【2026年最新】酒造業・酒販業向けの注目補助金・厳選6種はこれだ!!

※2026年6月7日更新

補助⾦は国や地⽅公共団体が事業者をサポートするために出していただけるお⾦です。

融資とは違い、返済する必要がありません。

酒造業者や酒販業者の皆様が活⽤できる補助⾦は数多く、その中で特に注⽬すべき6種類の補助⾦を厳選して、概要をご紹介します。

「補助⾦をもらえれば助かるが、種類も多いし⼿続きもたいへんだ!」などとお考えではありませんか。

まずはこの記事で「厳選6本」に⽬を通してください。

皆様のお役に⽴つ補助⾦が必ず⾒つかります。

「これは役に⽴ちそうだ!」とお考えになったら、ぜひ、「酒類事業特化の補助⾦申請代⾏コンサルタント」アンカーマンにお問い合わせください。

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・本記事は酒造業者様・酒販業者様向けに主要補助⾦の概要イメージをご説明するものです。
・酒造業者様・酒販業者様と直接関係のない内容については、説明を省略しています。
・細かな要件や申請⼿続きなどについても詳しく記載していません。また、それぞれの補助⾦は公募の都度、内容が変更されています。
・執筆時の直近の内容をできる限りカバーしていますが、その後の変更もありえます。予めご了承ください。
・本記事でご紹介する以外にも、地方自治体の補助金や他省庁の助成金など酒類事業者様が活用できる補助金等はありますが、本記事でご紹介する厳選6種の補助金は酒類事業者様の活用実績があり、アンカーマンが推奨する補助金です。
本記事の補助金に関する情報は、2026年5月時点での情報です。

目次

今回ご紹介する酒造業・酒販業向け補助⾦厳選6種の⼀覧表です。

酒造業・酒屋向け補助⾦厳選6種

ものづくり補助金
中⼩企業・⼩規模事業者等の⾰新的サービス開発・試作品開発・⽣産プロセス改善の設備投資等を⽀援。酒造業者様の採択実績多数!
参考記事⇒ものづくり補助⾦記事

中小企業省力化投資補助金
人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入して付加価値向上、生産性向上、賃上げを目指すための省力化の取組を支援

酒類業振興支援事業費補助金
酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組及び国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援
参考記事⇒酒類業振興支援事業費補助金(旧:フロンティア補助金)とは?採択事例も交えて徹底解説

⼩規模事業者持続化補助金
⼩規模事業者が、持続的な経営に向けた経営計画を作成して⾏う販路開拓や⽣産性向上の取組を⽀援
参考記事⇒【最⼤200万】パワーアップした⼩規模事業者持続化補助⾦

⾷品産業の輸出向けHACCP 等対応施設整備事業
輸出向けHACCP等の認定・認証取得による輸出先国の規制等への対応、家庭⾷向けなどの輸出先国のニーズへの対応を⽀援
参考記事⇒農水省HACCP補助金とは?工場新設など大掛かりな投資に活用できる制度をわかりやすく解説

観光庁補助金  
観光庁が主管する各種補助金であり、観光地域の誘客増加や観光品質向上、地域一体となった観光地・観光産業の振興などを目的として、酒蔵ツーリズムの受入環境整備や人手不足対策、インバウンド対策など観光に紐づけた酒類事業者による各種取組を支援
参考記事⇒酒蔵ツーリズム

1.ものづくり補助⾦(正式名称「ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進補助⾦」)

中⼩企業や⼩規模事業者等が経営革新のための設備投資等に使える補助⾦です。

「ものづくり補助⾦」と略されていますが、製造業に限るものではありません。

今後の制度変更等に対応するため、生産性向上に資する、「革新的な新製品・新サービス開発」や「海外需要開拓を行う事業」のために必要な設備投資等を⽀援する補助⾦です。

補助対象経費の2分の1もしくは3分の2(一定額を超える部分について3分の1のケースあり)について、最大4,000万円の補助が受けられます。

2013年3⽉から開始され、さまざま変遷をたどっていますが、歴史のある補助⾦であり、名前をご存じの⽅も多いのではないでしょうか。

酒類事業者で利⽤されている⽅も多数いらっしゃいます。

1-1 補助対象者

中⼩企業・⼩規模事業者等がメインです。個⼈事業主も含まれます。

製造業は、「資本⾦3億円以下または常勤従業員数300⼈以下の会社または個⼈」、⼩売業は、「資本⾦5,000万円以下または常勤従業員数50⼈以下の会社または個⼈」です。

また、酒造組合なども⼀定の範囲で補助対象者になります。

なお、過去に「ものづくり補助金」の交付決定を受けたことのある事業者でも、一定期間の間隔を置いた場合など一定の場合に、補助対象者に該当することがあります。

1-2 補助対象となる事業・申請枠・申請要件

補助対象事業は、以下のとおりです。

1.革新的な新製品・新サービス開発新たな価値を提供することを目的に自社の技術力等を活かして新商品・新サービスを開発することであり、以下は対象ではない
①単に機械装置等を導入する
②同業者や同一地域において相当程度普及
③既存工程の効率化(プロセス改善)
2.海外需要開拓を行う事業国内の生産性を高めるための以下に関する事業
①海外への直接投資
②海外市場開拓(輸出)
③インバウンド対応
④海外企業との共同事業

酒造業者の活用事例は、以下のとおりです。

活用事例効果
①⾃動充填機を導⼊⽣産スピードが2倍以上にアップ
②ステンレスタンク
6本とラベラーを導⼊
・タンク⼊れ替えで毎年の補修費⽤を削減、ラベラー導⼊で重たい⼀升瓶も⼥性や⼩柄な⼈で早く正確なラベル貼りが可能
・省⼈化でコロナ対策にも有効
③分析器を新規導⼊従来のフラスコとメスシリンダーによる⼿作業と異なり、早くて正確な分析が可能となる

酒販業者の活⽤事例は、以下のとおりです。

活用事例効果
倉庫兼ショールームの改装&試飲スペースの設置日本酒の熟成が見える倉庫で、徹底した温度管理による長期熟成日本酒の試飲会による提供が実現し、売上アップに成功

補助対象となる事業は、各補助金の申請枠により指定された補助事業実施期間内に、発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きが完了する事業です。

