フロンティア補助金とは?採択事例も交えて徹底解説

※2022年9月30日更新

フロンティア補助金をご存知ですか?

フロンティア補助金、正式名称 酒類業構造転換支援事業費補助金は、酒類事業者が直面する各種の課題を解決し、新市場開拓や構造転換などを支援する国の制度です。令和2年度第3次補正予算第1期~令和3年度補正予算第3期まで、6回の公募が実施されました。そして現在、令和4年9月29日(木)より、令和3年度補正予算第4期公募が開始されています。

今回の公募でも過去と同様、500万円を上限に補助対象経費の2分の1が補助されます。本記事では、フロンティア補助金の基本について、採択事例も交えて解説します。

以前、採択されたからとあきらめるのは早いです! 令和2年補正予算にて実施された採択者は、今回の公募にも申請が可能です!

1.フロンティア補助金の目的

フロンティア補助金を実施している国税庁によると、フロンティア補助金の目的は、

「本事業は、酒類事業者が直面する国内需要の減少、酒類事業従事者の高齢化といった構造的課題や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への解決に向けて、国内外の新市場を開拓するなどの意欲的な取組を支援することにより、酒類業のポストロナに向けた経営改革・構造転換を促すことを目的としています」

です。つまり、酒類事業者の新市場開拓、経営改革、構造転換を促すための補助金なのです。

【NEW】2.フロンティア補助金の概要

令和3年度補正予算第4期公募の受付期間は、令和4年9月29日(木)から令和5年1月13日(金)です。今回の公募では、第一次締切:令和4年11月7日(月)、最終締切:令和5年1月 13 日(金)の2回、締め切りが設定されています。

【NEW】【前回までとの主な変更点】

◆過去採択者の再申請可否:過去に公募された令和3年度補正フロンティア補助金令和4年度予算ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金Enjoy SAKE! プロジェクトに採択された事業者は、別事業であっても代表申請者としては重複して採択されなくなりました。(特定の事業者に補助金が集中することを避けるため)
ただし、令和2年度補正フロンティア補助金の採択者は、申請および採択が可能。

◆補助事業期間の短縮
 事業開始予定が令和4年12月上旬予定、事業期限は交付決定日から令和5年2月28日(火)までです。(同日までに支払いが完了していること)今回の補助時用実施期間は2~3か月。

◆「審査項目④ 事業実施体制の妥当性」に、「20歳未満への飲酒防止や適性飲酒への啓発活動に積極的に取り組んでいるか」という内容が追加。

◆「3:加点項目」に、「『日本産酒類の発展・振興を考えるビジネスコンテスト』にて、最優秀賞等を受賞しており、その最優秀賞等を受賞した事業を実施する場合は加点」という内容が追加。

【NEW】【令和3年度補正予算第4期公募内容】

(受付期間) 令和4年9月29日(木) ~ 令和5年1月13日(金)

(締切) 第一次締切:令和4年11月7日(月) 最終締切:令和5年1月13日(金)

(公募申請書提出先) 各国税局(沖縄県は沖縄国税事務所)

(補助率) 補助対象経費の2分の1

(補助金額)
 補助対象事業(1)~(3)500万円以内(下限200万円)
 補助対象事業(4)400万円以内(下限50万円)

(補助事業期間)
 交付決定日から令和5年2月28日まで(同日までに支払いが完了していること)

(補助対象者)
 酒税法の規定により酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者
 または酒類事業者を少なくとも1名以上を含むグループ

3.補助対象事業

(1)商品の差別化による新たなニーズ獲得事業
 マーケットインの考えを踏まえ、消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することを目的とした事業

(2)販売手法の多様化による新たなニーズ獲得事業
 販売の場面における新たな訴求力の創出を通じ、消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供することを目的とした事業

(3)ICT技術の活用による製造・流通の高度化・効率化事業
 これまで専門家の経験等に依拠していた作業にICT技術を活用することによって専門家の技能とICT技術との相乗効果を創出する等、製造・流通の高度化・効率化を図る事業

(4)新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への対応のための事業

4.補助対象経費

補助対象経費として事業費、謝金、旅費、広報費、委託費が認められています。

また、事業費の内容として

①機械装置・システム構築費
②施設整備費
③借損料
④設計・デザイン費
⑤原材料等費
⑥マーケティング調査費
⑦通信運搬費
⑧会議費
⑨産業財産権等取得等費
⑩雑役務費
⑪謝金

が挙げられています。

なお、謝金(200万円)、旅費(100万円)、広報費(200万円)、委託費(500万円)には、それぞれ上限額(金額)が定められています。

他の補助金との違いとしては…

② 施設整備費が挙げられます。
これは、事業遂行に必要な新たな施設や設備等の購入、建設、改良又は据付に支払われる経費ですが、
建屋の新築・改修・麹室の新築・移設など、建物費や工事費も対象です!

