目立ってなんぼ!酒売り場で埋もれないパッケージが売上をアップする!!

※2023年2月6日更新

あなたの蔵のお酒、まだ定番の「茶色い瓶×白ラベル×筆文字」ですか?
売上アップするために、お酒のパッケージを見直してみませんか?
最近、スーパーなど小売酒販店に販路を持っている蔵元さんも増えてきました。

小売酒販店のお酒売り場には、数多くのお酒が並んでいます。
その中からお客様に手に取ってもらうには、お酒のパッケージがとても重要なんです。
「お酒のパッケージ?うちは、味で勝負だよ!」と言っている蔵元さん!
ぜひ、今回のコラムをご一読ください!

今回は、「最近、なんだか売上が上がらないなぁ」と思っている蔵元さんに向けて、「酒売り場で埋もれないパッケージ」が、売上アップのためにいかに重要なのかということを解説します。

売上アップにはどうしてパッケージが大切なの?

売上アップを図るために、なぜお酒のパッケージが大切なのでしょうか。
お酒のパッケージとは、どのような役割を果たし、パッケージを見直すことで、どのように売上がアップするのかを解説します

お客様はどうやってお酒を選んでいるのか

お客様(消費者)は、店頭やネットでお酒を購入するとき、どのように商品を決めるのでしょうか?
お酒を売るためには、お客様(消費者)の購買決定のプロセスを知ることが重要になってくるでしょう。

消費者の購買決定のプロセスを探るマーケティング研究の分野では、消費者が買い物をするときに、入店前(実店舗は出かける前、ネットショッピングはPCやスマホを開く前)に最初から買う商品を決めている「計画購買」と、店内で商品を見てから買う商品を決める「非計画購買」とに分かれると言われています。

時代や経済的背景、購入する商品によって違いはあるものの、ある統計によれば、一般的なスーパー等での購買行動について、計画購買の割合は約3分の1、非計画購買の割合は約3分の2という結果も出ています。

割合はともかく、多くのお客様が店頭で商品を見て決めるというスタイルが多いことは事実のようです。

計画購買では、広告、インターネットや口コミで購入したい商品の情報を仕入れ、カテゴリーや銘柄を決めていたというケースが多く見受けられます。
他方、非計画購買では、店内である種、「衝動買い」をするということになりますが、この商品決定のプロセスにおいて、以下の4つの背景があるとカテゴライズされています。

・「純粋衝動購買」=店内で「これいいな」と気になったものを購入
・「想起衝動購買」=店内で「そうだ、これ、欲しかったんだ」と購入
・「提案受入購買」=店員やPOP、試食などで店側の提案を受け入れて購入
・「計画的衝動購買」=カテゴリだけ決めて銘柄は店内で決めて購入

さらに、非計画購買において、店頭で商品の情報を受け取る五感からの情報源は、視覚からが約8割、その他聴覚、嗅覚、触覚、味覚からが2割という調査結果も出ています。

以上のことをまとめると、お客様(消費者)は、店頭やネットでお酒を購入するとき、目から入ってくる情報を元に、商品を手に取り吟味して、買うかどうかを決めているということになります。

手に取ってもらわなければはじまらない

最初からこのお酒を買おうと思って「計画購買」をしてもらえれば、酒蔵としてはありがたいことでしょう。
そのためには、プロモーションにより、蔵や商品のブランディングを図り、「選ばれる1本」として、お客様(消費者)に認知してもらえるよう努力することが大切です。しかし、酒売り場に立ち寄るお客様(消費者)は、計画購買を考えているお客様だけではなく、買う銘柄を決めていない、お酒を買うかどうかも決めていない「非計画購買」のお客様も多いはず。

酒蔵さんが、どんなにおいしいお酒を造ったとしても、酒売り場で数ある競合商品の中から、お客様に手に取ってもらえなければ、レジに持って行って買ってもらうことも、買ってもらう前提として吟味してもらうこともできません。
まずは、お客様の手に取ってもらわなければ何もはじまらないのです。

目立って知って覚えてもらおう

「非計画購買」のケースでは、お客様が店頭でお酒を購入するとき、視覚から情報を受け取り、商品を手に取って吟味して商品を決めるという購買行動をすることは知られています。
つまり、「目立ってなんぼ!」ということです。まずは、酒売り場で埋もれないように、目立つことが大切。

そのためには、「パッケージ」が重要なんです。目立つパッケージでお客様の視覚に訴え、手に取って商品を見てもらい、「こんなお酒なんだ!」と認識して、覚えてもらう。一度、覚えてもらえれば、「あぁ、このあいだおいしかったあのラベルのお酒、また買いたい!」となるはずです。

このように、店頭でお客様(消費者)の視認性を高め、認知度を高め、ブランド力を高めていくことがパッケージの役割です。定番のパッケージを見直して、売り場で埋もれない、消費者の第一印象に訴え選んでもらえる「目立つパッケージ」に変えて、パッケージの役割を十分に果たせれば、売上アップが期待できるという仕組みになっているということをしっかりと認識しておきましょう。

酒売り場で埋もれないパッケージのポイント

売上アップのためには、酒売り場で埋もれないパッケージが大切なのだということを理解してもらった上で、酒売り場で埋もれないパッケージにするには、どのようなポイントに気をつければいいのかということを解説します。

とにかく差別化を図る

酒売り場で埋もれないパッケージとは、「目立つ」ということ!
「目立つ」とは、他とは違うということです。

とにかく、他の商品にはない、誰もやっていない差別化を図ることが大切!
「そんなの日本酒のラベルとしてはタブーでしょう?」
「あそこはガワで勝負してるとかって言われるの、嫌なんですよね…」
「あれ、日本酒っぽくない?」などなど、周りの声を気にしていては目立てません!