申請要件として、以下の要件をすべて満たす3〜5年の事業計画の策定が必要となります。さらに、申請時点で、賃金引上げ計画の策定も必要です。

事業場全体の付加価値額年平均成長率+3%以上増加
従業員1人あたり給与支給総額年平均成長率+3.5%以上増加
事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円以上の水準
従業員の仕事・子育て両立支援従業員が21名以上の場合のみ必要
次世代育成支援対策推進法に規定する「一般事業主行動計画」の策定・公表を行うこと

申請枠には、「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の2つのタイプがあり、各々の概要と個別要件は以下のとおりです。

申請枠 概要 基本要件以外の要件
製品・サービス
高付加価値化枠
革新的な新製品・新サービスの開発、またはDX・GX(成長分野進出類型)に資する設備・システム投資を支援 なし
グローバル枠 海外事業(輸出やインバウンド対応など)を通じて国内の生産性を向上させる取組みを支援 下記①~④のいずれか1つに加えて⑤⑥
①「海外への直接投資に関する事業」
国内の設備投資に加えて、海外拠点でも補助対象経費の2分の1以上
②「海外市場開拓(輸出)に関する事業」販売先の2分の1以上が海外顧客かつ売上が補助額以上
③「インバウンド対応に関する事業」
販売先の2分の1以上が訪日外国人かつ売上が補助額以上
④「海外企業と共同で行う事業」
外国法人との共同研究等による成果物の権利が補助事業者に帰属
⑤海外事業に関する実現可能性調査の実施
⑥社内に海外事業専門人材の設置または海外事業外部専門家との連携

なお、要件が未達の場合には、補助金の返還を求められることがあるので注意をしましょう。

また、具体的には次のような活用事例が考えられます。

申請枠具体的事例
製品・サービス高付加価値化枠・生産性向上を目指して古い醸造機器を更新
・クラウド会計ソフトやEC連動POSレジなどを導入して管理部門のDX
・コミュニケーション・プロジェクト管理ツールの活で営業部門のDX
・麹室に電子温度・湿度計による温度管理システムで醸造工程のDX
・カーボンゼロの日本酒の開発
・社用車を電気自動車へ変更
・太陽光パネルの設置
グローバル枠・瓶詰め・ラベル貼り⼯程刷新による中国市場開拓
・海外市場開拓に向けた全⾃動洗⽶機導⼊による固定効率化
・アフターコロナを⾒据えた⽶国市場開拓のための⾃動製麹機導⼊
・新商品PRのため海外展示会への出展

1-3 補助上限額・補助率

補助上限額や補助率は、申請枠や従業員数規模等によって異なります。

★製品・サービス高付加価値化枠

従業員規模補助金額補助率
1~5人100万円~750万円・中小企業1/2
・小規模・再生2/3
6人~20人100万円~1,000万円
21~50人100万円~1,500万円
51人以上100万円~2,500万円

★グローバル枠

補助金額補助率
100万円~3,000万円・中小企業1/2
・小規模2/3

★特例措置

①大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例
大幅な賃上げに取り組む事業者について、従業員数規模に応じて以下のとおり補助上限額が引き上げられます(ただし、各申請枠の補助上限額に達していない場合、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例を申請する事業者は除外)。

<補助上限引上げ額>

従業員数規模補助上限引上げ額
1~5人各補助対象事業枠の補助上限額から最大100万円
6~20人各補助対象事業枠の補助上限額から最大250万円
21~50人各補助対象事業枠の補助上限額から最大1,000万円
51人以上各補助対象事業枠の補助上限額から最大1,000万円

<要件>

給与支給総額1 人あたり給与支給総額基準値に加え、さらに年平均成長率+2.5%(合計で年平均成長率+6.0%)以上の目標値
事業場内最低賃金事業所内最低賃金基準値+20円(合計で+50円)以上の目標値

②最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例

所定の賃金水準の事業者が最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率が「3分の2」に引き上げられます(ただし、小規模企業・小規模事業者、再生事業者、大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例を申請する事業者は除外)。

<要件>

  • 一定期間(1年間)における地域別最低賃金以上~2025 年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が 30%以上である月が3ヶ月以上あること
  • 本特例措置を適用する場合、基本要件から「事業所内最低賃金水準要件」を除外すること

1-4 補助対象経費

以下のとおり広範な経費が補助対象となります。

なお、本事業では、設備投資が必須であるため、必ず機械装置・システム構築費(単価税別50万円以上)は計上する必要があることを押さえておきましょう。

ただし、一部の経費に関しては、補助対象経費総額(税別)の2分の1・3分の1・5分の1のような上限額が設定されているので注意が必要です。

また、機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き、グローバル枠の場合は、1,000万円)までが補助上限額となります。

さらに、補助対象経費の算定には、消費税等は除外しなければなりません。

【必須の経費】
機械装置・システム構築費(単価税別50万円以上の設備投資が必須)【その他の経費】
・運搬費、クラウドサービス利⽤費、原材料費
・技術導⼊費および知的財産権等関連経費(上限3分の1)
・外注費および専⾨家経費(上限2分の1)
・海外旅費および通訳・翻訳費(グローバル枠海外市場開拓(輸出)関連事業のみ対象、上限5分の1)
・広告宣伝・販売促進費(グローバル枠海外市場開拓(輸出)関連事業のみ対象、上限2分の1)

1-5 スケジュール等

「ものづくり補助⾦」は、通年で公募が⾏われています。

今後のスケジュール(案)としては、切れ目なく事業を実施することが公表されています。

酒類事業における「ものづくり補助⾦活用」について詳しくお知りになりたい⽅はこちら⇒【保存版】2021年日本酒蔵・焼酎蔵がものづくり補助金活用で導入した設備TOP3!

