【酒蔵必見】『四季醸造』はありかなしか?四季醸造のメリット・デメリットを徹底検証

※2023年2月1日更新

「四季醸造って、最近やってるところ増えてきてるけど…ぶっちゃけどうなの?」

そんなお声を聞くことがあります。

お酒造りは「寒造り」「寒仕込み」が当たり前のように思われている中で、年間を通してお酒造りをする「四季醸造」が若い世代を中心に注目されています。

昨今、酒造業における人材確保が経営課題の1つになっている現状で、「四季醸造」は打開策になるのでしょうか?

今回は「四季醸造」について、酒蔵としてありかなしかを判断するため、メリット・デメリットなどを考察していきましょう。

「四季醸造」ってなに?

まずは「四季醸造」がどのようなものか、正確に理解する必要があります。

ここでは、「四季醸造」に関して、定義や経緯、現況などを解説します。

「四季醸造」とは

「四季醸造」とは、年間を通じてお酒造りをすること。

現在、お酒造りの主流となっている「寒造り」「寒仕込み」の対立概念として位置づけられています。

かつては、季節ごとのお酒造りのことと読んでいたこともありましたが、現在では、外気温に関係なく、温度管理ができる設備の整った四季醸造蔵で、1年を通じて酒を醸造すること、その技術や製法のことを「四季醸造」と呼びます。

「四季醸造」は昔からあったの?

昨今、注目されている「四季醸造」ですが、実は、元来、お酒造りは、「四季醸造」で行っていたのです。

夏過ぎに古米で製造される「新酒」、初秋には「間酒」、晩秋には「寒前酒」、冬場に「寒酒」、春先には「春酒」が製造されていました。

ところが、江戸幕府の政策で、お酒造りが冬期限定となったことに端を発して、冬場は良質なお酒が造れることから、酒の品質競争の中で、蔵元が酒質の追求のため、「寒造り」「寒仕込み」が主流となり、「四季醸造」は廃れていきました。

戦後、大手酒造メーカーが先陣に立って、醸造技術の開発や空調設備の整備をして、メリットの多い「四季醸造」を復活させたのです。

「四季醸造」って今はどうなの?

現在では、大手酒造メーカーのすべては「四季醸造蔵」になり、小規模蔵でも、小仕込みの蔵では、空調設備など一定の環境を整えることで、四季醸造を導入しています。

「四季醸造」のさまざまなメリットが注目され、若い世代の蔵元を中心に「四季醸造蔵」への転換を検討している蔵も多いのが現状です。

「四季醸造」のメリット・デメリットとは

「四季醸造」には、メリットだけでなく、デメリットもあります。

「四季醸造」の導入を検討する上では、メリット・デメリットを把握することが重要です。

ここでは、四季醸造のメリット・デメリットを解説します。

「四季醸造」のメリット

四季醸造のメリットには、以下のようなことが挙げられます。

・小仕込み
・蔵人の醸造技術の向上
・生産性の向上
・市場ニーズに合わせた新商品や新酒の提供
・人員の確保が容易

「四季醸造」のデメリット

四季醸造には、以下のようなデメリットもあります。

・年間を通じて徹底した温度管理が必須
・コスト増
・手間
・人員確保が必須
・季節の限定酒の減少

「四季醸造」はあり? or なし?

酒蔵として、現状の「寒造り」から「四季醸造」への製法の転換はありでしょうか、なしでしょうか?

誰しも、現状を変更するのは抵抗があるもの。できれば、現状を変えたくないと思うはずです。

それでも、デメリットに比べて、メリットが多く、苦労してでも転換したほうがいいという決断をするためには、現状の経営判断だけではなく、蔵の将来を見据えて考えるべきではないでしょうか。

「最近、蔵人が集まりづらくなってきたなぁ…」
「若い人もすぐ辞めちゃうし…」
「杜氏も高齢化してるから、杜氏協会に頼らず、社員杜氏を育成できたら…」
「冬に1年分の在庫をつくるのは、経営としては健全ではないよなぁ…」
「在庫は常にギリギリ足りるかどうかの量を確保しておくのがベスト!」
「四季醸造も一つの解決策かも?」
などなど、考えることは山盛りです。

ありかなしかで言えば、大手製造メーカーがすべて四季醸造蔵になっていることや、小規模の蔵でも四季醸造蔵への転換をしている蔵も徐々に増えてきていることなどからしても「あり」なのでしょう。

しかし…
1つ言えることは、蔵ごとに事情も違いますし、みんなやっているから右に習えということではないでしょう。

大切なのは、四季醸造のメリット・デメリットを正確に理解した上で、自身の蔵には何が適しているのか、製法の検討をするということは、蔵の将来を見据えた事業計画と照らし合わせて蔵の方向性を決めることにほかなりません。

検討すること自体が、客観的に自身の蔵の経営を見つめ直すことになりますので、有意義なことでしょう。

じっくりと腰を据えて検討することをおすすめします。

「四季醸造」を導入するには

四季醸造を導入するには、さまざまな課題も必要になってくるでしょう。

ヒト・モノ・カネといった経営資源を見直すところからはじめ、ノウハウの取得、生産計画・生産管理手法の構築、顧客・取引先・市場・流通ルート・商品の見直し、創意工夫の方法などを検討しましょう。

課題解決には、専門会社などに相談することも必要です。

まとめ

ここまで、「四季醸造」について、概要やメリット・デメリット、導入方法などをご紹介させていただきました。

アンカーマンでは、「四季醸造を導入するためのアプローチの手助けになる資料」をご用意させていただきました。

アンカーマンがご用意させていただいた資料は、「四季醸造のメリット・デメリット」です。

簡単なアンケートにお答えいただくことで、無料でダウンロードできちゃいます。
ぜひ、「四季醸造のメリット・デメリット」をダウンロードいただき、四季醸造の導入をご検討してみてください。

四季醸造の導入を検討するだけでも、自身の蔵の経営を客観的に見つめ直すいい機会となります。

「四季醸造のメリット・デメリット」をダウンロードするためのアンケートはこちらから!

そのほか、四季醸造に必要な設備導入・人材確保・補助金の活用についてのご相談はお気軽にアンカーマンへ!

以下の専用フォームに「四季醸造相談希望」と記載して、必要事項をご記入の上、「送信する」をクリックしてください。

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