率:2分の1または3分の2(一定金額以上の部分は2分の1または3分の1)
【大規模賃金引上枠】多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取組むとともに、従業員を増やして生産性向上を図る中小企業等が対象。不採択でも「通常枠」で再審査。
【要件】主要要件に加えて「事業場内最低賃金年額45円以上」+「従業員数年率平均1.5%(初年度は1%)以上」
補助金額:8,000万円超~1億円(従業員数101人以上)
補助率:2分の1または3分の2(一定金額以上の部分は2分の1または3分の1)
【回復・再生応援枠】「引き続き業況が厳しい事業者」「事業再生に取組む事業者」が対象。主要な設備の変更は不要。不採択でも、加点して「通常枠」で再審査。
【要件】主要要件に加えて「2021年10⽉以降のいずれかの月の売上高が2020年または2019年同月比30%以上減少(または付加価値額は45%以上減少)」または「中小企業活性化協議会等の支援で再生計画等を策定」
補助金額:100万円~1,500万円(従業員数によって上限が異なる)
補助率:3分の2または4分の3
【最低賃金枠】最低賃金引上げの影響を受け、原資の確保が困難な業況が厳しい中小企業等が対象。主要な設備の変更は不要。加点措置がされ、回復・再生応援枠より採択率において優遇。
【要件】主要要件に加えて3か月以上最低賃金+30円以内の従業員割合が全従業員の10%以上
補助金額:100万円~1,500万円(従業員数によって上限が異なる)
補助率:3分の2または4分の3
【グリーン成長枠】グリーン分野での事業再構築で高い成長を目指す事業者が対象。売上高減少要件不要。
【要件】売上高減少要件以外の主要要件に加えて「補助事業終了後3~5年で付加価値額:年率平均5%以上増加」または「グリーン成長戦略実行計画14分野の課題解決の取組・2年以上の研究開発・技術開発・人材育成」
補助金額:100万円~1億5,000万円(企業規模によって上限が異なる)
補助率:2分の1または3分の1
【緊急対策枠】コロナによって、原油価格・物価価格高騰等の予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている事業者が対象。不採択でも、売上高等減少要件を満たす書類を提出することで「通常枠」で再審査。
【要件】主要要件に加えて「コロナによって、2022年1月以降の3か月の売上高が2019年~2021年同3か月比10%以上減少(または付加価値額は15%以上減少)」
補助金額:100万円~4,000万円(従業員数によって上限が異なる)
補助率:3分の2または4分の3(一定金額以上の部分は2分の1または3分の2)

事業再構築補助金の今後

事業再構築補助金を検討している方にとっては、今後も補助事業が継続していくかどうかが気になるところですよね?

安心してください。

経済産業省の公表資料等によれば、2023年度(令和5年度)も事業再構築補助金は継続することになりました。

現時点で、事業再構築補助金に関しては、第9回公募分まで詳細が公表されておりますが、今後、第10回公募分以降は、要件緩和など大幅に改善させる見通しです。

今後の詳細の公表に目が離せません。

アンカーマンでも、正式に詳細が発表され次第、逐次、皆さまにお伝えしますね。

現状、経済産業省から公表されている事業再構築補助金の今後に関しては、以下を参照してください。

事業再構築補助金の交付申請とは

ここからは、今回の記事の本題である事業再構築補助金の交付申請について解説していきましょう。

まず、事業再構築補助金の交付申請とはどのようなものか、なぜ交付申請手続きが必要なのかなどを見ていきましょう。

事業再構築補助金をもらうために必要な交付申請

交付申請とは、事業再構築補助金をもらうために必要な手続きです。交付申請をしないと、補助金をもらうために必要な交付決定が受けられません。

交付申請とは、具体的には、経費の審査のことです。応募申請で、事業計画が審査通過すると採択を受けられますが、交付申請の段階で一部経費が認められないことがあります。

つまり、事業再構築補助金の手続きの中で、「申請⇒審査」という工程が2つあり、「応募申請」と「交付申請」ということになります。

応募申請では、事業計画を審査され、交付申請では、補助対象経費を審査されることになるのです。

ちなみに、交付申請も応募申請と同様に、必要書類を準備して、Jグランツで申請します。

なぜ交付申請が必要なのか?