公式ホームページなどはこちら⇒ものづくり補助補助事業公式ホームページ「ものづくり補助⾦総合サイト」公募要領

【注目】「ものづくり補助⾦」今後の制度改正のゆくえ

今後、「ものづくり補助金」が大きく制度改正されることが予想されます。

中小企業庁/中小企業対策関連予算「ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」によれば、予想される制度改正(現段階で詳細は未公表)の概要は以下のとおりです。

直近の第23次公募(2026年5月締切)をもってこれまでの単独枠組みでの募集は終了し、次回の公募からは、これまで別の独立した制度だった「中小企業新事業進出補助金」と完全に統合された、『新事業進出・ものづくり補助金(仮称)』へと生まれ変わります。

「新事業進出補助金」との統合による3枠体制へ

これまでは「設備投資ならものづくり補助金」「別の新分野に乗り出すなら新事業進出補助金」と分かれていましたが、統合により1つの補助金の中で自社の目的に適した枠を選ぶ形になります。予算規模は約2,960億円の大型枠組みです。

新しい申請枠主な目的・引き継がれる理念補助上限額※()内は大幅賃上げを行う場合補助率
① 革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金の中心)革新的な製品開発や技術の高度化を支援5人以下 750万円(850万円)
6~20人 1,000万円(1,250万円)
21~50人 1,500万円(2,500万円)
51人以上 2,500万円(3,500万円)
1/2
小規模・再生2/3 ※最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引上げ(小規模・再生事業者は除く)
② 新事業進出枠(旧新事業進出補助金の理念)既存のノウハウを活かした「異なる新市場・新分野」への挑戦を支援(店舗の建築費なども対象)20人以下 2,500万円(3,000万円)21~50人 4,000万円(5,000万円)51~100人 5,500万円(7,000万円)101人以上 7,000万円(9,000万円)1/2 ※最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引上げ
③ グローバル枠海外への直接投資や、輸出、インバウンド対応に向けた国内の体制強化を支援2/3

※いずれの枠も、「大幅な賃上げ」に取り組む計画を出すことで、補助上限がさらに100万円〜2,000万円上乗せされます(例:新事業進出枠なら最大9,000万円、グローバル枠なら最大9,000万円まで拡大)。また、最低賃金引上げ特例として、グローバル枠を除いて、一部の事業者に補助率の引上げが認められます。

2.中小企業省力化投資補助金

「中小企業省力化投資補助金(通称:省力化補助金)」は、人手不足に悩む中小企業等に対して省力化投資を支援することにより、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的とする補助金です。

IoTやロボットなどの付加価値額向上や生産性向上に効果的な汎用製品をカタログから選択・導入できる「カタログ注文型」と、個別の現場や事業内容等に合わせた設備導入・システム構築等の多様な省力化投資を支援する「一般型」という2つの類型で申請できます。

2-1 「カタログ注文型」と「一般型」の比較

2つの申請類型の違いは、以下のとおりです。

項目カタログ注文型一般型
投資内容簡易で即効性のある汎用製品の導入オーダーメイド性のある多様な設備・システム構築
補助対象カタログに載っている洗米機、自動梱包機など現場の仕様に合わせた自動外観検査装置、独自の倉庫管理システムなど
補助上限額最大 1,500万円(従業員数による)最大 1億円(従業員数や賃上げにより変動)
申請のタイミング随時いつでも可能公募回制(年数回、決められた期間に応募)
審査基準省力化指数省力化指数、付加価値増加率、投資効率(事業計画の効率性)、オーダーメイド性
賃上げ要件任意(賃上げすると補助上限がアップ)必須(年平均の給与総額や最低賃金のクリアが必要)
審査の難易度書類も簡易的で採択されやすい事業計画書の提出が必要で、厳格な審査がある
申請方法販売事業者と共同申請補助事業者が申請
対象経費製品本体価格、導入経費機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費
酒類事業者の
選択基準
・「現場の特定の作業を機械に任せて、蔵人やスタッフの負担を今すぐ減らしたい」という場合に最適
・酒造りや瓶詰め・出荷に直結する機械が数多くカタログに登録されている
・「既製品の機械をポンと置くだけでは、うちの蔵のレイアウトや伝統的な動線に合わない」
・「一連の工程をまとめて自動化したい」
などの場合に威力を発揮
酒類事業者の
活用事例
【洗米機・浸漬装置】
カタログ登録されている自動洗米機などを導入し、冬場の冷たい水での手作業を自動化・省力化する

【自動梱包機・ラベル貼り機】
瓶詰め後のラベル貼りや、段ボールへの箱詰め・封緘(テーピング)を自動化し、出荷作業のスピードを上げる

【パレタイズロボット(またはパワーアシストスーツ)】
重い一升瓶のケースや米袋を運ぶ、積み上げる作業の負担を軽減する

【券売機・キャッシュレスレジ】
直売所や有料試飲(テイスティング)コーナーに導入し、レジ人員を割かずに観光客対応を行う
【独自のスマート醸造管理システムの構築】
タンクごとの温度や品温、もろみの状態を測定するセンサー群と、それらを一元管理・遠隔監視する独自のソフトウェアを組み合わせ、仕込み管理を省力化・データ化する

【オーダーメイドの瓶詰め・殺菌・搬送ライン】
蔵の限られたスペース(柱の位置や床の高低差など)に合わせて、独自のコンベアラインやロボットアーム、自動火入れ装置(パストライザー)を組み合わせた専用のシステムを設計・導入する

【自動倉庫管理システム(WMS)との連動】
多品種少量生産の日本酒や焼酎の在庫、熟成期間を自動で管理し、出荷指示に合わせてロボットが自動でピックアップするシステムを組む

同じ年度内であっても、大がかりなシステム構築には「一般型」を使い、別の事務作業や店舗用に汎用的な券売機や清掃ロボットを入れるために「カタログ注文型」を並行して使う、という二階建ての活用も認められています。

まずは事務局の製品カタログを見て、自社が欲しいメーカーの洗米機や梱包機、ラベル貼り機などが載っているかを確認してください。

載っていれば、手続きが圧倒的に楽で採択率も高い「カタログ注文型」の一択です。

「カタログにない特殊な機械が必要」「蔵の構造に合わせた特注のシステム開発が必要」という場合は、事業計画書を作り込んで「一般型」で大きな予算(最大1億円)を狙いに行く、というステップがおすすめです。

2-2 補助対象者・補助対象・補助上限額・補助率

補助対象者は、「人手不足の状態にある中小企業等」であり、補助対象・補助上限額・補助率は、以下のとおりです。

【カタログ注文型】

補助対象補助上限額※()内は賃上げ実施補助率
カタログ登録省力化製品等従業員数5人以下200万円(300万円)1/2以下
従業員数6~20人500万円(750万円)
従業員数21人以上1,000万円(1,500万円)

