酒屋の販売で付加価値を高める方法とは?販売戦略で重要な理由や高めるポイントを解説

酒販事業の売上アップを図る販売戦略として、顧客にお酒を売る以上の付加価値を与えることが重要であると言われています。

近頃では、酒屋さんが酒蔵さんなどにPB商品を醸造委託(OEM)して、プレミアムなお酒を造り売上アップを図るマーケティング戦略もある中で、酒販事業の付帯サービスで付加価値を高める販売戦略がなぜ注目されているのかご興味ある方も多いのではないでしょうか。

今回は、酒屋の販売で付加価値を高める方法について、具体的な方法のご紹介だけでなく、販売戦略で重要な理由や付加価値を高めるポイントなども解説します。

酒屋の販売戦略で付加価値を高めることが重要な理由

酒屋の販売戦略を決定する中で、高付加価値戦略をとることが重要とされています。では、なぜ、高付加価値戦略が重要となるのでしょうか。

ここでは、酒屋の販売戦略で付加価値を高めることが重要な理由について解説します。

大手に対抗し続けることは難しいから

近年、スーパーやコンビニエンスストアなど、酒類以外の商品を中心に取り扱う販売力の強い大手事業者が数多く酒類販売に参入している状況が見受けられます。

このように、競争が激化している酒類小売業界で、地元の酒屋など酒類を中心として取り扱う小規模な販売業者が、単なる価格競争で、大手に対抗し続けることは難しいといったことが、酒屋の販売戦略で付加価値を高めることがいかに重要かの理由の1つです。

リピーター獲得によるLTVを上げることの必要性

リピーターを獲得して、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)を上げることも、酒屋の販売戦略で高付加価値戦略をとることが重要であることの理由の1つです。

「LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)」とは、ある顧客が自社の商品やサービスの最初の利用から、長期的な関係を構築して得られる利益(リピート購入による利益も含む)のことであり、顧客が自社にもたらすであろう利益を数値化したものになります。

蔵や店のブランドや商品、付帯サービスへの顧客ロイヤリティ(CL:Customer Loyalty、ブランドや商品への顧客の信頼・愛着・忠誠、顧客満足度)が高いほど、LTVも高まる傾向にあるので、商品やサービスを高付加価値化して、顧客満足度をアップし、顧客ロイヤリティを上げることにより、LTVを高めることが重要となってきます。

酒屋が利益を上げる方法についてくわしく知りたい方は「酒屋が儲かる方法とは?店舗販売や店舗以外で利益を上げる方法、ポイントを解説」をご覧ください。

酒屋で付加価値を高める方法

酒屋の販売戦略の中で、付加価値を高めることが重要だということですが、酒屋で付加価値を高める方法にはどのようなものがあるのか気になるところではないでしょうか。

ここでは、酒屋で付加価値を高める方法についてご紹介します。

角打ちスペースを作る

酒屋で付加価値を高める方法の1つとして、角打ちスペースを作ることが考えられます。

酒屋の販売スペース以外に、「呑める」スペースとして、「角打ち」「立ち飲み」を設置し、お客さまの「今飲みたい」というニーズや自分の好みのお酒を探すための試飲のニーズに応えることで、顧客ロイヤリティをアップさせ、付加価値を高める戦略です。

「量り売り」や「ボトルキープ」などを活用し、リピーター客の増加も見込めるでしょう。

「角打ち」についてさらにくわしく知りたい方は「補助金で「酒屋飲み」はじめませんか?」をご覧ください。

バーベキューイベントのケータリングサービス

酒屋さんが顧客が開催するイベントにお酒のケータリングサービスを提供するなどの付帯サービスも、顧客ロイヤリティを高め、高付加価値化するといった方法の1つとして考えられます。

たとえば、顧客が開催するバーベキューイベントなどにケータリングサービスとして、お酒を配達すれば、顧客としては、イベントの目的に合致したお酒も選定してもらえるのに加えて、重量があり運搬するのに大変なお酒の運搬もしてもらえるので、付加価値が高まるでしょう。

サブスク×配達

酒屋で付加価値を高める方法の1つとして、お酒の「サブスク×配達」はいかがでしょうか。

世の中の「サブスクブーム」に便乗して、お酒の定期配達を行う「頒布会」を提供することで、酒屋さんサイドも、安定した売上、顧客の囲い込み、在庫ロスの減少、販路拡大なども期待できます。

他方、顧客としても、定期的な楽しみができ、新商品に出会える機会が増え、酒屋さんというお酒のプロからのおすすめの商品が試せるなどのメリットがあり、付加価値が高まるでしょう。

「頒布会」についてさらにくわしく知りたい方は「頒布会で売上アップ!メリットやサブスク・定期購入との違い」をご覧ください。

空間演出にこだわる

空間演出にこだわることも、酒屋で付加価値を高める方法の1つでしょう。

福岡県糸島市にある『川久保酒店さん』や福島県会津若松にある『植木屋商品さん』など、空間演出にこだわりを持った店舗づくりをしている酒屋さんも増えてきています。

顧客にとって居心地のいい日常とは違った空間を演出することも、酒屋に足を運び、顧客ロイヤリティを高める付加価値の1つではないでしょうか。

差別化

さまざまな点で、他の酒屋さんと差別化を図ることは、酒屋で付加価値を高める方法の1つです。

たとえば、お酒に関する専門知識、経験、地域でのネットワーク等を活かし、ターゲット顧客のセグメントを明確にした個性ある品ぞろえも差別化となるでしょう。

「おしゃれなお酒を買うなら…」「お酒をプレゼントするなら…」「自分の好みをわかってくれるのは…」など「あの酒屋さんでなければ…」と顧客に思い出してもらえるような酒屋さんになることが差別化になり、高付加価値となります。

