酒蔵×酒販店の一つの解!「OEM × PB」新WIN-WIN戦略のススメ

近頃、日本酒が世界的に注目されているという話をよく耳にします。

その流れに伴い、世界的に1本数万円する高付加価値の日本酒がネット販売等でよく売れているという現状をご存じでしょうか。

これらの高価格帯の日本酒は、日本酒ベンチャーの酒販店などが老舗の酒蔵とタイアップして、「OEM商品」や「PB商品」などとして販売しているのです。

今回は、今までになかった新たな酒蔵と酒販店のコラボを見ていきながら、今後の日本酒業界のあり方をも左右する「酒蔵×酒販店」の新たなWIN-WIN戦略としての「OEM × PB」の可能性について検証していきます。

高付加価値の日本酒を売りたいという想い

酒蔵さんでも、酒販店さんでも、「高付加価値の日本酒を売りたい」という想いは同じはず。

ここでは、日本酒市場の現状や日本酒価格値上げへの挑戦、人気の高級酒は「OEM」商品や「PB」商品であること、「ベンチャー×老舗」「酒販店×酒蔵」のことなどに関してご紹介します。

時代の転換期を迎えている日本酒市場

今、日本酒市場は時代の転換期を迎えていると言われています。

日本国内では、日本酒消費量および普通酒の出荷量が減少を続ける中、純米酒、吟醸酒などの「特定名称酒」と呼ばれる高価格帯の日本酒の出荷量や出荷金額の単価は増加基調です。

消費者の高付加価値商品へのニーズが高まっていることがわかります。

今後、酒類業界は、商品の差別化、高付加価値化、海外展開への取組みの増加を模索していくことがより求められていく風潮にあるでしょう。

高価格帯へのチャレンジ

高価格帯の日本酒の出荷量や出荷金額の単価は増加基調であるといっても、日本酒価格としては、1,000円~3,000円の価格帯の商品がもっとも多く、1万円以上の銘柄が多いワインと比較しても、日本酒はまだまだ薄利多売から抜け出せていません。

ワインのように、1万円以上の高価格帯へのチャレンジをしていく必要があるでしょう。その取組みの一環として、従来のように、味わいとは関係なく、精米歩合の数値によって値段が定まるような値付けのスタイルではなく、品質を評価軸とした値付けのスタイルを試す日本酒の酒類事業者も現れています。

高価格帯へのチャレンジについては、既存の評価軸からの脱却がポイントとなっているようです。

人気の高級酒は「OEM」「PB」

既存の評価軸にとらわれない1本数万円する日本酒が、海外の顧客も含めた味わい重視志向の顧客に向けてネット販売などで人気を博しています。

これらの人気の高級酒は、「OEM」商品や「PB」商品が多いようです。

「OEM(original equipment manufacturer)」とは、他社ブランドの製品を製造すること。簡単に言えば、「製造委託」。

「PB(Private Brand、プライベートブランド)」とは、小売事業者が製品を企画して、製造や開発をメーカーに委託して、完成した製品を自らのブランド名で販売すること。「OEM」の一形態であり、販売ブランドが流通業の場合を「PB」と呼ぶことが多いようです。

「OEM」商品や「PB」商品として完成した日本酒が、高級酒として販売されているのです。

「ベンチャー×老舗」「酒販店×酒蔵」

高級酒として人気のある「OEM」日本酒や「PB」日本酒がどのように造られているのかといえば、「ベンチャー×老舗」「酒販店×酒蔵」などの図式が見えてきます。

世界の顧客に向けて、ネット販売などを手がける日本酒ベンチャーの酒販店が、昔ながらの確かなお酒造りのノウハウと技術を持っている老舗酒蔵とコラボして、「OEM」商品や「PB」商品として、高級日本酒の販売を仕掛けているのです。

消費者の多様なニーズに応えていくには

お酒に関する消費者のニーズが多様化しています。

国内の消費者だけでなく、海外の消費者も含めて考えると、安価な日本酒を大量に消費するというスタイルから高品質なお酒を少量ずつ楽しむというスタイルへと、日本酒に対するニーズも変わってきているのです。

これからは、酒類事業者も、このような消費者の多様なニーズに応えていかなければイケない時代がきています。

ここでは、消費者の多様なニーズに応えていくにはどうしたらいいのかを深掘りしていきましょう。

オリジナル商品の開発「OEM」「PB」

伝統の醸造技術を備えた老舗酒蔵が、消費者の多様なニーズに応えていくために、日本酒のオリジナル商品を「OEM」商品や「PB」商品として製造委託を受注するシステムを行っている酒蔵もあります。

「地域特産品を開発したい」

「まちおこしや観光、イベント用のPR商品をつくりたい」

などの消費者のニーズに合わせて、消費者から提供された原料でオリジナルの日本酒を製造したり、酒蔵既存の商品をもとにオリジナルラベルで商品化したりのサービスを提供しています。

委託製造という選択肢

酒蔵の事業として、自分の蔵で造ったお酒を売るという本業のほか、「OEM」で委託製造を請け負うという選択肢もあります。

「OEM」=「委託製造」という選択肢をとることで、委託製造を請け負うメーカー側にも、ブランドを持つ企業側にも双方にメリットがあるのです。

メーカーとしての酒蔵のメリットは、「在庫リスクを抑えつつ、売上を増やすことができる点」や、「醸造設備を有効に使える点」などです。

ブランドを持つ企業側のメリットとしては、「初期費用を抑えて製品を製造できる」「在庫を抱えるリスクが低くなる」「製造にかかる経営資源を営業などにあてられる」などが考えられます。

募集している蔵もたくさん!

