売れるディスプレイの仕方を徹底解説！商品の魅力を引き出す方法や購買意欲の高め方を紹介

とある消費者の購買行動の研究（流研大槻調査）によれば、消費者が売り場で購入を決める割合は87%にも上り、消費者は商品陳列（ディスプレイ）に大きく影響されることがわかっています。

酒屋が売り上げを伸ばすためには、やはり売れる「売り場づくり」が必須。

では、売れる「売り場」とは？「品揃え豊富」をアピール？

肝心なのは、いかにお客さま目線に立って、「魅力的な商品！」「今、購入したい！」と思っていただけるかです。

これからの酒屋は、「品揃えが豊富」を売りとして、ただ棚に並べるだけではなく、「魅せる売り場」を作りましょう。

今回は、「魅せる売り場」について、売れるディスプレイの仕方、商品の魅力を引き出す方法や購買意欲の高め方などを解説します。

ディスプレイ作りを工夫すべき理由

「魅せる売り場」にするためには、工夫したディスプレイ（商品の陳列）にすることが重要です。それはなぜか。

ここでは、ディスプレイ作りを工夫すべき理由について解説します。

【ディスプレイ作りを工夫すべき理由】

• 商品の特徴をアピールできる
• 商品の価値を高める
• 購買意欲を高める
• 売り場の回遊性を高める
• 顧客満足度を高めリピート率を上げる

商品の特徴をアピールできる

売り場のディスプレイ作りを工夫すべき理由の1つとして、「商品の特徴をアピールできるから」ということがあります。

お客さまに商品を購入してもらうためには、商品のことを理解して、「この商品は私にとって必要だ」と思ってもらわなければなりません。

お客さまに商品のことを理解してもらうには、ディスプレイを工夫して、商品の特徴をアピールする必要があります。

商品の価値を高める

数ある商品の中から、商品を選択してもらうためには、お客さまにとって価値ある商品であることをアピールする必要があります。

ディスプレイを工夫すれば、より魅力的な商品に見せて、商品価値を高めることも可能です。

購買意欲を高める

ディスプレイ作りを工夫すべき理由の1つに、お客さまの購買意欲を高め、売上アップにつなげるためということもあります。

商品の見せ方1つで、「この商品が欲しい」と購買意欲を刺激することができるからです。

売り場の回遊性を高める

基本的に、店舗の売上は、来店したお客さまの滞在時間や回遊性（どれだけ店内を歩き回ったか）に比例するといわれています。

「売り場の回遊性を高める」とは、来店したお客さまが、商品を探して店舗内の隅々まで長時間にわたり歩き回ってもらい、1つでも多くの商品に接してもらう頻度と時間を上げることです。

売り場のディスプレイを工夫することで、売り場の回遊性を高めることが可能です。

顧客満足度を高めリピート率を上げる

ディスプレイを工夫すれば、来店したお客さまに、「探しているものが見つけやすく買いやすい売り場」と感じてもらうことで、顧客満足度を高めることが可能です。

顧客満足度が高まれば、「またあの店で買い物をしたい」と思わせ、リピート率を上げることができ、売上アップにもつながります。

商品の魅力を引き出す売れるディスプレイの仕方

商品の魅力を引き出す売れるディスプレイの仕方には、以下のようなものがあります。

【商品の魅力を引き出す売れるディスプレイの仕方】

• 大量陳列で人気をアピール
• 訴求したい商品は目立つ位置に置く
• パッケージを見せる

以下、順に解説しましょう。

大量陳列で人気をアピール

同じ商品を大量に集めて陳列する「大量陳列（ボリューム陳列）」は、アピール効果に優れているといわれています。

同じ商品を大量に陳列することで、「人気がある商品」「売れている商品」などお客さまにインパクトを与えることができるでしょう。

離れた位置からも目立ち、視覚効果も抜群。

「みんなが買っている商品」「お店の一押し商品」という印象を与え、お客さまの購買への心理的ハードルを引き下げ、商品の魅力を引き出してくれる陳列方法の1つが「大量陳列」です。

訴求したい商品は目立つ位置に置く

お客さまの動線を考え、訴求したい商品を目立つ位置に置くことも重要です。

目立つ位置とは、ゴールデンライン（商品が見やすく手に取りやすい場所・高さ）のこと。

ゴールデンラインは、ターゲットの目線の高さや、商品を置く什器の種類などによって変化します。

一般的に、日本では右利きの人が多いため、陳列棚の右側がゴールデンラインとされています。

パッケージを見せる

商品の魅力をアピールするためには、パッケージを見せることも重要です。

パッケージを見るためには、「フェイシング（商品のパッケージ正面を通路側に揃える商品陳列）」が有効だとされています。

パッケージ正面には商品名や特徴、魅力といった企業の伝えたい情報がまとまっているからです。

フェイシングにより、お客さまは商品情報を確認しやすくなり、商品を選びやすくなります。

購買意欲を高める売れるディスプレイの仕方

購買意欲を高める売れるディスプレイの仕方には、以下のようなものがあります。

【購買意欲を高める売れるディスプレイの仕方】

• 関連商品をまとめて陳列する
• シーズンや時期に合わせた演出をする
• テーマに沿った商品選定と配置を行う

以下、順に解説しましょう。

関連商品をまとめて陳列する

お客さまの購買意欲を高める陳列方法の1つに、「グルーピング（くくり）」があります。

「グルーピング」とは、同一商品や関連性が高い商品、カラーリングが似ている商品などをまとめて陳列する手法で、ひとまとめに陳列することで、お客さまが商品を探しやすくなり、購買意欲が高まるというメリットがあります。

