販売管理システムとは?目的や導入すべき企業の特徴、メリット・デメリットを解説
酒造業・酒販業を経営している事業者の方から、「販売管理システムを導入してよかった!」というお声を聞く一方で、
「販売管理システムってなに?」
「販売管理システムいいって聞くけど、うちみたいな小さな店でも必要?」
「販売管理システム、今さら人には聞けないなぁ…」
など、知っているようで知らない「販売管理システム」に関するこんなお声も耳にします。
大丈夫!それ、アンカーマンがお力になります!
今回、アンカーマンが、今さら聞けない「販売管理システムのあれこれ」について、販売管理システムとはどういったものか、目的や導入すべき企業の特徴、メリット・デメリットなどについてくわしく解説していきます。
販売管理システム導入のご参考にしていただければ幸いです。
- 1. 販売管理システムとは
- 2. 販売管理システムの目的と役割
- 3. 【業種・業態別】販売管理システムの特徴
- 3.1. BtoB事業の販売管理システム
- 3.2. BtoC事業の販売管理システム
- 4. 販売管理システムのメリット
- 4.1. 業務を効率化できる
- 4.2. コストが削減できる
- 4.3. ヒューマンエラーを減らすことができる
- 4.4. 情報を共有することで属人化が防止できる
- 4.5. 経営情報が可視化できる
- 5. 販売管理システムのデメリット
- 5.1. 導入コストが発生する
- 5.2. 業務フローを改新する必要がある
- 5.3. 専門的な知識が必要になる
- 6. 販売管理システムの機能一覧
- 6.1. 【酒造業向け】販売管理システムの機能一覧
- 6.2. 【酒販業向け】販売管理システムの機能一覧
- 7. 販売管理システムを導入すべき企業の特徴
- 8. 販売管理システムの選び方
- 8.1. 自社に合ったシステムから選ぶ
- 8.2. 信頼できる会社やサービスから選ぶ
- 8.3. トラブル対応などのサポート体制から選ぶ
- 9. まとめ
販売管理システムとは
販売管理システムとは、受発注、出入荷、請求、入金など販売関連業務を一元管理できるシステムのこと。
そもそも「販売管理」とは、販売活動に関わる「モノ(商品)」や「カネ(売上、資金、コスト)」の流れを管理することです。
販売管理は、酒造業でも、酒販業でも、酒類事業のあらゆる場面で行なわれています。販売に関する商品や資金の流れを適切にコントロールする「販売管理」を行うためのシステムが「販売管理システム」です。
販売管理システムの目的と役割
販売管理システムには、どんな目的や役割があるのかを、正確に把握しておくことも、自社に適した販売管理システムを検討する上では、欠かせない前提要素です。
販売管理システムを導入する目的は、迅速な経営判断を可能にするため、販売に関する収支状況を可視化して、損益や商品ごとの売上をリアルタイムに把握することにあります。
販売管理システムの役割は、「モノ(商品)」や「カネ(売上、資金、コスト)」の流れに関する情報を正確に記録(データ化)して、経営判断に必要な情報をデータとしてすぐに検索・抽出できるようにし、迅速な経営判断に活用したり、業務効率化を図ったりすることです。
【業種・業態別】販売管理システムの特徴
販売管理システムにはさまざまな商品があります。業種・業態別に特化した販売管理システムも存在し、それぞれ異なった特徴があるので、自社にあった販売管理システムを選ぼうとすれば、自社の業種・業態に見合った販売管理システムの特徴を把握することが大切です。
ここでは、酒類業の下記の販売管理システムの特徴を見ていくことにしましょう。
【酒類業の販売管理システムの特徴】
- 「BtoB事業(対法人事業のビジネス=酒造業)向け」
- 「BtoC事業(対個人顧客向け販売活動をするビジネス=酒販業)向け」
BtoB事業の販売管理システム
酒類業でBtoB事業といえば、「酒造業」です。酒蔵の取引相手である酒類卸売会社との取引に特化した「酒造業向け」販売管理システムの特徴は、酒税管理から販売・在庫管理まで酒造業の専門性に対応できる機能を備えたシステムになっています。
酒税管理、受注管理、売上管理、売掛・買掛管理、仕入管理、在庫管理機能までを自動化して、業務の効率化を図ることができる酒造業の基幹業務フローに対応したシステムです。
「酒造業向け」基幹業務システムは、一般的に「製造(蔵内)管理システム」「販売管理システム」に分かれています。
「酒造業向け」基幹業務システムは、さまざまな種類の商品やサービスが提供されているので、自身の蔵の独自の酒造工程や販売管理のニーズによって最適なシステムを選ぶことが可能です。
BtoC事業の販売管理システム