【一般型】

補助対象補助上限額※()内は賃上げ実施補助率
個別現場の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築従業員数5人以下750万円(1,000万円)中小1/2(2/3)
小規模・再生2/3
従業員数6~20人1,500万円(2,000万円)
従業員数21人~50人3,000万円(4,000万円)
従業員数51人~100人5,000万円(6,500万円)
従業員数101人以上8,000万円(1億円)

2-3 補助対象経費やスケジュール等の詳細

新設されたばかりの補助金であるため、補助対象経費やスケジュール等の詳細は未公表です。

公式ホームページなどはこちら⇒「中小企業省力化投資補助金

※今後、公募が開始されたら教えてほしいという⽅は、こちらよりお問い合わせください。

3.酒類業振興支援事業費補助金(国税庁補助金)

酒類業振興支援事業費補助金(令和8年度予算)は、国税庁が所管する酒類業の振興に関する補助事業の1つです。

「酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組及び国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大及び酒類業の経営改革・構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進することを目的とする」とされています。

「新市場開拓支援枠」と「海外展開支援枠」とがあり、「新市場開拓支援枠」は旧フロンティア補助金の後継の制度です。

また、かつて独立していた海外展開向けの支援機能「日本産酒類海外展開支援事業費補助金」は、現在は単独の補助金としては存在せず、「酒類業振興支援事業費補助金」へと一本化(統合)された形になっています。

3-1 補助対象者

補助対象者は、「新市場開拓支援枠」が「酒類事業者のみ」であり、「海外展開支援枠」が「酒類事業者または酒類事業者を1者以上含むグループ」です。

3-2 補助対象となる事業・申請要件・補助⾦額・補助率

各支援枠の補助対象事業・申請要件・補助⾦額・補助率の概要は、以下のとおりです。

新市場開拓支援枠海外展開支援枠
補助対象事業・商品の差別化による新たなニーズの獲得
・販売手法の多様化による新たなニーズの獲得
・ICT技術を活用した、製造・流通の高度化・効率化
・酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組
・酒類事業者による海外販路拡大、商品等の高付加価値化、インバウンドによる海外需要の開拓等の取組
・酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組(海外展開またはインバウンド向け)
・リソース不足に対応するための上記取組について、複数の酒類事業者が集まって推進する取組
優先
採択
補助事業計画書の事業内容が次の影響への対応として関連性を有すると認められる取組が高く評価される
1.酒米の価格高騰等の影響
2.米国関税措置の影響
申請要件以下①②含む3~5年の事業計画
①給与支給総額:年率1.5%以上増加
②売上額または付加価値額:年率平均3%以上増加
補助⾦額50万円~500万円(※1)50万円~1,000万円(※2)
補助率1/2 小規模酒類事業者(※3)2/31/2

※1:給与支給総額の増加目標未達の場合、補助金の一部返還

※2:複数(3者以上)の酒類事業者の場合の上限額は1,200万円~1,500万円

※3:小規模事業者=従業員数が20人以下(卸・小売業は5人以下)

3-2ー1 新市場開拓支援枠の補助対象事業

★商品の差別化による新たなニーズの獲得事業

マーケットインの考えを踏まえ、消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することを⽬的とした事業

対象となる取組例

⚫ ⾷品等とのペアリングに特化した商品開発、地⽅⾃治体等との連携による地⽅産品の特性を⽣かした商品開発

⚫ 地元・活用した休耕田の収穫物を原材料とした商品開発

⚫ 個⼈等に対するオーダーメイド商品の開発体制の構築

⚫ 新たな原材料等の使⽤で、これまでにない特性を持たせた⾼付加価値商品の開発

⚫「伝統的酒造り」を差別化のポイントとした⾼付加価値商品の開発

★販売⼿法の多様化による新たなニーズの獲得事業

販売の場⾯での新たな訴求⼒の創出を通じ、消費者の多様なニーズに応えるサービス提供を⽬的とした事業

対象となる取組例

⚫ 商品情報充実による販売促進(二次元コード等を活⽤したで取扱商品のブランドストーリーの提供や消費者が求める情報を記載した裏ラベルの活⽤等)

⚫ テイスティング等の顧客体験を重視した販売形態の確⽴

⚫ データ分析等を⽤いた、顧客の嗜好に合致した商品の販売⼿法の導⼊

ICT技術を活⽤した、製造・流通の⾼度化・効率化事業

これまで専⾨家の経験等に依拠していた作業にICT技術を活⽤することで専⾨家の技能とICT技術との相乗効果を創出する等、製造・流通の⾼度化・効率化を図る事業

対象となる取組例

⚫ 製造:AI技術等を活⽤した品質管理システムの導⼊

⚫ 流通:RFIDやAIカメラ等を活⽤した管理システムの導⼊

★酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組

酒類の原料である酒米の不足や価格が高騰していることを踏まえて行う取組等

対象となる取組例

⚫ 契約栽培先の多角化等による、酒米を安定的に確保できる体制の構築

⚫ 地域の農家との連携を強化し、他県産米から自県産米への切替を促進する取組

3-2ー2 海外展開支援枠の補助対象事業

★⽇本産酒類の海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取組

⽇本産酒類の⾼付加価値化や、海外のニーズを踏まえた新商品開発、認知度向上のための情報発信など、商品のブランド化を推進する取組

対象となる取組例

⚫ 海外ニーズを踏まえ、強みを活かした海外展開のための現地調査・ブランド戦略の構築

⚫ 海外の嗜好に即した新商品開発、新規ブランドの⽴上げ、そのための調査研究

⚫ 海外で新規に製品を取り扱う事業者の開拓や新たな販売⼿法の試⾏

⚫ 海外有名レストラン等の協⼒による認知度向上に向けた情報発信

⚫ 地理的表⽰(GI)やテロワール等を海外向けのブランド化に活⽤する取組

⚫ 農商⼯連携や異業種連携等により、新たな価値創造を⽬指す取組

★酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組

インバウンドによる海外需要拡⼤を⽬的とし、酒蔵自体の観光化や酒類事業者、観光事業者、交通機関、地⽅公共団体等が連携して、国内における酒蔵やワイナリー、ブルワリー等を巡って楽しむことのできる周遊・滞在型観光「酒蔵ツーリズム」を推進し、⽇本産酒類の認知度向上等を図る取組

