酒粕は酒カスではない!酒粕の有効活用で売上アップ!!

「酒粕?袋につめて、農家さんにプレゼントしてるけどなぁ…」

「酒粕屋さんに処理してもらっているよ!」

「粕取り焼酎は造っているけど、それ以外に利用できるの?」

蔵元さんから、このようなお声を耳にします。

「それって、早い話、捨てているということですか?」

「そうだよ!だって、うちは酒造りが本業だし…」

ええ!それ、もったいないですよね!

日本の伝統的な食材である酒粕は、粕取り焼酎や食品としてだけでなく、美容や健康にも良いとされ、大注目の原料なんです。

これまで、酒粕を「酒カス」として廃棄・処分してきたものにスポットを当て、有効活用することで、酒蔵さんの売上がアップするとしたらどうでしょう?

今回は、お酒造りの副産物である「酒粕」の有効活用をご紹介して、「酒カス」としてではなく、酒蔵さんの売上をアップさせ、多角経営の柱の1つになりうるかもしれない可能性について、深掘りしていきましょう。

酒粕とは

酒粕とは、日本酒や焼酎などの酒造りの過程で生じ、麹菌と酵母が発酵した米や麦などの酒粕を乾燥させたものです。

酒粕には、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどが含まれ、栄養価が高いとされています。

また、酒粕には食物繊維や乳酸菌も含まれており、腸内環境の改善に役立つとされています。

酒粕は、味噌や漬物、甘酒などの料理に使われる他、美容や健康のための飲料や化粧品などにも利用されています。

酒蔵では酒粕は酒カスとして処理

酒蔵では、お酒造りの副産物としての酒粕の処理をどうしているのでしょうか?

本業が酒造業である酒蔵では、酒粕にはあまり重きを置いていないため、費用をかけてでも廃棄処分することが多いようです。

酒粕の流通を専門で扱う酒粕屋さんに処理費用を支払い処理してもらったり、自身で農家さんなどにプレゼントしている酒蔵さんもあるようです。

それでも、袋代などのコストは酒蔵持ちなので、廃棄コストがかかります。

酒粕を、酒造りの絞りカス=酒カスとして、処理する以外に手を打っていない酒蔵さんがほとんどです。

酒粕の処理費用をなんとかしたい!

酒粕は、酒米の醸造で重量比約25%〜30%ほど生成されるので、年間でかなりの量の産業廃棄物が出ることになります。

本来なら、酒粕を有効活用して、売りモノにでもしたいところですが、もろみを絞って出てくる酒粕には、不純物も入っているため、除去作業などの手間を考えると二の足を踏んでしまう気持ちもわかりますよね。

それでも、酒粕の処理費用をなんとかしたいと思っている蔵元さんは多いようで、捨てるよりは、販売するなどして、廃棄コストをマイナスからせめてプラマイゼロまで持っていけないかと頭を捻っているというお声をよく聞きます。

「酒粕レシピ」「酒粕販売」など「酒粕 活用」などでググるとかなり検索情報が出てくることもあり、皆さん、試行錯誤しているようです。

粕取り焼酎以外にも酒粕の有効活用で成功している事例がたくさん!

酒粕の処理費用をなんとかしたいからスタートして、酒粕の有効活用で成功している事例もあります。

少しご紹介しましょう。

酒粕の活用事例としてすぐに思い浮かんで、既に取り組んでいる酒蔵さんも多いのが、なんと言っても、「粕取り焼酎(酒粕焼酎)」でしょう。

実は、酒蔵さんが独自で、酒粕を活用している事例を見ていくと、粕取り焼酎以外にも、酒粕を乾燥させて、粉末やペーストに加工するなどして、料理の原料や調味料にする有効活用方法で成功している酒蔵さんも見受けられます。

「板粕」「ばら粕」の販売、それぞれの蔵の酒粕のオリジナル加工品として「粕汁」「奈良漬け・野沢菜漬けなどの酒粕を使った粕漬物」「酒粕を練り込んだスイーツ」「酒粕のせんべいなどの菓子類」などなど。

また、酒粕を、食品関連だけでなく、「健康」「美容」「飼料」「肥料」などの分野にも活用している事例も。「酒粕の石けん」をネットで直販している酒蔵さんもあります。

酒蔵さん独自で商品化しているケースもあれば、他業種の事業者とコラボして、商品化する事例なども珍しくありません。

酒粕を捨てないで何かに有効活用できないかという「エシカル商品」の概念から開発されたエシカル・ジンなどに取り組んでいる酒蔵さんもあります。

それぞれ、さまざまなアイデアを駆使して、売上につなげているようです。

中には、酒粕の廃棄コストをゼロにする以上に、収益の柱として、酒造業以外に、酒粕事業として多角経営を行っている酒蔵さんもあります。

酒粕の有効活用には衛生対策が不可欠!

酒粕の有効活用には、衛生面も関係してくることを忘れてはいけません。

酒粕の生成過程で、ゴミなどの異物混入のリスクがあるからです。

たとえば、精米時点で、醸造設備から剥がれ落ちた木片等の混入などを防ぐためには、

より厳格なHACCPに準拠した衛生基準を取り入れることも選択肢の1つでしょう。

HACCPに準拠した衛生基準に関する詳細はこちらを参考にしてください!⇒

HACCPを導入するために活用できる補助金とは?制度や補助金の詳細をわかりやすく解説

酒蔵で酒粕を有効活用するには設備が必要!

酒蔵で、酒粕を有効活用するためには、設備の導入が必要になるケースも出てきます。酒粕は水分が多いので、保存するには不向きです。

保存期間を長くするためには、乾燥機や破砕機などの設備導入をすることも選択肢の1つ。

実際に、大型設備を導入して、酒粕事業に成功している酒蔵さんの酒粕は、乾燥して粉末化させた酒粕が1年以上保存できるそうです。

酒粕を有効活用するためには、自身で加工などを行うか、他の事業者とコラボするかどちらかでしょう。

自身で加工などをする場合には、再利用するための設備導入が必要になることが多いということは頭に入れておくべきでしょう。

酒粕の有効活用のための設備導入費用を補助金で賄おう!

酒粕の有効活用のために、設備導入が必要になった場合には、導入費用をどうするかということは頭を悩ませる部分だと思います。

その場合には、設備投資に使える補助金で賄うことを考えましょう。酒粕の有効活用のための設備導入に活用できる酒造業向けの補助金はいくつかあります。

「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など、ある程度補助金額が大きいものであれば、大型設備の導入も可能です。

自己資金を節約するためにも、補助金の積極活用を考えることは、賢い選択となります。

まとめ

酒造りを続けていくためには、酒粕の処理をどうするかということは、ついて回ります。

酒粕の有効活用事例を参考にして、あなたの蔵でも酒粕の処理費用を削減していきましょう。さらに、工夫すれば、売上アップも期待できます。

今回のコラムでご紹介した以外にも、酒粕の有効活用事例はまだまだたくさんあります。

酒粕の有効活用事例の中から、あなたの蔵に合うものを見つけてみませんか?

アンカーマンでは、酒粕を有効活用して、新たな蔵の収益にしたいと考えている蔵元さんに向けて、「酒粕、捨てるなんてもったいない!<酒粕の活用事例集>」をご用意させていただきました。無料でダウンロードしていただけます。

ぜひ、ダウンロードして、ご一読ください!

酒蔵の売上アップにつながる「酒粕の活用事例集」はこちら!

また、酒粕の有効活用に使える補助金にご興味ある方は、以下の専用フォームからアンカーマンまでお気軽にご連絡ください。