「グルーピング」の種類は、「水平くくり（水平方向にグルーピング）」「垂直くくり（縦方向にグルーピング）」「ブロックくくり（縦横の両方向に展開してグルーピング）」の3種類です。

シーズンや時期に合わせた演出をする

お客さまの購買意欲を高めるには、シーズンや時期に合わせた演出をして季節感を出すことも効果的です。

ディスプレイに季節感を出すことで、買い替えニーズを掘り起こし、今まで売れていなかった商品が売れるきっかけになったり、旬な食材の限定感・鮮度感を刺激したり、季節商品の案内をしたりして、お客さまに「そうだ、今、買わなきゃ！」と思わせられます。

テーマに沿った商品選定と配置を行う

お客さまの購買意欲を高めるためには、店側で売り方のテーマを決めて、テーマに合わせた統一した商品選定と配置を行うことも大切です。

たとえば、「ワクワク感のある売り場」というテーマを設定したケースでは、店内イメージやカラーを統一することで、見やすさや居心地の良さを強めたり、他店ではあまり見ないような商品ラインナップにしたりすることで、顧客の購買意欲を高めることができます。

店舗の特徴を活かした売れるディスプレイの仕方

店舗の特徴を活かした売れるディスプレイの仕方には、以下のようなものがあります。

【店舗の特徴を活かした売れるディスプレイの仕方】

• ターゲット層を意識したレイアウト
• 立地や規模に合わせたディスプレイ

以下、順に解説しましょう。

ターゲット層を意識したレイアウト

店舗の特徴を活かしたディスプレイ方法として、ターゲット層を意識したレイアウトにすることも、売上を伸ばすためには重要です。

たとえば、ターゲットの顧客層を富裕層に設定するケースでは、ごちゃついた陳列方法にはせず商品の配置スペースに余裕を持たせるなどのレイアウトを選択することで店舗の特徴を表現できるでしょう。

立地や規模に合わせたディスプレイ

立地や規模に合わせたディスプレイにすることも、店舗の特徴を活かした売れるディスプレイとしては有効です。

たとえば、駅近の人通りの多い立地では、外側から店内がのぞけるようなディスプレイにして通行人の注目を集めたり、お店の規模が小さく陳列スペースが限られているケースでは、注力商品を選定して陳列する量を限定したりするなどの工夫が必要でしょう。

訴求力を高めて売れるディスプレイを作るための工夫

お客さまに商品を購入していただくためには、売り場で商品を認知してもらい、特徴や価値を知って欲しいと思ってもらう必要があります。

つまり、いかに訴求力を高めて売れるディスプレイを作れるかが重要です。

ここでは、訴求力を高めて売れるディスプレイを作るための工夫についていくつかご紹介していきましょう。 

サイズの大きなPOPや什器の活用

訴求力を高めて売れるディスプレイを作るための工夫の1つとして、陳列用アイテムの活用が考えられます。

陳列用アイテムとしては、POPや什器などが効果的です。POPに関しては、サイズが大きければ、それだけ訴求力も高まるでしょう。

ただし、POPや什器などは、お客さまの店内での心地よさを優先する必要があるため、売り場のテーマや雰囲気、ターゲットの顧客層などに合わせて準備することが重要となります。

色使いの工夫

訴求力を高めるためには、ディスプレイを作る上での色使いの工夫も必要です。

購買意欲を高める「赤」、信頼感を持たせる「青」などのカラーマーケティングを考えて、売り場全体のイメージやテーマなどに沿ってディスプレイの色使いを検討しましょう。

ユニークな装飾やディスプレイ

ユニークな装飾やディスプレイも、訴求力を高める工夫としては必要でしょう。

ユニークな装飾やディスプレイを施すことで、来店客の注目を集めることができ、商品に対する訴求力を高めることが可能です。

また、お店のオリジナリティーを出すこともでき、集客効果も期待できます。

売れるディスプレイを作るための考え方

売れるディスプレイを作るためには、どのようなことを中心に考えたらいいのでしょうか。

ここでは、売れるディスプレイを作るための考え方をご紹介しましょう。

お客様目線に立つ

売れるディスプレイを作るためには、第1に、お客様目線に立って考えることが重要です。

ターゲットとなる顧客を定め、お客さまがお店に対して何を求めるのかを中心に考えてディスプレイを作りましょう。

ときには、売り場に対する顧客アンケートを実施するなど、自身の店舗のディスプレイに対する顧客ニーズを把握することが大切です。

立ち寄りやすい売り場づくりを考える

立ち寄りやすい売り場づくりを考えることが、売れるディスプレイを作るために必要なことです。

「このお店に来ると安心する」「ゆっくりと商品が選べて好き」など、ターゲットとなる顧客が立ち寄りやすく居心地のいい空間を演出することが顧客満足度を高め、リピート客を増やすポイントとなります。 

売れるディスプレイの仕方のまとめ

ここまで、「魅せる売り場」について、売れるディスプレイの仕方、商品の魅力を引き出す方法や購買意欲の高め方などをご紹介させていただきました。

売れる酒屋にするためには、商品ラインナップだけでなく、ディスプレイの工夫も必要になってきます。

なぜなら、酒屋に来店するお客さまは、「どんなおいしいお酒があるだろう」「自分に合ったお酒を見つけたい」など何かしらのワクワク感を持って来店して、店内を探すので、ディスプレイもお客さまのニーズに応える必要があるからです。

立地や規模、ターゲットになる顧客層などに合わせた「魅せる売り場」を作るためには、自社の事業計画とマーケティング戦略も同時に考えていく必要があります。

アンカーマンでは、酒類事業に特化したコンサルティングファームとして、補助金サポートのほか、売れる仕組みづくりを前提としたマーケティングサポートを、事業者ごとの事業計画に照らし合わせて提供しています。

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