トレンドの日本酒って?キーワードは”飲みやすさ””親しみやすさ”
「売上アップを図るために、日本酒のトレンドを知っておきたい!」
「若者たちにウケるトレンドの日本酒は?」
酒造業でも酒販業でも、日本酒のトレンドやヒットするためのキーワードを把握しておくことは必要でしょう。
今回は、トレンドの日本酒を探りつつ、若い世代にも受け入れられるキーワードについて解説していきます。
日本酒トレンドの変遷
今現在の日本酒のトレンドに関して理解を深めるためには、これまでの日本酒のトレンドの変遷を把握しておいたほうがよいでしょう。
ここでは、日本酒トレンドの下記の変遷についてごく簡単に振り返ってみましょう。
【日本酒トレンドの変遷】
- 明治~戦後
- 1960年以降~2000年頃
- 2010年以降~最新トレンド
それぞれについて見ていきましょう。
明治~戦後
「生酛・寒造り・三段仕込」といった日本酒の技法の基礎ができた江戸時代から、明治、大正時代にかけて、国は酒税を安定して徴収するため、国策として酒造事業に関与してきました。
国立の研究機関である醸造試験所(現酒類総合研究所)を設立し、お酒を腐らせない技法、酵母の採集・培養・推奨を行い、お酒全体の生産量が安定して増えるような政策を行っていったのです。
昭和に入り、戦後を迎えると、原料である米不足にもかかわらず、日本酒の製造量を減らさないため、造った日本酒を工業的なアルコールで薄めて化学的に生成した糖類や有機酸類を入れるなどの苦肉の策を講じていました。
このため、当時の日本酒の味わいは、「ベタッと甘いイメージ」の味わいだったのです。
1960年以降~2000年頃
1960年頃から1970年代にかけて高度経済成長期を背景として、日本酒の消費量も上がり、1973年には日本酒消費量のピークを迎えます。
それからしばらくして、バブル景気を迎え、世界に向けて円が強くなっていくと、ウイスキーやワインなどの高級な洋酒も輸入されるようになり、日本酒消費量も減少へと転じました。
日本酒業界は、西洋酒の輸入に対抗するため、「安かろう悪かろうの大量消費のお酒」から「嗜好品としての高付加価値の主張をしていくお酒」へと徐々に切り替えていったのです。
最初は、「地酒・純米酒トレンド」。これは、ご存じのとおり、「淡麗辛口」「すっきりした味わい」が特徴。
次にくるのが「吟醸酒トレンド」。「米をたくさん削り香りがいい」「高級路線」「刺身や寿司との相性抜群」。
それまで、一升瓶1本1,000円で購入できた日本酒が、何千円もする高付加価値化商品に変貌を遂げることに成功。
日本酒業界は日本酒の消費量の減少という逆境に対して、一本一本の単価を上げるということに活路を見出したのです。この方針転換により、地方の中小の蔵でも戦えるようになったのです。
こうして、2000年以降は、お酒に関する消費者のニーズも多様化し、日本酒に限らず、ビール、ワイン、ウイスキー、リキュールなど、各自の嗜好に合わせてお酒を選ぶ時代へと突入していきました。
この時代の変化に合わせて、日本酒のトレンドもさらに変遷していくことになるのです。
2010年以降~最新トレンド
2010年以降は、日本酒のニュートレンドの台頭です。
「淡麗辛口」から「よりカジュアルな食中酒」「料理とのペアリングがしやすい(洋食などにも合わせられる)」「センスがよくおしゃれな」「ドライなだけでなく、さわやか」「飲みやすく」「甘味やふくらみがある味わい」の日本酒へとトレンドが変遷。
他方、この日本酒のニュートレンドとは逆行するような、「自然酒」と呼ばれる、野生の菌を使い、製法も「昔に戻る(ルーツに戻る)酒造り」にこだわり、「にごりがあり、どっしりとした野太い味わい」」「好きな人はすごく好き」といったトレンドの日本酒も出てきました。
さらに、2020年代の最新トレンドは、「クラフト酒」と呼ばれるような、日本酒という枠組みを外して、お酒に副原料(ホップ、フルーツなど)を入れているお酒や、おしゃれなどぶろくなどといったお酒が登場しています。
このように、現在、おしゃれなカジュアルなニューウエーブのお酒も出てきている中で、昔ながらのパック酒や淡麗辛口の酒なども、いまだ一部のファンに人気があり、日本酒はかつてないほど選択肢が広がっているのです。
今、トレンドの日本酒の系統とは
日本酒トレンドの変遷を確認できたところで、改めて、今現在、トレンドとなっている下記の日本酒の系統について、紐解いていきましょう。