BtoC事業の酒類業は、「酒販業」です。酒蔵が併設している直販所やEC販売もBtoC事業にカテゴライズされます。
「酒販業向け」販売管理システムの特徴は、仕入管理、在庫管理、売上管理、酒税管理、空容器管理、売掛・買掛管理、EC販売管理機能を有するほか、酒販業に特有な「リベートなどの会計処理対応機能」「効率的なピッキングや出先での伝票出力に対応できるハンディターミナルやタブレット端末、スマートフォンへの対応機能」「POSレジ・POSシステム」など各種機能を備え、酒販業の基幹業務フローに対応できるパッケージシステムとなっていることです。
BtoC事業では、一般消費者がターゲットとなることから、顧客ニーズの変動をリアルタイムで掴むことのできる総合管理システムであることが望まれます。
もちろん、酒類業の業態に合わせて、BtoB/BtoCマルチチャネル事業に対応した販売管理システムや、「酒造メーカー」「酒類卸売業」「酒類小売業」など酒類業をトータルにサポートするあらゆる機能を備えた基幹業務システムもあるので、どの商品が自身の事業に合うのかじっくりと検討しましょう。
販売管理システムのメリット
「販売管理システムを導入すると、どんないいことがあるの?」
「販売管理システムの導入で、私たちの仕事がどう変わる?」
販売管理システムの導入を検討する上では、販売管理システムのメリットについて把握しておく必要があるでしょう。
ここでは、販売管理システムのメリットについてご紹介します。
販売管理システムの導入メリットとして、押さえておくべきは、以下のような点です。
【販売管理システムのメリット】
- 業務を効率化できる
- コストが削減できる
- ヒューマンエラーを減らすことができる
- 情報を共有することで属人化が防止できる
- 経営情報が可視化できる
以下、順に解説します。
業務を効率化できる
販売管理システム導入の最大のメリットは、販売管理業務を効率的に進められることです。
酒造業、酒販業ともに、日々、酒類事業特有の細かな業務が大量に発生します。販売管理・在庫管理・仕入管理など複雑で大量の業務をこなすためには、マンパワーを割かなくてはなりません。
販売管理システムを導入することで、複数の作業を同時並行または共同で進めることができ、複数のデータを一元管理することも可能です。
複雑な伝票計算を迅速に行ったり、データを蓄積し活用したりすることで販売管理業務を効率化できます。
コストが削減できる
販売管理システム導入により、各種コストが削減できるメリットもあります。
たとえば、販売管理システムを活用すれば、適正な在庫管理が可能となり、無駄な在庫を抱える必要もありません。保管コストが削減できるだけでなく、過剰な原材料コストを削減することもできます。
販売管理システム導入により、業務効率化が実現し、余分なマンパワーも必要ありません。適材適所に人材を活用することができ、人件費の削減も期待できるでしょう。
ヒューマンエラーを減らすことができる
販売管理システムの活用により、販売データを正確に記録し管理すれば、ヒューマンエラーを減らすことも期待できます。
販売管理システムを活用しないケースでは、販売データや在庫データ、仕入データなどを各別に管理し、手入力による計算ミス・転記ミスなどが発生する頻度が多くなるでしょう。
仕入・製造・販売・在庫等のデータが連動していないと、在庫切れや発注ミスなども起こりやすくなりがちです。
この点、販売管理システムを導入して活用することにより、ヒューマンエラーの発生リスクを軽減することができます。
情報を共有することで属人化が防止できる
組織で事業を行う上で気をつけなければならないことは、一部の担当者しか知らないという「属人化=ブラックボックス」をいかに防止できるかということです。
一部の業務が属人化してしまうと、担当者不在のケースで急なトラブルにも対応できないといった不都合や、社内の不正なども発見しづらくなってしまうという問題が発生します。
この点、販売管理システムを導入し、販売管理に関する情報を常に共有することで属人化を防止できるだけでなく、情報共有により従業員間の業務の連携もスムーズになることが期待できるでしょう。
経営情報が可視化できる
販売管理システムは、販売データを一元管理してリアルタイムに把握することが可能です。販売管理システムで蓄積したデータは、いつでも抽出可能で、迅速に分析することによって、マーケティングや販売戦略に活用することが期待できます。
販売管理システムの導入により経営情報が可視化でき、迅速な経営判断に活用できるといったことがメリットの1つです。
販売管理システムのデメリット
「販売管理システムのメリットわかったけれど、デメリットはないの?」
「販売管理システムってお金かかるんでしょう?」