対象となる取組例

⚫ 酒蔵⾃体が観光化の取組を⾏って観光客受⼊整備や消費拡⼤につながる取組

⚫ 観光客が酒蔵等で高付加価値な体験(酒造り・宿泊等)ができる受⼊環境整備に向けた取組

⚫ 地域で酒蔵ツーリズムを実施することで地域連携の機運醸成や、酒類を含む地域の価値創造につながる取組

⚫ ガイド育成や他の観光資源の組合せによる滞在時間の拡⼤や宿泊を通じ、消費拡⼤を促す商品開発

★酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組(海外展開またはインバウンド向け)

酒類の原料である酒米の不足や価格が高騰していることを踏まえて行う取組等

対象となる取組例

⚫ 地元酒米農家との契約による、地域の風土や田んぼの特性を活かした酒造りなどのストーリー性を持たせた高付加価値商品の海外展開

⚫ 地元酒米農家と連携した、インバウンド向け酒米・酒造り体験などを行う環境の整備に向けた取組

3-3 補助対象経費

事業費として次のような広範なものが対象になります。

設備等費 、謝金、旅費、借損料、通訳・翻訳費、会議費、マーケティング調査費、産業財産権等取得等費、展示会等出展費、雑役務費、原材料等費、設計・デザイン費、広報費委託費、外注費、出演料、運営費

3-4 スケジュール等

実施主体である国税庁の予算との関係で公募が確定されるため、不定期公募です。

公募期間は平均約1 ヶ⽉半程度のため、公募を検討されている⽅は準備不⾜で申請をあきらめるといった事態が発⽣しないよう、こまめな情報収集を⼼がけましょう。
⇒次回公募が開始されたら教えてほしいという⽅は、こちらよりお問い合わせください。

3-5 酒類事業者の採択事例

以下は、旧フロンティア補助金の採択事例です。

例1「新品種⽶を⽤いた定番シリーズの新商品開発」

市場の需要変化への対応として別拠点に直売所を開店。

清酒市場のプレミアム化とコロナ禍の影響による巣ごもり需要の拡⼤を機に、地酒ブランドシリーズの新商品開発を⾏う。

例2「搾りたて×伝統製法「⽣酛造り」によるペアリング商品の開発」

「清酒市場のプレミアム化」と「コロナ禍による巣ごもり需要」を機に、しぼりたて×伝統製法「⽣酛造り」により、⾁料理やバターを使った洋⾷とマッチした⾼い競争⼒を持った⽇本酒を開発。

⼥性や若年層などの新たな需要を取り込み、他の酒類事業者のモデルとなる。

例3「地元産新品種⽶による伝統製法⽣酛の低アルコール⽇本酒の開発」

家飲み需要・巣ごもり需要の拡⼤に応じる商品として、地元産新品種⽶2 種類を原材料に、⻑年培った⾼い醸造技術を活かし、⽇本酒業界では希少性の⾼い「地元流⽣酛造り×低アルコール」と「地元流⽣酛造り×ハーブ」⽇本酒2点の新商品を開発する。

酒類業振興支援事業費補助金について詳しくお知りになりたい⽅はこちら⇒「酒類業振興支援事業費補助金(旧:フロンティア補助金)とは?採択事例も交えて徹底解説

公式ホームページなどはこちら⇒国税庁ポータルサイト「補助事業について

制度概要(PDF/143KB)

【参考】「ものづくり補助⾦」と「国税庁補助⾦」はどちらを選ぶべきか。

「ものづくり補助⾦」は前述のとおり⼤変伝統のある補助⾦でご存じの⽅も多いでしょう。

「中小企業省力化投資補助金(通称:省力化補助金)」は、深刻な人手不足に悩む中小企業や小規模事業者を対象とした補助金です。

「国税庁補助⾦」は、酒類事業者が活用しやすい補助金として、酒類業界でも認知されています。

酒類事業者の皆様が、これら注目すべき3つの補助金のうち、どれを選ぶべきかの判断基準をわかりやすく解説しましょう。

最初に結論をお伝えすると、判断基準は「投資の目的」と「手続きに割ける社内リソース(時間や人手)」にあります。

以下、「ものづくり補助⾦」「中小企業省力化投資補助金」「国税庁補助⾦」はどれを選ぶべきかの結論について表にまとめました。

選ぶべき補助金投資目的具体的な活用事例
ものづくり補助⾦大規模な投資で、大胆な新分野進出や業態転換に挑み、第2の柱を作りたい場合・クラフトジンやウィスキー蒸留所の新設
・古い蔵を宿泊・発酵体験ができる観光施設へリノベ
・最先端のEC専用出荷センターの構築
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型製造や出荷現場の特定の重労働を、カタログ掲載の既製品(単品)を入れて「手軽に・早く」解決したい場合・カタログ登録された自動洗米機や浸漬装置の導入
・自動梱包機やラベル貼り機の導入
・直売所への券売機やキャッシュレスレジ導入
一般型既製品のポン置きでは自社の蔵に合わず、現場に合わせた「オーダーメイドの自動化ラインやシステム構築」が必要な場合・蔵の変形スペースに合わせた特注の瓶詰め・搬送ライン
・もろみや発酵の状態を遠隔監視する独自のスマート醸造管理システムの構築
・既存設備と連動する倉庫管理(WMS)ロボットシステム
国税庁補助⾦売るための仕組みづくりや、海外・インバウンドをターゲットにしたブランド強化を図りたい場合・海外販路開拓、プロモーション
・テイスティング場などの酒蔵ツーリズム整備
・地元酒米農家と連携した新商品開発・販促

「国税庁補助金」を選ぶべき: 海外販路開拓、酒蔵ツーリズム、ブランド化、販促、酒米農家連携、新商品開発をしたい場合

「中小企業省力化投資補助金」を選ぶべき: 洗米や梱包などの重労働・人手不足を、既製品の導入で「手軽に・早く」解決したい場合

「ものづくり補助金(新事業進出枠)」を選ぶべき: 蒸留所の新設や観光施設へのリノベーションなど、数千万円規模の大胆な「新分野進出・業態転換」に挑む場合

⽐較表は以下のとおり。

ものづくり補助⾦国税庁補助金中小企業省力化投資補助金(カタログ型/一般型)
必須申請要件
・売上減少要件不要
・付加価値増加要件必要
・賃上げ要件必要

・売上減少要件不要
・付加価値増加要件必要
・賃上げ要件必要(ただし、事業場内最低賃金要件は不要)