【今トレンドの日本酒の系統】
- フルーティー&ジューシー
- キーワードは”飲みやすさ””親しみやすさ”
フルーティー&ジューシー
ズバリ、今、若い世代にも人気で、トレンドとなっている日本酒は、「フルーティー&ジューシー」な日本酒です。
ここで、トレンドを正確に把握するために、「フルーティーとは?」「ジューシーとは?」ということを解明していかなければなりません。
さまざまな表現や解釈がある中で、「フルーティー&ジューシー」とは、以下のような香りや味わいのことです。
【フルーティー&ジューシーとは】
- くだもののような香り
- 「酸味」+「甘酸っぱさ」
- 「ガス感」+「フレッシュさ」
- 「低アルコール」=「アルコール感少なめ」
- 「旨味少なめ」+「すっきり・さっぱり」
- ワインのような味わい
- 昔ながらの日本酒(旨味があり辛口)とは正反対
ごくごく簡単に表現すれば、「フルーティー&ジューシー」とは、まるでくだものを食したときのような香りと味わいを感じられるということ。
酸味があり、甘酸っぱい、シュワッとするフレッシュさのある日本酒。
「ガス感」とは、炭酸ガスを含んで発泡性があるということ。しぼりたてのフレッシュな生酒で微炭酸を感じるものから、「発泡日本酒(清酒)」と表記される発泡タイプの日本酒「スパークリング日本酒」などまであります。
また、「低アル(低アルコール)」も人気の秘訣です。日本酒の多くはアルコール度数15%~18%である中で、「低アルコール」とは、13~14%程度で、優しいアルコール感であるものをいいます。
「旨味が少ない」ということは、アミノ酸が少ないということですが、すっきり・さっぱりした味わいであり、これらを総合していくと、「フルーティー&ジューシー」な日本酒は、「まるでワイン」と表現されることが多いですね。
この点、昔ながらの旨味があり、辛口、熟成感もあるようなタイプとは正反対の味わいが「フルーティー&ジューシー」ということになります。
代表的で人気の銘柄としては、たとえば、「新政No.6(新政酒造)」などですかね。
「スパークリング日本酒」では、「澪(宝酒造)」が代表的です。
キーワードは”飲みやすさ””親しみやすさ”
最近よく「若者の酒離れ」ということを耳にされると思いますが、一部の若者の間では、「日本酒ってカッコイイ」と言われているのをご存じですか。
「COOL JAPAN(クールジャパン)」として、日本のアニメ・漫画・ゲームなどとともに、アフターコロナで回復した観光などのインバウンド事業、日本料理や日本酒などの日本の伝統的コンテンツが海外から注目を集めています。
その影響で、海外の反応や国内のトレンドに敏感な若者は、海外から「COOL」と思われている「JAPANESE SAKE」のことをカッコイイと思っているのです。
ただし、若者は、昔ながらの旨味があり辛口な味わいの日本酒を好んでいるわけではありません。
若い世代に受け入れられる日本酒のキーワードは、”飲みやすさ””親しみやすさ”です。
コロナ禍での家飲みなどで飲酒の機会が増え、洋酒・日本酒といった区別や先入観などを持たずに純粋にお酒を楽しむ若者にとって、さまざまな選択肢の1つである日本酒も、自分たちが好きな「飲みやすくて」「親しみやすい」お酒であれば好んで飲みます。
お酒を提供する側からすれば、「飲みやすくて」「親しみやすい」日本酒なら、若い世代にも届けられるということです。
まとめ
ここまで、トレンドの日本酒について、トレンドの変遷やヒットするキーワードなどをご紹介させていただきました。
たしかに、「ソバーキュリアス」「シラフこそクール」「あえて飲まないのがカッコイイ」などと言っている若者たちもいます。
いつの時代も、トレンドというものがあり、若者たちはトレンドに流されるということも事実。
他方、多様性が認められているこの時代、お酒にしてもバラエティに富んだ選択肢の中から自分たちの嗜好に合うお酒を選択してくれます。
これらの前提条件を念頭に置きながら、誰にお酒を売っていきたいのか戦略を練ってマーケティングしていくことが売上アップの秘訣です。
アンカーマンでは、酒造業、酒販業など酒類事業者向けのマーケティングサポートを提供しています。
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