売上アップのため、あえて置かない~攻めの商品ラインナップとは
「品揃えをよくして、お客さんの多様なニーズに対応したい!」
酒蔵も酒販店もこう考える、経営者の方は多いはず…
しかし、本当にそれで売上アップが図れるでしょうか?
売上アップのためには、さまざまな考え方、アプローチがあると思います。
自身の蔵や店には、どのようなアプローチが合っているのか、どうすれば売上アップが図れるのか、マジメな酒類事業者さんであればあるほど、日々考えていらっしゃることでしょう。
今回は、売上アップのためのアプローチとして、商品ラインナップをどのようにすべきなのかを例にとり、自身の蔵や店に適した売上アップの方法を考えていきましょう。
考えるきっかけ~ジャムの法則(選択回避の法則)とは
「品揃えをよくすれば、売上がアップするのか?」ということを考える際に、きっかけになる実験があります。
「ジャムの実験」といい、スーパーで種類の多いジャムと種類の少ないジャムの試食を行い、どちらが売れるのかを調査した実験です。
結果は、以下のとおり。
【ジャムの実験結果】
ジャムの種類 | 試食後に購入した人の割合 | ||
24種類 | 3% | ||
6種類 | 30% |
この実験から、人は「選択肢が多すぎると選べなくなってしまう」「選べないから買うのをやめよう」という心理が働くということがわかります。
「選択肢が多い」→「選べない」→「買わない」、これが「ジャムの法則」「選択回避(決定回避)の法則」です。
皆さんにも、心当たりがありませんか?
「あれもこれも欲しい!たくさんありすぎて選べないよ~!」ということ。
このことから、一概に、「品揃えが多ければ、売上がアップする」ということにはならないということがわかります。
商品ラインナップどうすればいい?
「選択肢が多すぎると選べない」ということは、酒造業や酒販業に関して、商品ラインナップをどうすることが正解なのか?
「選択肢を絞って選びやすくする」「あえて置かない」という攻めの商品ラインナップも選択肢の1つでは?
ここでは、酒蔵さんや酒販店さんで考えるべき、下記事項について考えていきましょう。
- 店舗での商品陳列
- ECサイトでのおすすめ商品の掲載
Appleの商品ラインナップ
酒蔵さんや酒販店さんの商品ラインナップについて考える際に、他業界の参考事例を1つご紹介しましょう。
Appleの商品ラインナップがまさに「ジャムの法則」を採用しているのです。
スマホなら「iPhone」、パッドなら「iPad」、PCなら「Mac」といった具合に、商品ラインナップを絞ることにより、消費者に迷わず購入につなげるといった戦略をとっています。
店舗での商品陳列
「うちは、品揃えがウリなんだよ!」という酒販店さん。
でも、「ジャムの法則」からすれば、ずらーっと並べておくと、逆に売上が落ちてしまうことも…。
特に、「自分は、あまりお酒に詳しくないからなぁ…」と思っている人ほど、選択回避(決定回避)の法則が強く働いて、購入をやめてしまうケースが多いそうな…。
ここは、あえて置かないという選択肢も!
多すぎる情報や選択肢は、選ぶことに「負担」を感じてしまうもの…結果、「選ぶのをやめる」→「買わない」という悪循環を避けるには、選択肢を絞って「選びやすい状況」をつくりましょう。
さらに、選択の負担がかからない「適度な数」の選択肢は、情報に集中でき、お客様さまがお店や蔵からの提案にしっかりと耳を傾けてもらえるということも期待できます。
「おすすめコーナー」には、6本だけ厳選して陳列する「攻めの商品ラインナップ」もアリかもですね。
ECサイトでのおすすめ商品の掲載
あなたの蔵や店のECサイト。商品ラインナップをただ並べてはいませんか?
ECサイトでも、「攻めの商品ラインナップ」を!
厳選したおすすめのお酒を前面に押し出した「メリハリのある商品の見せ方」が効果的です。
選択肢を絞って選択回避させないためには、適切な選択肢の数が必要です。一般的に、人が負担を感じない選択肢の上限は「4±1(マジカルナンバー)」などとも言われています。
また、「松竹梅の法則(3つの選択肢の場合、真ん中を選ぶことが多い)」など、3択なら選びやすいということも。3段階に適度な差をつけることで、選びやすさもアップするでしょう。
カテゴリーに分けて、お客さま自身が、自身の基準で選べるように、検索機能を充実させるといった工夫も必要かもしれませんね。
ランキング形式で、おすすめ商品を紹介するのもアリでしょう。
売上アップへのアプローチは1つの法則に縛られないことも重要
「選択回避の法則」により、選択肢を絞るという戦略もありますが、売上アップを図るためには、必ずしも1つの法則に縛られないことも重要になってきます。
ここでは、自身の蔵や店のリソースや状況に応じたマーケティング戦略を立てる上で、必要となる下記の考え方に関して深掘りしていきましょう。
- 展示会やイベントに参加するメリット
- Webマーケティングは数を増やす
- マーケティング戦略は自社の目的に合わせて考える
展示会やイベントに参加するメリット
選択肢を絞るという戦略も必要となるケースもありますが、逆に「数を増やすほうが集客しやすい」というケースもあります。
展示会やイベントに参加するメリットは、1人でも多くの参加者に、蔵や店、ブランドや商品と触れあう機会を作って、認知してもらい、知名度をアップさせられること。ブランディングが目的です。
だとすれば、出展者数の多い展示会やイベントを選んで出展するほうが得策だと言えるでしょう。
Webマーケティングは数を増やす
「選択回避の法則」は、選択肢を増やしすぎると購買率が下がる(買われにくくなる)ということでしたが、販売数を機会数(アプローチ数)×購買率と考えると、機会数に関しては増やしたほうが効果的だということになります。
機会数を増やすためには、たとえばEC販売やネットを活用したブランディングなどWebマーケティングにおいては、SEO、リスティング広告など集客数を増やすことが重要です。
マーケティング戦略は自社の目的に合わせて考える
マーケティング戦略は、蔵や店によって変わってきます。
たとえば、「ジャムの法則」にしても、売上アップや利益率アップという目的で考えるならば、「選択肢が多い」「選択肢が少ない」どちらのケースが、売上や利益が大きかったのかを考える必要があるからです。
大切なことは、自社の目的に合わせてマーケティング戦略を考えるということです。
まとめ
ここまで、売上アップのためのアプローチとして、商品ラインナップをどのようにすべきなのかを中心に、自身の蔵や店に適した売上アップの方法をご紹介させていただきました。
どのようにして売上を上げるかに関しては、蔵や店によってもマーケティング戦略が違います。
「ジャムの法則」「選択回避(決定回避)の法則」など一定の法則があったとしても、既定の考え方に左右されず、自身の蔵や店に適した商品ラインナップなどのマーケティング戦略を立案して実行していけばいいでしょう。
重要なのは、マーケティング戦略を考える上で根底となる顧客心理や消費者ニーズなどを理解して、それでも「うちの強みはなんなのか」「どうやって勝負していくのか」を意識することです。
もし、第三者の客観的なアドバイスが必要であれば、酒造業や酒販業に特化したアンカーマンのような専門会社を活用することも選択肢の1つ。
アンカーマンでは、あなたの蔵や店に適した商品ラインナップなどのマーケティングサポートをご用意しています。
「もっと売上伸ばせたらなぁ…」
「リピート客を増やして売上を安定させたい」
などなどマーケティングに関するお悩みがあれば、お気軽にアンカーマンまでご連絡ください。
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