確かに、販売管理システムには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
ここでは、販売管理システムのデメリットもご紹介していきましょう。
販売管理システムの導入に関して考えられるデメリットは、以下のような点です。
【販売管理システムのデメリット】
- 導入コストが発生する
- 業務フローを改新する必要がある
- 専門的な知識が必要になる
以下、順に解説します。
導入コストが発生する
販売管理システムを導入する際に注意しなければならないのが、導入コストの問題です。
販売管理システムは、多種多様な製品が存在するので、導入コストもさまざま。
シンプルなSaaS型販売管理システムであれば、導入コストも抑えることが可能ですが、構成やカスタマイズの程度によっては高額な導入コストがかかってしまうケースもありますので注意が必要です。
業務フローを改新する必要がある
販売管理システムを導入する際、今までの業務フローを改新しなければならない場合があるので注意しましょう。
現在の業務フローを変えずに、販売管理システムを導入することができれば問題ないのですが、導入費用を抑えるためにクラウド型販売管理システムを導入するケースでは、個別のカスタマイズにも限界があり、ときには自社の業務フローを改新する必要が出てきてしまうこともあることを念頭に置いておきましょう。
専門的な知識が必要になる
販売管理システムの導入に際して、専門的な知識が必要になるということも導入の障壁になるケースがあります。
販売管理システムを比較して検討する場合にも、コストを抑えて自社に適した販売管理システムを導入するためには、システムに関する専門的な知識や販売管理業務フローに関する基本的な知識などが必要になってくるでしょう。
また、新しいシステムを導入し使いこなすまでに、専門的な知識が不足していると、逆にL工数や時間がかかってしまい、システム導入の意味合いが薄れてしまうこともあります。
販売管理システムの機能一覧
具体的に、販売管理システムにはどんな機能があり、販売システムを導入するとどんなことができるのかということが、もっとも気になるポイントではないでしょうか。
ここでは、下記について見ていきましょう。
【酒造業向け・酒飯業向け販売管理システムの機能について】
- 【酒造業向け】販売管理システムの機能一覧
- 【酒販業向け】販売管理システムの機能一覧
【酒造業向け】販売管理システムの機能一覧
一般的に、酒造業の基幹業務は、「製造管理」と「販売管理」に大別されます。基幹業務システムも「製造管理システム」と「販売管理システム」に分かれていることが多いので、各別に見ていくことにしましょう。
酒造業向け製造管理システムには、次のような機能があります。
【酒造業向け製造管理システムの機能一覧】
- 生産管理機能(生産目標・仕込計画・検定管理)
- トレーサビリティ機能
- 調達管理機能
- 未納税管理機能
- 移動管理機能
- 現在酒管理機能
- 詰口管理機能
- 品質管理機能
- 原価管理機能
- 酒税関連帳票作成機能
酒造業向け販売管理システムには、次のような機能があります。
【酒造業向け販売管理システムの機能一覧】
- 受注管理機能
- 売上管理機能
- 在庫管理機能
- 売掛・買掛管理機能
- 仕入管理機能
- 品質管理機能
- 資材管理機能
- 酒税関連帳票作成機能
- 統計資料(商品・得意先)作成機能
上記のような酒造業の基幹業務フローに対応した機能はもちろんのこと、クラウド対応機能、データ分析機能、各運送会社の提供する「送り状発行システム」や会計ソフトへの連携機能、ハンディーターミナル・POS連携機能、顧客や取引先へのDM作成機能などオプションで各種機能を装備させることも可能です。
【酒販業向け】販売管理システムの機能一覧
酒販業向け販売管理システムには、次のような機能があります。
【酒販業向け販売管理システムの機能一覧】
- 受注管理機能
- 売上管理機能
- 販売分析機能
- 仕入管理機能
- 空容器管理機能
- ハンディターミナルやタブレットへの出力機能
- リベート機能
- 在庫管理機能
- 見積管理機能
- 与信管理機能
- 輸出入対応機能
- 酒税関連帳票作成機能
上記のような酒販業の基幹業務フローに対応した機能はもちろんのこと、クラウド対応機能、データ分析機能、POSレジシステム、EC・ネットショップ管理ソフト、Web受注システムなどの他システムとの連携機能なども充実しています。
販売管理システムを導入すべき企業の特徴
販売管理システムを導入したほうがよいのはどんな会社でしょうか。もちろん、販売管理システムは、会社の規模や業種を問わず、どんな会社でも導入することが可能です。
