酒類業振興支援事業費補助金(旧:フロンティア補助金)とは?採択事例も交えて徹底解説
※2024年2月5日更新
国税庁所管の補助金制度が大幅に変更されました。
令和5年度までは、「海外展開・酒蔵ツーリズム補助金」と「フロンティア補助金(正式名称「令和5年度予算新市場開拓支援事業費補助金」)」の2本立てでしたが、令和6年1月以降は、各々の補助金の名称変更などの内容変更が公表されたので、どこよりも早くお伝えいたします。
フロンティア補助金など、国税庁所管の補助金の活用を検討しておられた酒類事業者様は、要チェックです。
本記事では、国税庁の補助金制度に関して、どのような変更があったのかくわしく解説します。
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- 1. 1.フロンティア補助金はどうなったの?
- 1.1. 国税庁補助金の新制度設計
- 1.2. 酒類事業者は国税庁補助金をどのように活用すればよいのか
- 2. 2.各補助金の概要
- 3. 3.新制度になって気をつけるべきポイント
- 3.1. 補助対象事業
- 3.2. (1)商品の差別化による新たなニーズ獲得事業
- 3.3. (2)販売手法の多様化による新たなニーズ獲得事業
- 3.4. (3)ICT技術の活用による製造・流通の高度化・効率化事業
- 3.5. 日本産酒類海外展開支援事業費補助金の補助対象事業
- 4. 補助対象経費
- 4.1. 審査における評価の劣後事由の追加
- 5. 4.採択事例
- 5.1. 採択事例①「新品種米を用いた定番シリーズの新商品開発」
- 5.2. 採択事例②「搾りたて×伝統製法「生酛造り」によるペアリング商品の開発」
- 5.3. 採択事例③「地元産新品種米による伝統製法生酛の低アルコール日本酒の開発」
- 5.4. 採択事例④「肉料理や洋食とのペアリングに特化した熟成酒の開発」
- 5.5. 採択事例⑤「小ロット商品の需要に応じる商品改良と増産・販売体制の構築推進事業」
- 5.6. 採択事例⑥「洋食とのペアリングのための『白麹×伝統製法で醸す生酒』の開発」
- 5.7. 採択事例⑦「家飲み需要を狙った『フレッシュな生酒の供給体制の構築』」
- 5.8. 採択事例⑧「多彩な試飲×記念ボトルにより顧客体験を提供する販売形態の確立」
- 5.9. 採択事例⑨「日本唯一の伝統技術・焼酎製法を用いたスピリッツ新商品の開発」
- 6. 5.まとめ
1.フロンティア補助金はどうなったの?
これまであったフロンティア補助金や海外展開・酒蔵ツーリズム補助金は今後も活用できるのでしょうか。
ここでは、フロンティア補助金はどうなったのか、国税庁補助金の新制度設計や酒類事業者はどのように補助金の活用を考えればよいのかを解説します。
国税庁補助金の新制度設計
現時点では、国税庁所管の補助金は、「日本産酒類海外展開支援事業費補助金(令和5年度補正予算)」と「酒類業振興支援事業費補助金(令和6年度予算(案))」の2本立てとなっています。
「日本産酒類海外展開支援事業費補助金(令和5年度補正予算)」が旧「海外展開・酒蔵ツーリズム補助金」として、「酒類業振興支援事業費補助金(令和6年度予算(案))」が旧「フロンティア補助金」としての制度設計に変更されました。
【補助金の名称・制度変更】
- 旧フロンティア補助金→酒類業振興支援事業費補助金(令和6年度予算(案))
- 旧海外展開・酒蔵ツーリズム補助金→日本産酒類海外展開支援事業費補助金(令和5年度補正予算)
酒類業振興支援事業費補助金は、「酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組及び国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大及び酒類業の経営改革・構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進することを目的とする」とされています。
