【酒蔵も酒屋も】販路拡大どうしてますか?販路拡大の方法やポイントを解説
2023年9月14日更新
「販路拡大ってどうやるの?」
「営業、苦手なんだよね…」
「うちのあたりは、特約店制度が強いからなぁ…」
など販路に関しては、保守的な経営者も多いようです。
しかし、「既存の販路だけで十分」「もうお腹いっぱい」と思っている会社は、そんなに多くないはず。どんな経営者でも、「できれば販路拡大したい」と思っていることでしょう。
今回は、酒造業や酒販業の販路拡大について、「販路拡大にはどんな方法があるのか」「販路拡大のポイントは?」「他社はどうしているの?」などについて解説します。
販路拡大ってなに?
「販路拡大ってなに?」
「販路開拓とは違うの?」
など、販路拡大について、皆さん、きちっと理解しているでしょうか。
ここでは、販路拡大について押さえておくべき下記事項についてご紹介します。
【販路拡大について押さえておくべき知識】
- 販路・販路拡大の定義
- 知っておくべき3つのチャネル
- 販路拡大のメリット
それぞれについて見ていきましょう。
販路・販路拡大の定義
販路とは、「販売ルート」「販売チャネル」などとも呼ばれ、「商品を売りさばく方面」という意味です。
販路拡大とは、「販路開拓」とも呼ばれ、「商品を売る方面や対象を拡大すること」「新規の取引先や顧客を増やすこと」と考えられています。
知っておくべき3つのチャネル
販路拡大において、知っておくべき3つの経路(チャネル)は以下のとおりです。
【販路拡大に関する3つのチャネル】
- 「コミュニケーションチャネル」=お客さまに商品を認知してもらうための経路=販売促進や広告宣伝の施策
- 「流通チャネル」=お客さまに商品を届けるための経路=卸業者や物流業者の選択
- 「販売チャネル」=お客さまに商品を販売するための経路=実店舗やECサイトなど販売場所のこと
販路拡大施策を検討するとき、3つのチャネルを単体で考えることもあれば、複数のチャネルをうまく組み合わせて戦略を考えることもあります。
販路拡大のメリット
販路拡大には、「売上・利益率アップ」や「リスク分散」といったメリットがあります。
顧客、取引先、物流業者などを増やすことで、販売・物流の対象が増え、売上アップに繋がったり、販路によって売上アップやコスト削減を図ることができれば、利益率アップが可能です。
また、販路を拡大して、複数の販路を保持しておくことにより、1つの販路の収益がダウンしても、他の販路で補うことができ、リスクを分散することができます。
販路拡大ってどうやるの?
酒類事業を行う上で、とても重要な販路拡大ですが、実際にはどうやって販路拡大すればいいのでしょうか。
ここでは、効率的な販路拡大手順について解説します。
【効果的な販路拡大手順】
- 現状分析を行う
- 販路拡大戦略を立てる
- 販路拡大を実践する
それぞれについて解説します。
1.現状分析を行う
まず、自身の蔵や店の現在の販路について現状分析を行います。蔵や店の現在の販路について現状分析を行う上では、マーケティングの4PやSTP分析を用いるとよいでしょう。
※参考【マーケティングの4P】
以下の4Pの分析により自社商品を分析:「価値の提供」「施策・戦略の有効性」を判断
- Product(商品):品質・パッケージ・デザインなど
- Price(価格):価格設定・商品ごとの利益率など
- Place(流通):流通業者、流通・販売の方法、販売場所など
- Promotion(プロモーション):SNSの活用・広告媒体・内容・予算など
※参考【STP分析】
以下のSTPを分析:市場・顧客・ポジションを判断
- Segmentation(セグメンテーション):市場をグループ分け
- Targeting(ターゲティング):自社商品を販売するグループ(顧客層)を決定
- Positioning(ポジショニング): 自社のポジション(価格帯・商品イメージ)を決定
また、自社の強みや弱みなどを分析するSWOT分析なども合わせて実施しましょう。
※参考【SWOT分析】
SWOT分析=自社をとりまく外部環境(機会と脅威)と内部環境(自社の強みと弱み)を分析
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
2.販路拡大戦略を立てる
自社商品や自社の市場・顧客・ポジションなどを踏まえた「販路」についての現状分析の結果に基づいて、具体的な販路拡大戦略を立てます。
販路拡大戦略を立てる際には以下のようなポイントを意識しましょう。
【販路拡大戦略のポイント】