そんな中でも、特に販売管理システムを導入したほうがいい会社の特徴というものが存在します。
一般的には、「業界特有の複雑な商習慣に対応する必要がある会社」「食の安全の観点から食品トレーサビリティ(食品ルートの把握・遡及・追跡)が求められる食品製造業」などは販売管理システムを導入すべき導入すべき企業の特徴として言及されることが多いようです。
そのほかにも、販売管理業務に関して、「属人化」「業務効率化」「情報の一元管理」「情報の共有化」「人材不足の常態化」などに課題がある会社は、販売管理システムを導入すべきであると言わざるを得ないでしょう。
販売管理システムの選び方
「うちには、どんな販売管理システムが合っているんだろう…」
「販売管理システムってどんなのがいいの?」
「販売管理システムいろいろあって、何がいいかわからないな…」
販売管理システムを選ぶとき、お悩みの方も多いと思います。
ここでは、下記の販売管理システムを選ぶ際のコツについてご紹介しましょう。
【販売管理システムを選ぶ際のコツ】
- 自社に合ったシステムから選ぶ
- 信頼できる会社やサービスから選ぶ
- トラブル対応などのサポート体制から選ぶ
自社に合ったシステムから選ぶ
販売管理システムを選ぶときに、気をつけなければならないことは、「自社に合ったシステムから選ぶ」ということです。
自社の業種・業態・会社の規模に合っていることはもちろんのこと、自社の要望する機能が販売管理だけなのか、さまざまなシステムをカスタマイズできる機能まで必要なのか、自社の抱える業務課題をしっかりと把握した上で、課題解決できるシステムを選ぶことが大切でしょう。
むろん、予算に合わせて費用対効果が最大化されるかどうかという点なども考慮する必要があります。
信頼できる会社やサービスから選ぶ
販売管理システムを選ぶ際に、開発会社やサービス提供会社に着目することも重要となってきます。
販売管理システムを導入する際には、見積もりを依頼したり、こちらの問い合わせや要望に対して、対応してもらったりする必要があるからです。
信頼できる会社やサービスでないと、販売管理システムの導入を検討する時点で、適切な比較検討ができない事態になってしまうことも考えられます。
こちらの導入目的・意図を伝えて、明確かつ最適な提案をしてくれるような信頼できる会社やサービスを選ぶことが懸命です。
トラブル対応などのサポート体制から選ぶ
販売管理システムの導入の際には、充実したサポートを受けられるかどうかが、とても重要な確認ポイントとなってきます。
なぜなら、販売管理システムを導入したのはいいものの、販売管理システムにくわしい社員がおらず、思うように使いこなせなかったり、不具合などのトラブルに対応できなかったりして、適切にシステムを運用できないケースでは、サポートが不可欠となるからです。
販売管理システムのサポート体制は、サービス運営会社によってさまざま。サポート体制は整っているのか、電話やチャットでのサポートはあるのか、休日の問い合わせにも対応してくれるのか、サポートは有料なのか無料なのかなどしっかりと確認しておきましょう。
販売管理システムを選ぶ際に、トラブル対応などのサポート体制がしっかりした会社の商品を選ぶことも、失敗しない販売管理システムの選び方の1つです。
まとめ
ここまで、今さら聞けない「販売管理システムのあれこれ」について、販売管理システムとはどういったものか、目的や導入すべき企業の特徴、メリット・デメリットなどをご紹介させていただきました。
販売管理システムを導入することで、業務効率化、生産性向上、コスト削減などさまざまなメリットを享受することが可能です。
この記事を読んで、販売管理システムのことは理解できたけれど、
「うちの店にはどんな販売管理システムがいいのかわからないな…」
「もう少し販売管理システムのこと、知りたい!」
こんなご不明点やご要望があれば、ご遠慮なくアンカーマンまでご連絡ください。
なお、販売管理システムをはじめとした設備導入には設備投資資金が必要です。販売管理システム導入など設備導入資金を補助金で賄うこともできます。
アンカーマンのお客さまの中にも、アンカーマンの補助金サポートのもと、補助金を活用して販売管理システムをはじめとした設備導入に成功した酒類事業者さんがたくさんいます。
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アンカーマンでは、あなたの蔵やお店の将来のことまで考えた上で、最適な販売管理システムやそのほか必要な設備、活用できる補助金等をご提案させていただくことも可能です。
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