フロンティア補助金の目的が、「国内外の新市場を開拓するなどの意欲的な取組を支援することにより、酒類業のポストロナに向けた経営改革・構造転換を促すこと」とされていたことからすると、酒類業振興支援事業費補助金の制度が旧フロンティア補助金の制度を引き継いでいることがわかります。
施策概要として、「新市場開拓支援枠」と「海外展開支援枠」があるものの、現時点で公開されているスケジュールによる「第1期」「第2期」の公募においては、「海外展開支援枠」は公募しないとされており、フロンティア補助金と同様の「新市場開拓支援枠」のみの公募とされていることも「旧フロンティア補助金」の制度設計であることが読み取れるでしょう。
■参照:国税庁「令和6年度予算(案) 酒類業振興支援事業費補助金の制度概要」
他方、日本産酒類海外展開支援事業費補助金は、「酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進することを目的とする」とされており、海外展開・酒蔵ツーリズム補助⾦の目的とほぼ変わっていません。
■参照:国税庁「令和5年度補正予算日本産酒類海外展開支援事業費補助金の制度概要」
酒類事業者は国税庁補助金をどのように活用すればよいのか
国税庁補助金の制度設計度が新たに変更されたことに伴い、これまでフロンティア補助金や海外展開・酒蔵ツーリズム補助金の活用を検討していた酒類事業者は、今後以下のように国税庁補助金の活用を検討することをおすすめします。
【酒類事業者の国税庁補助金の活用指針】
酒類事業者の取組 | 活用補助金 |
【新市場開拓に向けた取組】
| 酒類業振興支援事業費補助金 |
【海外展開に向けた取組】
| 日本産酒類海外展開支援事業費補助金 |
主に新市場開拓に取り組む酒類事業者は、酒類業振興支援事業費補助金(令和6年度予算(案))に、主に海外展開に取り組む酒類事業者は、日本産酒類海外展開支援事業費補助金(令和5年度補正予算)に公募することになります。
2.各補助金の概要
各補助金の概要は、以下のとおりとなっています。
【国税庁所管各補助金の概要】
補助金 | 酒類業振興支援事業費補助金 | 日本産酒類海外展開支援事業費補助金 | |
補助対象事業 | 【新市場開拓支援枠】
| 【海外展開支援枠】
|
|
補助率 | 1/2または2/3※ ※2/3は小規模酒類事業者 | 1/2 | 1/2 |
補助金額 | 50万円~500万円※ ※給与支給の増加計画を達成できない等の場合、補助金額の一部を返還 | 50万円~1,000万円※ ※複数(3者以上)の酒類事業者の場合の上限額は1,200万円~1,500万円 | 50万円~1,000万円※ ※複数(3者以上)の酒類事業者の場合の上限額は1,200万円~1,500万円 |
補助対象者 | 酒類事業者 | 酒類事業者または酒類事業者を1者以上含むグループ | 酒類事業者または酒類事業者を1者以上含むグループ |
補助対象経費 | (例)設備等費、展示会等出展費、通訳・翻訳費、マーケティング調査費、謝金、旅費等※ ※通常業務に要する費用は補助対象外 | (例)展示会等出展費、通訳・翻訳費、マーケティング調査費、謝金、旅費等※ ※通常業務に要する費用は補助対象外 | (例)展示会等出展費、通訳・翻訳費、マーケティング調査費、謝金、旅費等※ ※通常業務に要する費用は補助対象外 |
公募期間 | 【第1期】令和6年1月23日~2月29日 【第2期】令和6年3月1日~4月25日 | 現状、公募なし | 【第1期】令和6年1月23日~2月29日 【第2期】令和6年3月1日~4月25日 |
3.新制度になって気をつけるべきポイント
国税庁補助金が新制度になって、いつくか気をつけなければならないポイントがあります。
ここでは、補助金申請に際して、従来の制度からの変更点の中でも特に注意すべきポイントをご紹介しましょう。
補助対象事業
酒類業振興支援事業費補助金には、新市場開拓支援枠と海外展開支援枠がありますが、現状、旧フロンティア補助金の後継制度として新市場開拓支援枠のみの公募が行われており、第1期、第2期の公募要領が公表されています。