5.採択事例

  • 採択事例①「新品種米を用いた定番シリーズの新商品開発」

(交付申請額)500万円

(事業概要)
市場の需要変化を取り込むべく、2020年に別拠点に直売所を開店。清酒市場のプレミアム化とコロナ禍の影響による巣ごもり需要の拡大を機に、地酒ブランドシリーズの新商品開発を行う。

(新規性・革新性)
原料米には酒造好適米の品質に匹敵する新品種米を用いた新商品を開発。同品種は2022年までに酒造好適米として品種登録予定。さらに搾りたてのフレッシュさを残しつつ、常温流通が可能な商品の製造高度化によって他社との差別化を図り経営革新を実施する。

(主な経費)
機械装置・システム構築費:プレートヒーター急冷却装置(696万5千円)
SFC-8型王冠供給機(308万円)
設計・デザイン費:新商品ラベルデザイン費(77万円)
原材料等費:原料米(45万3千円)

  • 採択事例②「搾りたて×伝統製法「生酛造り」によるペアリング商品の開発」

(交付申請額)500万円

(事業概要)
清酒市場のプレミアム化とコロナ禍の影響によって生じた巣ごもり需要を機に、しぼりたて×伝統製法「生酛造り」による、肉料理やバターを使った洋食とよく合う、高い競争力を持った日本酒を開発する。女性や若年層といった新たな需要を取り込み、他の酒類事業者のモデルとなる。

(新規性・革新性)
フレッシュローテーションの実現により、発酵中に生じた炭酸ガスを含んだ新感覚の日本酒を供給。従来からの強みである低アルコール原酒造りといった高度醸造技術の融合と、食中酒として最適な原料米「春陽」「亀の尾」の使用によって差別化と売り上げ拡大を図る。

(主な経費)
機械装置・システム構築費:自動温度制御タンク密閉3000型(1180万円)

  • 採択事例③「地元産新品種米による伝統製法生酛の低アルコール日本酒の開発」

(交付申請額)230万4千円

(事業概要)
昨今の日本酒市場の需要変化、特に家飲み需要・巣ごもり需要の拡大を機に、それらの需要に応じる商品として地元産新品種米2種類を原材料に、長年培った高い醸造技術を活かし、日本酒業界では希少性の高い「地元流生酛造り×低アルコール」と「地元流生酛造り×ハーブ」日本酒2点の新商品を開発する。

(新規性・革新性)
設備投資により日本酒業界では希少性の高い「地元流生酛造り×低アルコール」と「地元流生酛造り×ハーブ」日本酒2点の新商品を開発する。また、原料となる酒米に地元産新品種米を用いる。また、製造設備の新規導入による品質向上と、製造量の小ロット化による3期醸造への転換とフレッシュローテーション体制を実現する。

(主な経費)
機械装置・システム構築費:電気式釜(138万8千円)
醸造用及び酒母用ステンレスタンク(322万円)

  • 採択事例④「肉料理や洋食とのペアリングに特化した熟成酒の開発」

(交付申請金額)500万円

(事業概要)
清酒市場ではプレミアム化が進んでいること、またコロナ禍で巣ごもり需要が拡大したことを機に、肉料理や洋食とのペアリングに特化した熟成酒の新商品開発。肉料理や洋食にマッチする新しい商品を生み出すことで、市場に合わせたプレミアム志向の商品を提供し、低アルコール酒を求める顧客ニーズも満たす。

(新規性・革新性)
設備投資により特許システムを搭載した低温熟成冷蔵庫を導入し、0℃~5℃の低温かつ温度ブレの少ない熟成環境を整備。当社の強みである酸味を活かした醸造技術を活用し、熟成による深いコクや旨味を創出する。これにより、女性や若年層といった新たな需要を開拓できる。