なぜ、事業再構築補助金は交付申請が必要になるのかといえば、採択結果は、申請した事業計画に記載した金額の全額に対して、補助金の交付決定が保証されるものではないからです。

採択決定後に「交付申請」をして、応募申請時に提出した各種書類に基づき、補助事業経費等の内容が、補助金の対象経費として適切なものであるかどうかの審査が行われます。

この「交付申請⇒審査⇒交付決定」という手続きを経て、はじめて補助金の金額が決定するのです。

事業再構築補助金の交付申請から交付決定までの流れ

ここでは、事業再構築補助金の交付申請から交付決定までの流れに関して、補助金全体の手続きを確認した上で、全体の手続きの中での交付申請から交付決定までの流れの位置づけや詳細を確認していきます。

事業再構築補助金の手続き全体の流れ

事業再構築補助金の手続き全体の流れは、以下のとおりです。

STEP1応募手続き①応募申請
STEP1応募手続き②採択
STEP2交付手続き③交付申請
STEP2交付手続き④交付決定
STEP3事業実施⑤事業の実施
STEP4報  告⑥実績報告
STEP5補助金給付⑦補助金の給付

事業再構築補助金の手続き全体の中での交付申請から交付決定までの流れの位置づけ

事業再構築補助金の手続き全体の中での交付申請から交付決定までの流れの位置づけとしては、STEP2の交付手続きに置かれます。

つまり、STEP1の応募手続きを経た事業者がSTEP3の事業実施に進むための重要な手続きです。

事業再構築補助金の交付申請から交付決定までの流れの詳細

STEP1の応募手続きでは、事業計画が承認されただけで、他の項目などに関してはまだ事務局の審査は行われていないので、交付申請で詳細な項目の審査を依頼する必要があります。

具体的には、これまでに提出した書類にもとづき事業者が「交付申請」を行い、事務局が、補助事業経費等の内容を対象経費として適切なものであるか精査し、審査することになります。

このとき、事務局と事業者で確認作業のやりとりを行い、必要な修正・訂正等の手続きをしたうえで、補助金交付額を決定し、通知が来ることになっています。

事業再構築補助金の交付申請の期限

事業再構築補助金の交付申請には、期限があり、採択事業者向けに採択後から事業完了までの各種手続きや準備資料等の説明用に作成された「補助事業の手引き」に記載されています。

交付申請期限は、補助金の公募回ごとに期限は変わりますが、過去の事例は以下のとおりです。交付申請期限は、概ね補助事業実施期限の1ヶ月半〜2ヶ月程度前に設定されています。

公募回採択発表交付申請期限補助事業実施期限
第2回2021/09/022022/11/012022/11/02
第3回2021/11/302022/12/272022/01/30
第4回2022/03/032023/03/182023/05/03
第5回2022/06/092023/06/232023/08/09
第6回2022/09/152023/09/292023/11/15
第7回2022/12/152023/12/302023/11/15

※申請枠によって、期限が異なるものもあります。

事業再構築補助金の申請期限について、注意すべき点は、なるべく交付申請を早めに行うということです。

なぜなら、交付決定を受けるためには、交付申請をして、審査を受ける必要があることから、交付申請手続きに手間取り、申請が遅れてしまうと、交付決定も遅くなり、補助事業のスタートも遅れてしまうからです。

補助事業のスタートが遅れるデメリットとして、①補助金を受け取れる時期が遅れる、②補助事業実施期間内(交付決定日から12ヶ月以内または採択発表日から14ヶ月後の日まで)に補助事業を完了することができずに補助金を受け取れなくなってしまうことがあるなどが考えられます。