■参照:国税庁「令和6年度予算酒類業振興支援事業費補助金(第1期・第2期)【公募要領】」
酒類業振興支援事業費補助金・新市場開拓支援枠の補助対象事業は、以下の3つの事業です。
旧フロンティア補助金の補助対象事業から、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顕在化した課題への対応のための事業」を除いた事業が対象となっています。
【酒類業振興支援事業費補助金・新市場開拓支援枠の補助対象事業】
- 商品の差別化による新たなニーズ獲得事業
- 販売手法の多様化による新たなニーズ獲得事業
- ICT技術の活用による製造・流通の高度化・効率化事業
以下、順に解説します。
(1)商品の差別化による新たなニーズ獲得事業
マーケットインの考えを踏まえ、消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することを目的とした事業
【対象事例】
- 食品とのペアリングに特化した商品や、地方産品の特性を生かした商品
- 地元・活用した休耕田の収穫物を原材料とした商品
- 個人に対するオーダーメイド商品の開発体制の構築
- 新たな原材料等を使用し、これまでにない特性を持たせた高付加価値商品の開発
- 「伝統的酒造り」を差別化のポイントとした高付加価値商品の開発
(2)販売手法の多様化による新たなニーズ獲得事業
販売の場面における新たな訴求力の創出を通じ、消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供することを目的とした事業
【対象事例】
- 商品情報の充実による販売促進(QRコード等を活用した取扱商品のブランドストーリーの提供や消費者が求める情報を記載した裏ラベルの活用等)
- テイスティング等の顧客体験を重視した販売形態の確立
- データ分析等を用いた、顧客の嗜好に合致した商品の販売手法の導入
(3)ICT技術の活用による製造・流通の高度化・効率化事業
これまで専門家の経験等に依拠していた作業にICT技術を活用することによって専門家の技能とICT技術との相乗効果を創出する等、製造・流通の高度化・効率化を図る事業
【対象事例】
- 製造:AI技術等を活用した品質管理システムの導入
- 流通:RFIDやAIカメラ等を活用した管理システムの導入
日本産酒類海外展開支援事業費補助金の補助対象事業
日本産酒類海外展開支援事業費補助金の補助対象事業は、「海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取組」と「酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組」です。
取組例は以下のとおりです。
【日本産酒類海外展開支援事業費補助金の補助対象事業の対象となる取組例】
- 海外ニーズを踏まえ、強みを活かした海外展開をするための現地調査及びブランド戦略の構築
- 海外のし好に即した新商品開発、新規ブランドの立上げ、そのための調査研究
- 海外において新規に製品を取り扱う事業者の開拓や新たな販売手法の試行
- 海外の有名レストラン等の協力による認知度向上に向けた情報発信
- 地理的表示(GI)やテロワール等を海外向けのブランド化に活用する取組
- 農商工連携や異業種連携等により、新たな価値創造を目指す取組
- 酒蔵自体が観光化の取組を行うことによる、観光客の受け入れ整備や消費拡大につながる取組
- 観光客が、酒蔵等で高付加価値な体験(酒造りや宿泊等)ができる受け入れ環境整備に向けた取組
- 地域で酒蔵ツーリズムを実施することにより、地域連携の機運醸成や、酒類を含む地域の価値創造につながる取組
- ガイド育成や他の観光資源の組合せによる滞在時間の拡大や宿泊を通じ、消費拡大を促す商品開発
【海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取組例】
【酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組例】
■参照:国税庁「令和5年度補正予算日本産酒類海外展開支援事業費補助金【公募要領】」
補助対象経費
酒類業振興支援事業費補助金の補助対象経費に関しては、旧フロンティア補助金の補助対象経費の規定と大幅に変更されているので注意が必要です。
なお、日本産酒類海外展開支援事業費補助金の補助対象経費に関しても、ほぼ同様の規定となっています。
【旧フロンティア補助金との主な相違点】
- すべての補助対象経費が経費区分「事業費」として、事業遂行に必要な業務の一部の経費であることとなった(ただし、通常のの事業活動等に係る経費は認められない)
- 補助対象経費ごとの補助金額の上限や補助対象経費の上限が廃止された
- 補助対象経費の内訳に一部増減がある
【補助対象経費】
- 設備等費
- 謝金
- 旅費
- 借損料
- 通訳・翻訳費
- 会議費
- マーケティング調査費
- 産業財産権等取得等費
- 展示会等出展費
- 雑役務費
- 原材料等費
- 設計・デザイン費
- 広報費
- 委託費
- 外注費
- 出演料
- 運営費
他の補助金との違いとしては、「設備費等」として、「事業遂行に必要な新たな施設や設備等の購入、制作、構築、改良、据付、検査、実験等を行うために支払われる経費」に関して、土地の取得等は含まれないものの、施設の改装費等は対象となる点です。
この点、酒類事業者として、大いに活用できる補助金となっています。
その他、補助対象経費で注意すべき点は、事業の経費がすべて設備投資である場合において、設備の導入のみで完結する事業については、審査に際し評価が劣後してしまう規定が設けられたため、補助事業の一環として設備の導入以外の取組を行う場合、経費の発生有無にかかわらず、当該取組を確実に「補助事業計画書」に記載することをおすすめします。
審査における評価の劣後事由の追加
今回の国税庁補助金の新制度(「日本産酒類海外展開支援事業費補助金」「酒類業振興支援事業費補助金」共通)において注意すべきポイントの1つに、以下のような審査における評価の劣後事由がいくつか追加されたことです。
【審査における評価の劣後事由】
- 事業の経費がすべて設備投資であり、かつ、設備の導入のみで完結する事業については、審査に当たって評価が劣後する
- 交付決定後、事業者の都合により補助事業を廃止した場合、今後、国税庁が実施する補助事業の審査において、当該事業者の評価が劣後する可能性あり
4.採択事例
国税庁の新たな制度の補助金は、まだ公募されたばかりですので、採択事例はありませんが、ご参考として、これまでの旧フロンティア補助金の採択事例をご紹介します。
採択事例①「新品種米を用いた定番シリーズの新商品開発」
交付申請額 | 500万円 |
事業概要 | 市場の需要変化を取り込むべく、2020年に別拠点に直売所を開店。清酒市場のプレミアム化とコロナ禍の影響による巣ごもり需要の拡大を機に、地酒ブランドシリーズの新商品開発を行う。 |
新規性・革新性 | 原料米には酒造好適米の品質に匹敵する新品種米を用いた新商品を開発。同品種は2022年までに酒造好適米として品種登録予定。さらに搾りたてのフレッシュさを残しつつ、常温流通が可能な商品の製造高度化によって他社との差別化を図り経営革新を実施する。 |
主な経費 | 機械装置・システム構築費:プレートヒーター急冷却装置(696万5千円)SFC-8型王冠供給機(308万円)設計・デザイン費:新商品ラベルデザイン費(77万円)原材料等費:原料米(45万3千円) |
採択事例②「搾りたて×伝統製法「生酛造り」によるペアリング商品の開発」
交付申請額 | 500万円 |
事業概要 | 清酒市場のプレミアム化とコロナ禍の影響によって生じた巣ごもり需要を機に、しぼりたて×伝統製法「生酛造り」による、肉料理やバターを使った洋食とよく合う、高い競争力を持った日本酒を開発する。女性や若年層といった新たな需要を取り込み、他の酒類事業者のモデルとなる。 |