- BtoBとBtoCの違いを意識
- プッシュ戦略(積極的売り込み)とプル戦略(顧客の指名買い)の使い分け
- O2Oマーケティングなども活用
以下、順に解説します
2-1.BtoBとBtoCの違いを意識
BtoBビジネスとBtoCビジネスでは、販売対象が異なるので、販路拡大戦略も変わってきます。
たとえば、BtoCビジネスでは、ターゲティング(ターゲットとなる顧客層決定)をきっちりと明確にすることが大切なのに対して、BtoBビジネスでは、取引先との信頼関係の構築を前提とするため、リファラル・マーケティング(取引先などから見込み客を紹介)の活用などの工夫が必要になるなどの違いです。
2-2.プッシュ戦略とプル戦略の使い分け
販売拡大戦略を検討する際には、プッシュ戦略(積極的売り込み)とプル戦略(顧客の指名買い)を使い分けることも大切です。
プッシュ戦略とプル戦略のメリット・デメリットを理解した上で、自社の状況に適した戦略を立てましょう。
※参考【プッシュ戦略とプル戦略のメリット・デメリット】
メリット | デメリット | |
プッシュ戦略 | ・低認知度・競合なし商品に効果的 ・営業次第で短期間で販路拡大可能 | ・取引先からの要望を断れない ・会社・商品イメージ低下リスク |
プル戦略 | ・高購買意欲の見込み客への効率的アプローチ可能 ・信頼関係の構築が容易 | ・短期間で販路拡大不可 ・顧客のニーズや購買プロセスの熟知が必要 |
2-3.O2Oマーケティングなども活用
O2O(Online to Offline)マーケティング(Webサイトなどオンラインから実店舗やオフィスなどオフラインに顧客を誘導)などを活用することで、より広範囲のリード(見込み客)の獲得が期待できます。
オンラインとオフラインを組み合わせることによる、効果的な販路拡大戦略の構築が目的です。
3.販路拡大を実践する
販路拡大セミナーに基づき、販路拡大を実践していきましょう。
販路拡大の実施方法には、以下のようなさまざまな方法があります。
【販路拡大の実施方法】
オンラインによる方法 | オフラインによる方法 |
・Webサイト ・SNSの活用 ・EC販売 ・メルマガ ・インターネット広告 ・ウェビナー | ・DM ・イベント・展示会への出展 ・セミナー主催 ・取引先・既存顧客からの紹介 ・飛び込み営業 |
自社の状況に照らし合わせて、最適な方法を選択しましょう。
酒類業の販路拡大、他社はどうしてる?
「他の酒蔵さん(酒屋さん)は、販路拡大をどうやっているんだろう?」
これ、誰しもが気になるところです。
ここでは、下記の事例についてご紹介しましょう。
【他社の販路拡大事例】
- 酒蔵さんのケース
- 酒屋さんのケース
- 補助金も活用
順番に解説します。
酒蔵さんのケース
酒蔵さんの販路拡大のケースでは、たとえば酒蔵ツーリズムをはじめたり、日本酒イベントに出展したり、酒屋さんと地酒販売特約店契約をしたりとさまざまです。
日本酒は海外からも注目を集めているので、販路は国内だけでなく、海外にも拡大している状況を利用して、海外展開を進めている酒蔵さんも多くなってきました。
酒屋さんのケース
酒屋さんの販路拡大で多いのは、EC販売強化などです。
自社ECサイトを構築することで、県外だけでなく、海外のお客さまにまで販路拡大が期待できます。
ECサイト構築費用を補助金で賄う酒屋さんも多いようです。
補助金も活用
酒蔵さんでも酒屋さんでも、販路拡大に補助金を活用しているケースが多いようです。なぜなら、販路拡大をする中で、必要な設備投資資金を補助金で賄っているから。
ものづくり補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金など販路拡大に活用できる補助金があるので、販路拡大を実施する際には積極的に活用していきましょう。
まとめ
ここまで、酒造業や酒販業の販路拡大について、販路拡大の方法やポイント、他社の販路拡大事例などについてご紹介させていただきました。
酒類事業者が販路拡大を行う上で大切なのは、補助金の活用なども含めた販路拡大戦略をしっかりと立てること、マーケティングサポートなど必要であれば専門会社に依頼することなどです。
今回の記事では、誰もが知りたい同業他社の販路拡大の事例を簡単にご紹介させていただきましたが、もっとくわしい事例を知りたいという方に向けて、アンカーマンがお役立ち資料をご用意させていただきました。
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