今や、日本酒の「OEM」や「PB」を募集している蔵はたくさんあるようです。

直接、消費者向けに自社のHPで「OEM」や「PB」を募集しているほか、酒販店とのコラボ商品(PB商品)を酒蔵のHPで販売するなどしています。

蔵によって、「OEM」や「PB」の形態はそれぞれで、企画段階から一緒に打ち合わせできたり、原料を提供したり、蔵の既存の銘柄にオリジナルラベルや瓶を合わせてオリジナル商品にしたりと、さまざまなアイデアで興味を惹く工夫をこらしているのが特徴的です。

OEMのマッチング

酒蔵独自で、「OEM」や「PB」を募集している事例もあれば、オリジナル日本酒を開発したい企業と「OEM」受託製造を受けたい企業とをインターネット上でマッチングさせるサービスもあります。

オリジナル日本酒を開発したい企業からすれば、受託製造を受けてくれる酒蔵は、技術があればどこでもいいわけではないということもあるでしょう。

優良なOEMメーカーはどこか、小ロット生産にも対応してくれるのか、自社の要望に対応してくれる開発力や充実した設備があるか、そもそも清酒の酒類製造免許を保有しているのかなど、自社の希望に合ったOEMメーカーを探したいと思っているのです。

他方、酒蔵としても、「OEM」を受注したいと思っていても、どんな相手が依頼者か、信頼して取引できる相手なのかなど、はじめて取引する上で気になる点もあるでしょう。

「日本酒OEM」を発注したい、受注したいと思っている企業にとっては、この「日本酒OEMマッチングサービス」は、画期的で使い勝手のいいサービスと言えるでしょう。

「酒蔵×酒販店」新たな共生関係のカタチとは

日本酒の「OEM」や「PB」を活用することによって、「酒蔵×酒販店」の新たな共生関係のカタチが見えてきます。

ここでは、「酒蔵×酒販店」の本来の信頼関係や、新たなWIN-WINな関係の構築について、可能性を探っていきましょう。

「酒蔵×酒販店」かつてはそこには強い信頼関係が!

「酒蔵」と「酒販店」…造って、売る…かつてそこには強い信頼関係がありました。

日本酒を取り巻くビジネスの商流について見ていくと、「造り手(酒蔵)」「売り手(酒販店)」「飲み手(消費者)」がいないと成立しません。

「造り手」のこだわりや商品の魅力を「売り手」が「飲み手」に伝えるという関係性の上に、日本酒ビジネスが成り立っていたのです。

しかし、昨今、コロナの影響、日本酒業界を取り巻く事業環境の変化、飲み手のニーズの多様化、ネット販売などの直販の振興、海外展開の普及などさまざまな要因により、「酒蔵」と「酒販店」の関係性にも変化が生じています。

「OEM × PB」で新たなWIN-WINな関係を!

しかし、現在、「酒蔵」と「酒販店」の新たなWIN-WIN関係を構築していく1つの解として、「OEM × PB」が注目されています。

今後、酒蔵も酒販店も、消費者の多様なニーズに対応していかなければ、日本酒ビジネスがうまくいかないでしょう。

消費者のニーズを直に拾い上げてくれるのが、消費者と直接対面している酒販店であり、酒販店が拾い上げたニーズを、商品開発に活かすためにも、「OEM 」や「PB」が有効になってくるのです。

新たな技術や若い世代の柔軟な考え方と、伝統のある醸造技術が結びついて、「ベンチャー×老舗」「酒販店×酒蔵」のコラボにつながり、「OEM 」や「PB」を活用した、新しい評価軸の高付加価値日本酒を売っていくスタイルなどがどんどん出てきて、日本酒ビジネスをより活性化させていくことになっていくでしょう。

まとめ

ここまで、今までになかった新たな酒蔵と酒販店のコラボを見ながら、「酒蔵×酒販店」の新たなWIN-WIN戦略としての「OEM × PB」の可能性について深掘りしてきました。

酒蔵さんも酒販店さんも、

「日本酒の価格帯をアップして、売上や利益を上げたい」

「お客さまの多様なニーズに応えたい」

と思うことは一緒!

今回の記事で、その1つの答えが「OEM × PB」にあるということをおわかりいただけたのではないでしょうか。

それでも、実際のところ、

「OEMや PB、確かにおもしろそうだけど、すぐにコラボできる先が思いつかない…」

「興味はあるけど、どんなふうに進めていったらいいんだろう…」

こんな不安を抱えている蔵元さん、酒販店の経営者さんもいらっしゃるはず。

「OEM × PB」にご興味のある蔵元さん、酒販店さん、アンカーマンの情報網を、有効活用してみませんか?

アンカーマンには、これまで180社以上の酒類事業者さまをサポートさせていただいたことによる広い情報網が構築されているんです。

ぜひ、活用してみてください。お問い合わせお待ちしております!

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