新規性・革新性 | フレッシュローテーションの実現により、発酵中に生じた炭酸ガスを含んだ新感覚の日本酒を供給。従来からの強みである低アルコール原酒造りといった高度醸造技術の融合と、食中酒として最適な原料米「春陽」「亀の尾」の使用によって差別化と売り上げ拡大を図る。 |
主な経費 | 機械装置・システム構築費:自動温度制御タンク密閉3000型(1180万円) |
採択事例③「地元産新品種米による伝統製法生酛の低アルコール日本酒の開発」
交付申請額 | 230万4千円 |
事業概要 | 昨今の日本酒市場の需要変化、特に家飲み需要・巣ごもり需要の拡大を機に、それらの需要に応じる商品として地元産新品種米2種類を原材料に、長年培った高い醸造技術を活かし、日本酒業界では希少性の高い「地元流生酛造り×低アルコール」と「地元流生酛造り×ハーブ」日本酒2点の新商品を開発する。 |
新規性・革新性 | 設備投資により日本酒業界では希少性の高い「地元流生酛造り×低アルコール」と「地元流生酛造り×ハーブ」日本酒2点の新商品を開発する。また、原料となる酒米に地元産新品種米を用いる。また、製造設備の新規導入による品質向上と、製造量の小ロット化による3期醸造への転換とフレッシュローテーション体制を実現する。 |
主な経費 | 機械装置・システム構築費:電気式釜(138万8千円)醸造用及び酒母用ステンレスタンク(322万円) |
採択事例④「肉料理や洋食とのペアリングに特化した熟成酒の開発」
交付申請額 | 500万円 |
事業概要 | 清酒市場ではプレミアム化が進んでいること、またコロナ禍で巣ごもり需要が拡大したことを機に、肉料理や洋食とのペアリングに特化した熟成酒の新商品開発。肉料理や洋食にマッチする新しい商品を生み出すことで、市場に合わせたプレミアム志向の商品を提供し、低アルコール酒を求める顧客ニーズも満たす。 |
新規性・革新性 | 設備投資により特許システムを搭載した低温熟成冷蔵庫を導入し、0℃〜5℃の低温かつ温度ブレの少ない熟成環境を整備。当社の強みである酸味を活かした醸造技術を活用し、熟成による深いコクや旨味を創出する。これにより、女性や若年層といった新たな需要を開拓できる。 |
主な経費 | 低温熟成冷蔵庫(1,000万円) |
採択事例⑤「小ロット商品の需要に応じる商品改良と増産・販売体制の構築推進事業」
交付申請額 | 350万円 |
事業概要 | 近年のプレミアム商品の人気や家飲み需要の拡大を受け、既存商品のリサイズ及びリデザイン、QCR (品質管理の信頼度)向上、販路拡大に対する安定供給・増産化を果たす補助事業を実施する。これまでは一升瓶形状の商品が多かったが、新たにリンサーを導入することで約5倍の量の小型ボトル洗浄ができるようになり、安定的な量産が可能となる。 |
新規性・革新性 | 市場分析及び弊社実施のアンケート調査によると、清酒に対して試しやすい小サイズへのニーズが高まっている。小型ボトルで提供する商品の開発は、こうした需要を満たす。また、商品開発の幅を広げることで当社ブランドの認知度向上や、雇用拡大による地域社会への貢献につながる。 |
主な経費 | リンサー700万円 |
採択事例⑥「洋食とのペアリングのための『白麹×伝統製法で醸す生酒』の開発」
交付申請額 | 500万円 |
事業概要 | 清酒市場のプレミアム化とコロナ禍で生じた巣ごもり需要を背景に肉料理や洋食とのペアリングに特化したフレッシュ生酒の新商品開発を行う。 |
新規性・革新性 | 洗瓶工程の高度化により、品質劣化の原因である火落ち菌を除去、お酒をその場で絞る「直汲み」を実現。生酒の安定増産・供給体制を強化。爽やかな酸味を生む「白麹」と伝統の「生酛造り」により、酸味と旨みを併せ持つ生酒を開発。デザイン豊かな瓶とラベルで、視認性を高め、洋食に合う酒質とのコラボで商品競争力を高め、女性・若年層など新たな需要を掘り起こし、販路拡大を図り、他の酒類事業者のモデルケースとなる。 |
主な経費 | 高性能ボトルリンサー(1,770万円) |