顧客体験の向上

酒屋で付加価値を高めるには、顧客体験の向上を図るといった方法も選択肢の1つです。

「顧客体験の向上」とは、商品やサービス自体の価値だけではなく、顧客と接するすべての場面で優れた価値を提供して、顧客ロイヤリティを向上させることになります。

顧客体験の向上は、商品やサービスに対する顧客とのつながりを強化して、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図るには有効な手段です。

酒屋さんで顧客体験の向上を図る上で重要なことは、「買って買って」と購入をプッシュすることではなく、顧客に「感動体験を届け心を動かすためにはどうしたらいいか」「長いお付き合いをしていくためにはどんなサービスを提供すればいいのか」などに着目して付加価値の高いサービスを提供することです。

たとえば、顧客に自身のお酒の好みを知ってもらうための居心地のいい空間の提供やさまざまな酒器での試飲体験や、フードペアリングの提案などが顧客体験の向上につながるかもしれません。

キュレーション

酒屋で付加価値を高める方法として、酒屋さんが「キュレーター(Curator)」となり、顧客にキュレーションしていく方法があります。

「キュレーター」とは、美術館や博物館などの学芸員、専門職、管理責任者、専門的な知識に基づき相手のニーズに合致した価値を提供する情報提供者のことで、「キュレーション」とは、専門的な知識に基づき相手のニーズを満足させる商品やサービスに関して、大量の情報を収集・選別・編集し、情報に新しい価値を付加した状態で提供・共有することです。

たとえば、酒屋さんがキュレーターとして、フードマッチングや味わいの説明、個々の商品のストーリーを踏まえた付加価値を付けた商品提案などキュレーションすることで、顧客ロイヤリティがぐっと上がることが期待できます。

関西地方にある酒屋さんでは、「他が扱っていないものを売る」というコンセプトのもと、多種多様なお酒を揃えて商品の差別化を行い、「利き酒会」で小さな地方の蔵のお酒や季節のお酒などを試飲する取り組みを長年行っているとのこと。

お客さまが知らないお酒についてくわしく説明し、「説明」そのものが付加価値となり、納得して商品を購入してもらうことにつながっています。

酒屋で付加価値を高める際のポイント

酒屋で付加価値を高めるためには、いくつかのポイントを押さえておかなければなりません。

ここでは、酒屋で付加価値を高める際のポイントについて解説します。

薄利多売はNG

酒屋で付加価値を高めるためには、売上金額だけでなく利益金額を確保することが重要になってきます。

流通量の多いスーパーなどの大手酒販事業者と同じように、値引き、チラシ頒布などによって売上金額だけを意識した「薄利多売による販売戦略」を続けていては、差別化はままならず、利益を失ってしまうでしょう。

専門店の強みを活かし、付帯サービスで顧客ロイヤリティを高め、LTVを上げて、利益を確保することこそがポイントです。

プレミアム日本酒を主軸にしない

酒販事業として、商品力の強化を図ることは確かに重要です。しかし、商品力の強化ばかりに目がいって、数万円のプレミアム日本酒を主軸にするケースも見受けられます。

もちろんプレミアム日本酒を販売すれば、売上や利益を確保できるでしょう。しかし、数万円のプレミアム日本酒を購入する顧客層の囲い込みばかりに注力してしまうと、付帯サービスにより付加価値を高めるという戦略を選択しづらくなってしまうでしょう。

酒屋で付加価値を高めるためには、「地域の特産品に焦点を当てる」「おつまみや料理などフードペアリングの提案」「試飲会やイベントなどの開催」など別の顧客ロイヤリティを高めるための戦略が重要となってきます。

経営イメージを明確に

酒屋で付加価値を高める際のポイントの1つとして、最終的な酒屋経営のイメージを明確にすることが考えられます。

自身が経営する酒屋は、どのように顧客体験の向上を図り付加価値を高めていくのか、最終的にどのような酒屋になりたいのか、自身の酒屋経営の最終的なゴールを明確にイメージすることでプロセスも明確になることでしょう。

収益性が重要

酒屋で付加価値を高めるためには、収益性が重要であることは言うまでもありません。

ただし収益性を考える上で、付加価値を高めるということが、必ずしも高額な商品や利益率の高い商品を販売し、利益の確保を図るという意味ではないことに注意しましょう。

競合他社と差別化を図り、他の酒屋では提供できないようなキュレーションを行うことで、顧客体験の向上を図るなど、これまでの戦略とは違う路線で戦略を練ることが地元の酒屋としては重要です。

もちろん、酒屋で付加価値を高める戦略を選択する際には、収益性のことを念頭に置いた上で戦略を練ることを考えましょう。

顧客が喜ぶポイントを考える

酒屋で付加価値を高める戦略を練る際に、顧客が喜ぶポイントを考えることが重要です。

顧客が喜ぶポイントを考える上で、ターゲットとする顧客は誰なのかをセグメントして、コミュニティとして地域の人が「集まる」場を形成したり、「サービス」としての付加価値を提供し、結果として「酒が売れる」などの顧客体験の向上を図ることが重要となってきます。

酒屋で付加価値を高める販売戦略のまとめ

ここまで、酒屋で付加価値を高める販売戦略についてのアレコレをご紹介させていただきました。

酒屋さんが、本業である酒販事業で儲けることはもちろんのこと、お酒を売ること以外に付帯サービスで顧客体験の向上を図り、お客さまと長い付き合いをすることこそが、リピーターの確保、安定した経営の継続につながるでしょう。

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