(主な経費)
低温熟成冷蔵庫(1,000万円)

  • 採択事例⑤「小ロット商品の需要に応じる商品改良と増産・販売体制の構築推進事業」

(交付申請金額)350万円

(事業概要)
近年のプレミアム商品の人気や家飲み需要の拡大を受け、既存商品のリサイズ及びリデザイン、QCR (品質管理の信頼度)向上、販路拡大に対する安定供給・増産化を果たす補助事業を実施する。これまでは一升瓶形状の商品が多かったが、新たにリンサーを導入することで約5倍の量の小型ボトル洗浄ができるようになり、安定的な量産が可能となる。

(新規性・革新性)
市場分析及び弊社実施のアンケート調査によると、清酒に対して試しやすい小サイズへのニーズが高まっている。小型ボトルで提供する商品の開発は、こうした需要を満たす。また、商品開発の幅を広げることで当社ブランドの認知度向上や、雇用拡大による地域社会への貢献につながる。

(主な経費)
リンサー700万円

【NEW】採択事例⑥「洋食とのペアリングのための『白麹×伝統製法で醸す生酒』の開発」

交付申請額)500万円

(事業概要)

清酒市場のプレミアム化とコロナ禍で生じた巣ごもり需要を背景に肉料理や洋食とのペアリングに特化したフレッシュ生酒の新商品開発を行う。

(新規性・革新性)

洗瓶工程の高度化により、品質劣化の原因である火落ち菌を除去、お酒をその場で絞る「直汲み」を実現。生酒の安定増産・供給体制を強化。爽やかな酸味を生む「白麹」と伝統の「生酛造り」により、酸味と旨みを併せ持つ生酒を開発。

デザイン豊かな瓶とラベルで、視認性を高め、洋食に合う酒質とのコラボで商品競争力を高め、女性・若年層など新たな需要を掘り起こし、販路拡大を図り、他の酒類事業者のモデルケースとなる。

(主な経費)

高性能ボトルリンサー(1,770万円)

【NEW】採択事例⑦「家飲み需要を狙った『フレッシュな生酒の供給体制の構築』」

交付申請額)400万円

(事業概要)

家飲み需要拡大により、720㎖以下小容器・多品種出荷の需要が増えたことに対応するため、搾りたてフレッシュな生酒を供給できる体制を構築する。

(新規性・革新性)

機械の導入により、瓶詰め(打栓)と箱詰めの両工程を自動化し、作業効率化で余剰が出る人員と時間を有効に使うことにより、箱詰め後の日本酒を速やかに冷蔵庫に保管するフレッシュローテーション体制を構築。生酒の品質を強化するとともに、高付加価値商品の多品種少量出荷を実現。

フレッシュな商品を武器に、既存EC事業の強化と併せて、オンライン・オフラインの販路展開を行うことにより、他の酒類事業者のモデル事業となる。

(主な経費)

キャッパー、全自動高速製函機(1,047万5千円)

6.まとめ

以上、フロンティア補助金について、実際の採択事例を交えてお伝えしました。
上記の採択事例も弊社が実際に「受かる事業計画書」の作成をサポートさせていただいています。

フロンティア補助金の申請においては、先述した4つの補助対象事業に沿う、実現可能性の高い事業計画づくりと、補助対象経費の妥当性と整合性が採択のカギになります。

「麹室をまるごと移設したい」
「冷蔵庫を入れたい」
「生酛造りをはじめたい」
「こんなことをしたい」
「こんなこと、できるのかな?」

という、漠然とした状態でも大丈夫です。

むしろ、今回は、補助事業実施期間がわずか2~3か月であることが、申請上のネックと言えるでしょう。コロナ禍における物流の混乱や、半導体不足を発端とする「納期遅延」や「納期未定」が発生し、醸造機械設備や建築材料などの納品時期が不透明な状態が続いています。発注先と密に連携を取り、見積もりや発注、支払いのスケジューリングを綿密に立てることがおすすめです。最悪の場合、採択は勝ち取ったものの、事業を完了することができずに泣く泣く辞退をせざるを得ないケースも発生します。スケジュールの遅れにはくれぐれも注意しましょう。

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