採択事例⑦「家飲み需要を狙った『フレッシュな生酒の供給体制の構築』」
交付申請額 | 400万円 |
事業概要 | 家飲み需要拡大により、720㎖以下小容器・多品種出荷の需要が増えたことに対応するため、搾りたてフレッシュな生酒を供給できる体制を構築する。 |
新規性・革新性 | 機械の導入により、瓶詰め(打栓)と箱詰めの両工程を自動化し、作業効率化で余剰が出る人員と時間を有効に使うことにより、箱詰め後の日本酒を速やかに冷蔵庫に保管するフレッシュローテーション体制を構築。生酒の品質を強化するとともに、高付加価値商品の多品種少量出荷を実現。フレッシュな商品を武器に、既存EC事業の強化と併せて、オンライン・オフラインの販路展開を行うことにより、他の酒類事業者のモデル事業となる。 |
主な経費 | キャッパー、全自動高速製函機(1,047万5千円) |
採択事例⑧「多彩な試飲×記念ボトルにより顧客体験を提供する販売形態の確立」
交付申請額 | 341万600円 |
事業概要 | セルフ式の多彩な試飲体験と、記念写真やイラストをプリントしたオリジナルボトルの提供サービスを導入し、顧客体験を重視した新たな販売形態を確立する。さらに、WEBサイトに新たにランディングページを構築し、新サービスをPRして、オンラインでの観光誘致とオリジナルボトルの販売促進を図る。 |
新規性・革新性 | ①「非接触(ウィズコロナ/ポストコロナに対応)」×「高品質な生酒」の試飲提供による高付加価値な顧客体験(酒蔵見学サービス)を通じた販売②ラベルまで顧客の要望を反映するサービス提供(家族写真や似顔絵などをプリントした唯一無二なオリジナルボトルとして販売)③業務のDX化により生産性向上・人的ミス・機会損失を改善④SNSとランディングページを連携させるなどデジタル技術を駆使したサービスPR |
主な経費 | ボトルプリンター、コイン式ワイン・SAKEサーバー、WEBサイトのランディングページ構築(6,821,200円) |
採択事例⑨「日本唯一の伝統技術・焼酎製法を用いたスピリッツ新商品の開発」
交付申請額 | 308万6,666円 |
事業概要 | 焼酎製法に基づく高アルコール度数のスピリッツ新商品開発(シリーズ化)・販売 |
新規性・革新性 | 「伝統的酒造り」を差別化のポイントとした高付加価値商品の開発~日本で唯一の常圧2回蒸留製法とスピリッツ商品の開発・販売の新規事業を行う |
主な経費 | 冷水式ブラインクーラー設備、温水高圧洗浄機、貯蔵庫出入り口のコンクリート補修(4,630,000円) |
5.まとめ
ここまで、国税庁所管の補助金制度の変更に関して、新制度の概要と変更点のポイントを中心にご紹介させていただきました。
採択事例も弊社が実際に「受かる事業計画書」の作成をサポートさせていただいた事例です。
国税庁の新たな補助金制度に関しては、「第1期」「第2期」の公募に関して、2つの補助金(「日本産酒類海外展開支援事業費補助金(令和5年度補正予算)」と「酒類業振興支援事業費補助金(令和6年度予算(案))」)が同時に公募中となっています。
それぞれの公募要領を確認して、どちらの補助金に公募するのか選択した上で申請しましょう。
国税庁補助金の制度変更に関しては、より酒類事業者にとって使い勝手のいい制度内容となっているとともに、審査における評価の劣後事由の追加等、より補助対象事業に沿う、実現可能性の高い事業計画づくりと、補助対象経費の妥当性と整合性が採択のカギとなっています。
特に、補助対象経費に関する経費すべてが設備投資の場合、設備の導入のみで完結する事業が劣後評価を受けないように、「事業計画書」の書き方が重要となってくるでしょう。
酒類事業者さんのサポートに特化して、採択実績も多いアンカーマンなら、蔵やお店の将来の事業計画まで一緒に考えて、国税庁補助金の採択を勝ち取ることが可能です。
国税庁補助金の採択を本気でお望みならアンカーマンまでご連絡ください。
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