・売上減少要件不要
・省力化要件必要
・賃上げ要件は、一般型は必要だが、カタログ注文型は任意
申請加点項目
「経営⾰新計画」「事業継続⼒強化計画」の承認のほか、「最低賃金引上げ」を加点項⽬として重視

「経営⾰新計画」「パートナーシップ構築宣言」のほか、「酒米の価格高騰等に関する確認書」の提出等を加点項⽬として重視
△ 〜 ✕
・カタログ注文型: 加点項目は原則なし
・一般型:「省力化ナビの活用」「健康経営優良法人」「事業継続力強化計画」等の加点項目あり
補助対象事業△(限定的)
革新的な「新製品」または「新サービス」の開発の取組が必須
※既存製品の生産プロセスの改善(省力化等)や単なる設備更新は対象外
〇(選択肢が広い)
新市場開拓(国内・海外)、酒蔵ツーリズム等のための設備投資・マーケティング等(自社の新事業でなくても可)
〇(限定的だが明確)
人手不足の解消に向けて、省力化効果のある機器やオーダーメイド設備(製品)を導入する事業
補助事業実施期間
公募回ごとに異なるものの交付決定日後概ね4ヶ月~5ヶ月程度
 ✕
公募回ごとに異なり、公募回によって期間が短いこともあり
〇 〜 △
・交付決定日から概ね12ヶ月以内(ただし予算全体の最終完了期限を超えない範囲)
・通年で随時受付(カタログ注文型)または定期公募(一般型)
事業計画終了後の業績⽬標 ✕
・「新事業売上⾼構成⽐要件」不要だがその他は厳しい
・「付加価値額増加要件」「給与⽀給総額増加要件」「事業場内最低賃⾦引上要件」が必須

「新事業売上⾼構成⽐要件」不要だがその他は厳しい。「給与⽀給総額増加要件」
〇 〜 △
・カタログ注文型(通常): 生産性目標未達成時の返還規定は原則なし
・一般型 / カタログ注文型(賃上げ特例): 目標未達成時に返還義務(ペナルティ)あり
補助対象経費の範囲 ✕
狭い:建物費、広告宣伝費、研修費などは認められない

広い:建物費、広告宣伝費なども認められる
 ✕
狭い:カタログ注文型は登録された設備本体価格と設置費のみで、一般型は、機械装置、オーダーメイドシステム構築費、技術導入費等(建物費・広告費は対象外)
事前着⼿申請の有無 ✕
なし:交付決定後の経費のみ対象
 ✕
なし:交付決定後の経費のみ対象
 ✕
なし:交付決定後の経費のみ対象

3大補助金の比較から見える実務上のポイント

①必須化・厳格化する申請要件と加点項目のリアル

ものづくり補助金の申請加点項目である「経営革新計画」や「事業継続力強化計画」は、策定にかなりの手間と時間がかかります。

しかし、これらは「加点項目」と謳われながらも、実質的にはこれらを取得していないと採択率が相当に低くなる(横並びになった際に落とされる)傾向です。

さらに今回は、省力化補助金(一般型)においても「事業継続力強化計画」などの加点項目が導入されたほか、各補助金で「賃上げ要件」のペナルティが厳格化されており、事前の制度設計へのハードルは以前よりも高くなっています。

②目的別・事業計画の立てやすさと選択肢の広さ

補助対象事業の「使い勝手の良さ」という点では、依然として国税庁補助金に軍配が上がります。

海外展開だけでなく、国内における新市場開拓の取組みも幅広く支援されるため、ストーリーが一貫した事業計画を作成しやすいのが特徴です。

一方で、ものづくり補助金は、「革新的な新製品・新サービスの開発」が必須要件となり、既存製品の単なる生産プロセス改善(省力化など)は対象外となりました。

既存ラインの省力化・省人化を目指す場合は、投資対象が「人手不足の状態にある中小企業等」に明確に特化された「省力化補助金(カタログ型/一般型)」を選ぶのが正解となります。

③納期・事業実施期間のバラツキと「申請見送り」のリスク

補助事業の実施期間は、予算の性質によって大きなバラツキが見受けられます。

国税庁補助金は年度内の事業完了期限が厳格なため、公募回(期)が後半になるほど実施期間が非常に短くタイトになります。

ものづくり補助金も交付決定から「10ヶ月以内」かつ延長不可という縛りがあります。

過去には「見積を取ってみたら設備導入や工事が期間内に間に合わず、申請を諦めた」という蔵元さんもいらっしゃいました。

建物改修工事など納期の縛りがあるケースや、特注ラインの構築(省力化補助金・一般型など)で設備導入が大掛かりになるものについては、工事完了・納品・支払い完了の時期がいつになるかを逆算し、通年随時受付で比較的期間に余裕がある省力化補助金なども視野に入れながら、慎重に補助金を選定すべきです。

④事後評価と目標未達成ペナルティ(返還リスク)の差

事業計画終了後に求められる業績目標の厳格さにも、大きな違いがあります。

ものづくり補助金は「付加価値額」や「給与支給総額・最低賃金」の未達成時に対する返還規定(ペナルティ)が非常に厳格です。

省力化補助金(一般型、およびカタログ注文型の賃上げによる上限引き上げ適用時)についても、同様に厳しい返還義務が課されます。

これらに比べると、国税庁補助金は事業効果報告の義務はあるものの、目標未達成による即時返還リスクのレベルは比較的緩やかといえるでしょう。

⑤経費範囲に現れる「国の姿勢」の違い

補助対象経費の範囲には、各補助金が何を支援したいかという「姿勢」が色濃く反映されています。

国税庁補助金はもっとも幅広く、「建物費(直売所や試飲スペースの改修)」「広告宣伝費」なども認められます。

これはソフト・ハードの両面から新しい事業展開を積極支援しようとする姿勢の現れです。

これに対して、ものづくり補助金や省力化補助金は姿勢が大きく異なります。

ものづくり補助金では「建物費」が原則一律で対象外となり、場所ではなく中身(革新的な機械・システム)にしかお金を出さないというスタンスです。

また、省力化補助金(カタログ注文型)にいたっては、カタログ登録された「設備本体代と設置費」しか出ないという、極めて割り切った合理的な仕組み(省力化への最短ルート)をとっています。