「これで勝負だ!」と決めたら、突き進みましょう!
とにかく「目立ってなんぼ!」ですから…

目立つパッケージに聖域はない

「目立つ」=「正義」との観点からすれば、聖域はありません。
もちろん、聖域はないと言っても、清酒(日本酒)のラベル表示に関する法律や取り決めなどは遵守する必要があります。「聖域がない」とは、お酒の「外観」=「見た目」に関する部分は、どこでも工夫できる可能性があるという意味です。

たとえば、容器(瓶・缶・ペットボトルなど)の色・形・素材、ラベルの色・形・デザイン・大きさ・素材、包装の素材・色・形・大きさ・方法、首かけ・封緘シール・肩ラベル・裏ラベル・かぶせなど付属品などなど、工夫するポイントはさまざまです。日々新しいパッケージが考え出されていることでしょう。

アイディアとストーリーを盛り込んで惹きつける

目立つためには、パッケージの見た目の色・形・大きさだけでなく、新しいアイディアとストーリー性を盛り込んで、お客様(消費者)を惹きつけることも大切です。

たとえば、次のようなアイディアやストーリー性を盛り込んで惹きつけることができます。

・首掛けをするなど「受賞酒」とはっきりわかるラベルを貼る
・造り手のこだわった部分や苦労話はどストーリーをラベルに記載する
・かぶせなどでペアリングするおすすめの料理をアピールする
・色鮮やかな風呂敷や和紙できれいに包装する
・ド派手な色彩の首かけをする
・「これシャンパン?」というようなデザインにする
・香りのついたかぶせを付ける
・キャラクターとコラボ
・杜氏や蔵人からの写真入りメッセージを盛り込む
・買う人やプレゼント相手の写真や名入れ(個別受注製造やシール・印刷ラベルを別途郵送など)

目立つパッケージの具体例

酒売り場で埋もれないパッケージのポイントを理解したところで、実際に目立つお酒のパッケージにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、目立つパッケージの具体例を見ていきましょう。

お酒以外の商品の目立つパッケージの具体例

まずは、お酒以外の商品で店頭で目立つパッケージの商品にはどんなものがあるか見ていきましょう。
店頭で皆さんがよく目にする商品には以下のようなものがあります。

・「赤」+「飲み物」=コカコーラ
・「赤」+「チョコレート」=ガーナ
・「水玉模様」+「飲み物」=カルピス

これらの商品とパッケージは、一体のものとして、消費者に認知されているでしょう。店頭で目立ってお客様の視認性を高め、手に取ってもらうことができ、認知して、「あのパッケージはあの商品」とすぐに頭に思い浮かべられるブランド力も備えています。

目立つパッケージのお酒の具体例

お酒にも目立つパッケージとして、店頭に置かれている以下のような商品があります。

・人気アニメやキャラクターとのコラボ商品
・図形や絵を前面に押し出した商品
・瓶が透明でなく中のお酒が見えない商品
・「きれい!」と思わず感嘆するアートなデザインの商品
・「これ、飲んだ後、絶対、花瓶やオブジェで使おう!」と思う商品
・「『お祝い』と持ってこられたら全員テンション上がるだろうなぁ…」と思わせるきれいな風呂敷包みの商品

まだまだ目立つパッケージのお酒はたくさんありますが、実際に目にした商品の共通したポイントは、どれも「他には類をみない」ということ。つまり、「目立っている」ということです。
まさに「目立ってなんぼ!」ということです。ついつい、手に取って見てしまう、その場で立ち止まってしまうという行動を、お客様にさせられるパッケージとなっています。

まとめ

ここまで、売上アップが期待できる「酒売り場で埋もれないパッケージ」についてご紹介させていただきました。お酒の売上アップを図るための1つの選択肢として、パッケージの見直しを図ることは、とても有意義なマーケティング戦略の1つです。

パッケージの見直しを含めて、売れる仕組みをつくるためには、誰に何をどのように提供していくのかという「マーケティング戦略」が必要になります。マーケティング戦略は、一度構築したら終わりというわけではなく、常にチェックして見直し、修正を図るという「PDCAサイクル」を繰り返すことで、酒蔵の安定した経営につながるのです。

アンカーマンでは、酒蔵の経営に欠かせないマーケティングに対するサポートも行っています。160蔵以上の酒蔵さんをサポートして蓄積した販売ノウハウを基に、あなたの蔵に適したマーケティング戦略をご提案させていただきます。「もっとお酒売りたい!」と思ったら、お気軽にアンカーマンの「マーケティングサポート」をご活用ください。

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