事業再構築補助金の交付申請の必要書類

事業再構築補助金の交付申請の必要書類は、以下のとおりです。なお、応募申請時に提出済みの書類に関しては添付不要となります。

さらに、必要書類は、すべての補助事業者と該当事業者のみ必要な書類にわかれます。

すべての補助事業者に必要な書類

すべての補助事業者に必要な書類は、下記の通りです。

①交付申請書別紙1①交付申請書別紙1
法人の場合個人事業主の場合
②履歴事項全部証明書(発行後3ヶ月以内)②直近の確定申告書(第1表)
③決算書(直近の確定したもの)

③決算書(直近の確定したもの)
③青色申告書/収支内訳書(白色申告書)
④見積書(相見積書)・見積依頼書・設計図書・パンフレットなど(費用の妥当性を証明する書類)、(相見積書が提出できない場合には)業者選定理由書④見積書(相見積書)・見積依頼書・設計図書・パンフレットなど(費用の妥当性を証明する書類)、(相見積書が提出できない場合には)業者選定理由書
 ⑤建物費、機械装置・システム構築費の追加書類 ⑤建物費、機械装置・システム構築費の追加書類
⑥取得財産に係る誓約書⑥取得財産に係る誓約書

該当事業者のみに必要な書類

一方、該当事業者のみに必要な書類としては、下記のものが挙げられます。

①交付申請書別紙2
②事前着手承認の通知文書
③補助対象経費により取得(改修)する建物に係る宣誓・同意書
④補助対象経費により取得する建物に係る宣誓書
⑤別途採択発表時に事務局より提出の指示を依頼した宣誓書類等
⑥共同申請のリース会社が作成した、共同申請にかかる確認書
⑦本補助事業に取り組むことについて、総会の議決を得ていることが確認できる証憑

事業再構築補助金の交付申請が通らない理由

事業再構築補助金の交付申請をしたにもかかわらず、交付申請が通らずに差し戻されてしまうケースがあります。

交付申請が通らないよくある具体例は、以下のようなケースです。

①提出書類に誤りがある・単に書類が不足
・違う書類を提出
・事業計画書の内容と見積書等の購入製品名や型番、数量、金額などが一致していない
・提出書類の費用は、消費税等を差し引いたものを記載すべきところ、消費税が記載されている
②見積書に問題がある②見積書に問題がある
・見積書の有効期間が短いため、期限切れとなってしまっている
・50万円以上の経費なのに相見積が不足

事業再構築補助金の交付申請が通らない場合の対応

事業再構築補助金の交付申請が通らない場合でも、慌てる必要はありません。事務局とやり取りして、書類の再提出や修正等が可能なので、冷静に対応するように心がけましょう。

対応方法としては、事務局に交付申請が差し戻しになった理由を確認の上、もし、自分たちで対応できない場合には、専門家に相談するなどするとよいでしょう。

事業再構築補助金をもっと知りたい方へ

事業再構築補助金を含めた酒造業・酒販店さま向け補助金

まとめ

事業再構築補助金は、酒造業・酒販店さまにとって、経営に役立つ補助金となっています。

苦労して、応募申請し、採択を受けたにもかかわらず、交付申請がうまくいかずに補助金を受け取れなかったなんてことになったら、もったいないですよね?

しかし、実際、このような事例が、結構多いんです。

本当に困ったら、専門家に相談しましょう。

アンカーマンでは、これまで事業再構築補助金のサポート実績として、サポート延べ28件のうち、26件が採択、約92%という高い採択率を誇っています。

酒造業・酒販店さまに特化していますので、「お酒に関する事業とは…」などの酒類関連事業に関する説明は一切不要です。

酒類事業者さまに最適な補助金のご提案から、採択後の手続きのサポートまで、アンカーマン(伴走者)として、専任の担当者が補助金を受け取るまで丁寧にサポートさせていただきます。

事業再構築補助金獲得を本気で考えるなら、ぜひアンカーマンにご相談ください。

アンカーマンの補助金サポートは以下の専用フォームからご連絡をお願いいたします。

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