自社の現在の課題に合わせて、まずは以下のルートで検討を進めるのが確実です。

4.小規模事業者持続化補助金

「⼩規模事業者持続化補助⾦」(略称「持続化補助⾦」)は、⼩規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって経営計画を作成し、当該計画に基づいて行う販路開拓等の取組を⽀援する制度です。

「⼀般型(通常枠・災害支援枠)」のほか、「創業型」「共同・協業型」「ビジネスコミュニティ型」という申請類型が用意されています。

4-1 補助対象者

その名のとおり「⼩規模事業者」に限られます。

具体的には次に該当する法⼈、個⼈事業主、一定条件を満たす特定⾮営利活動法⼈です。

「常時使⽤する従業員」には、会社役員(従業員との兼務役員を除く)や個⼈事業主本⼈(同居の親族従業員を含む)、申請時点で育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員、⼀定条件を満たすパートタイム労働者等は含みません。

業種常時使⽤する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5⼈以下
宿泊業・娯楽業20⼈以下
製造業その他

4-2 補助対象となる事業・補助上限額・補助率

補助対象事業として認められるには、⼩規模事業者等が商工会・商工会議所の支援を受けながら持続的な経営計画を自ら作成し、その計画に基づく販路開拓等の取組を実現させる事業である必要があります。

申請類型ごとの概要・補助上限額・補助率は以下のとおりです。

類型概要補助上限補助率
一般型通常枠経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者50万円2/3

※賃金引上げ特例の赤字事業者のみ3/4
インボイス特例免税事業者から課税事業者に転換50万円上乗せ
賃金引上げ特例事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者150万円上乗せ
災害支援枠令和6年能登半島地震等における被災小規模事業者直接被害:200万円
間接被害:100万円
定額、2/3
創業型産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者200万円
※インボイス特例は適用
2/3
共同・協業型地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参画事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援5,000万円・地域振興等機関は定額
・参画事業者は2/3
ビジネスコミュニティ型商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等)50万円
2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円
定額

4-3 補助対象経費

「一般型」「創業型」は、以下のとおり広範な経費が補助対象となります。

機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展⽰会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費

※「一般型・災害支援枠」は、上記に加え設備処分費、車両購入費

また、「共同・協業型」は、以下のとおりです。

・地域振興等機関・・・人件費、委員等謝金、旅費、会議費、消耗品・備品費、通信運搬費、印刷製本費、雑役務費、委託・外注費、水道光熱費
・参画事業者・・・旅費、借料、設営・設計費、展示会等出展費、保険料、広報費

さらに、「ビジネスコミュニティ型」は、以下のとおりです。

専門家謝金、専門家旅費、旅費、資料作成費、借料、雑役務費、広報費、委託費

4-4 スケジュール等

年間で数回公募されています。

4-5 酒類事業者での具体例

2023年における酒類事業者の採択事例(弊社にてサポート実施)は下記です。

活用事例効果
薮田式ろ過圧搾機の減段工事製造工程改善による少量生産体制へのシフトと品質向上
公式ホームページ開発・企業リーフレットデザイン・ブランドロゴデザインブランド認知・新規販路開拓・販売促進・TEL問合せの削減
麹室床改修工事
麹室の衛生環境の改善
ショーケース型冷蔵庫導入クラフトサケの販売開始に伴う品質管理体制の構築

お客様の声~西飯田酒造店様(長野県)~はこちら⇒補助金サポートで「小規模」2連続ゲットの酒蔵の補助金活用のススメ

5.食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業

「食品の輸出向けHACCP等対応施設整備事業(通称「HACCPハード事業」)」は、農林水産物・食品の輸出拡大に向け、輸出先国・地域の求める規制に対応するために必要となる施設や機器の整備費等を支援(補助率2分の1以内)する補助⾦です。

食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業には、「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備緊急対策事業(令和7年度補正予算、)」および「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業(令和8年度当初予算)」があります。

(注)HACCP(ハサップ:Hazard Analysis and Critical Control Point)

⾷品等事業者による衛⽣管理⼿法です。⾷品等事業者が⾷中毒菌汚染や異物混⼊等の危害要因(ハザード)を把握し、原材料⼊荷から製品出荷に⾄る全⼯程の中で、それらの危害要因を除去⼜は低減させるために特に重要な⼯程を管理し、製品の安全性を確保する、というものです。
従来の抜取検査による衛⽣管理に⽐べ、問題のある製品の出荷の未然防⽌、原因追及がより効率的になる⼿法であり、国際的な基準が定められています。⾷品等の輸出のためには、HACCP等の認定取得が必要になります。

5-1 補助対象者

補助対象者は、輸出を⾏う計画のある⾷品製造者、⾷品流通事業者、中間加⼯事業者等である法人、地方公共団体のほか、本事業の実施者として都道府県等が適当と認める者となります。

酒造業者、酒販業者も含まれますが、補助対象者が法人となっていますので、個人事業主は活用できないことに注意しましょう。

5-2 補助対象となる事業・補助対象経費

「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備緊急対策事業(令和7年度補正予算)」および「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業(令和8年度当初予算)」に関する補助対象事業・補助対象経費の概要は、以下のとおりとなります。

補助対象事業とは、輸出したい品目が農林水産物・食品であり、かつ当該輸出に関して輸出先国の政府が定める規制があり、さらに当該規制に応じた認定・認証等を取得するために要求事項に対応した施設、機器の整備をするための事業のことです。

ただし、認定・認証は、補助対象事業実施後に取得する必要があります。

また、補助対象経費に関しては、以下の「ハード(施設・機器の整備)対策」と「ソフト(コンサルや研修など効果促進)対策」の経費です。

★施設等整備事業(ハード対策)

1.HACCP 等の認定取得に必要な規格を満たすための施設・設備

2.輸出先国のバイヤー等が求めるISO、FSSC、JFS-C、有機JAS等の認証取得に必要な規格を満たすための施設・設備

3.検疫や添加物等の規制に対応した製品を製造するための施設・設備

ただし、施設の新築、増築を申請する場合は「掛かり増し分(工事費、実施設計費および工事雑費のうち、輸出向けHACCP認定・認証取得等の輸出先国の規制対応を行う場合の経費から、建築基準法に基づく構造耐力上主要な部分(壁および床版は除く)の経費を差し引いた金額のこと)」のみが補助対象です。

★効果促進事業(ソフト対策)

施設整備と⼀体となってその効果を⼀層⾼めるために必要な費⽤(認定・認証取得に向けたコンサルティング費や取得後の適切な管理・運用のための人材育成を目的とした研修費等、ただし施設等整備事業費の20%以内)

出典:農林⽔産省「案内チラシ簡易版」「案内チラシ詳細版

5-3 補助金額・補助率

補助金額・補助率については、以下のとおりです。

補助金額対象事業交付率
整備対策緊急事業
(令和7年度補正予算)
250万円~6億円総事業費500万円以上の
大型投資が対象
2分の1以内
整備事業
(令和8年度当初予算)
 5億円以内50万円以上の
少額投資も対象

5-4 ⼿続き

応募を希望する事業者は、各都道府県に事前に相談が必要です。

締切までに「事業実施計画書(案)」(必要な添付書類含む)および「輸出事業計画(案)」を各都道府県窓⼝に提出します。

⾷品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業は、億単位の⾼額補助であるため、⼯場の新設および、機械設備⼀式の調達にも活⽤されています。

なお、採択を受けるための基準については、以下のポイントを参照してください。

主な採択基準は、
● 認証の取得等の規制対応を行うこと
●  輸出額を2,000万円以上増加させること
●  投資効率が2.0以上であること
●  金融機関からの融資を対象事業費の10%以上受けること
●  輸出事業計画の認定を受けること 等

ほか、農林⽔産省が主体の補助⾦の活⽤事例について詳しくお知りになりたい⽅はこちら⇒農水省HACCP補助金とは?工場新設など大掛かりな投資に活用できる制度をわかりやすく解説

公式ホームページなどはこちら⇒⾷品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業

6.観光庁補助金

「観光庁補助金」とは、観光庁が主管する各種補助金のこと。

観光庁補助金には、さまざまな補助金があります。

酒類事業者が活用できる主なものとしては、観光地域の誘客増加や観光品質向上、地域一体となった観光地・観光産業の振興などを目的として、酒蔵ツーリズムの受入環境整備や人手不足対策、インバウンド対策など観光に紐づけた酒類事業者による各種取組を支援する補助金などです。

6-1 酒類事業者が活用できる観光庁補助金

現在募集中または今後公募予定の観光庁補助金として、酒類事業者が活用できる補助金は、以下のとおりです。

※本記事を記載した時点で観光庁HPにて公募情報が確認できる補助金の中から抜粋

観光庁補助金の補助対象者は、地方公共団体、登録DMO(観光地域づくり法人)、民間事業者等であることが多いようです。

酒類事業者も、観光庁補助金の要件に合致すれば、民間事業者として補助対象者に含まれることになります。

観光庁補助金は、「自社単独の利益」のためというより、「その地域(観光地)全体の魅力を高める、または課題を解決する」という視点が強く求められるため、地元のDMO(観光地域づくり法人)や観光協会、近隣の宿泊施設とあらかじめタッグを組んで計画を作成するのがポイントです。

また、酒蔵ツーリズムの一環で「宿泊業の許可(旅館業法)」を持っている場合は、「観光地・観光産業における省力化投資補助事業(上限1,000万円)」なども活用可能になります。

6-2 各補助金の概要

ここでは、酒類事業者が活用できるいくつかの観光庁補助金に関して、補助金の概要をご紹介します。

補助事業名補助上限・補助率酒類事業者における具体的な活用イメージ
全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業最大 1,500万円
※専門人材の伴走支援あり
【直売所・EC・ツアーのデジタル化】
酒蔵見学ツアーのオンライン予約・決済システムの導入、直売所での多言語対応POSレジやデジタルチケットの発行、インバウンドの購買データを活用したマーケティング基盤の構築など
地域一体となった観光産業の効率化支援事業最大 5,000万円(補助率 1/2)【観光地全体での共同設備・システム導入】
単独ではなく、地域の観光協会、DMO、または近隣の宿泊施設などと共同体(コンソーシアム)を組んで申請することにより、地域内の複数の酒蔵や施設で共通利用する「多言語音声ガイドシステム」の構築や、観光客向け共同MaaS(移動手段)のインフラ整備などが狙える
オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業【一般型】
最大 5,000万円(補助率 1/2)
【地域一体型】
最大 2億円
(補助率 2/3)
【地域ぐるみの混雑対策・受入整備】
地域の自治体・DMOや他の観光施設と連携して申請することで、特定の酒蔵や観光エリアへの観光客集中を防ぐための「予約制の導入」や「キャッシュレス・キャッシュレス手荷物預かり所の整備」、多言語での案内看板の設置などが可能
多様な食習慣や文化的慣習を持つ訪日外国人旅行者の受入環境整備に向けたモデル事業最大400万円
(補助率1/1)
【ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール等対応】
インバウンド対応として、酒蔵併設のレストランや試飲コーナーで「ヴィーガン対応のおつまみ・料理」を提供するためのメニュー開発、専門家を招いた受け入れ研修、ピクトグラムを活用した多言語表示の整備などをモデル事業として実施可能

6-3 スケジュール等

観光庁補助金のスケジュールに関しては、実施主体である観光庁の予算との関係で公募が確定されるため、各補助金に関しては不定期公募です。

公式ホームページなどはこちら⇒「観光庁補助金

※今後、公募が開始されたら教えてほしいという⽅は、こちらよりお問い合わせください。

まとめ

補助⾦を獲得するためには、申請する会社の事業内容や特徴を申請書類等に反映させる必要があります。

⻑い歴史のもと、製造過程や販売過程における専門知識や業界事情、伝統的な商習慣など、酒類事業の内容や特徴を把握している「日本で唯一の酒類事業特化のアンカーマン」だからこそ、的確で丁寧な「補助⾦申請サポート」が可能です。

アンカーマンには、今回ご紹介した酒造業・酒販業向けの注目補助金のほか、経営改善計画策定⽀援事業、地域別の補助⾦など、40種類以上の補助⾦申請サポート実績がございます。

蔵元さまをはじめとした酒造業の皆さま(⽇本酒蔵、焼酎蔵、ワイナリー、ブリュワリー、ウイスキー醸造所)、酒販業・酒類関連事業等の皆さま(酒販店、⽤品店)の各種補助⾦の申請サポートに加え、補助⾦の活⽤事例も多数ご紹介しております。

皆さまからのご相談は、下記お問い合わせフォームより随時受け付けております。

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