酒屋の店舗改装によるメリットとは?店舗改装の種類、期間や費用の目安を解説
「うちは代々、この店構えだからねぇ…」
「店舗を改装してどんなメリットが?」
「店舗改装、費用があればなぁ…」
酒屋の店舗改装に関して、こんなお声をよく聞きます。
酒屋の経営者であれば、お店を改善して、安定した経営を続けたいと常に思っていることでしょう。
しかし、期間や費用、そもそもメリットがどの程度あるのかなど、店舗改装に関する疑問は膨らむばかり…
そこで、今回は、酒屋の店舗改装を検討されている方に向けて、店舗改装よるメリットや店舗改装の種類、期間や費用の目安などを解説します。
店舗改装のご参考になれば幸いです。
- 1. 酒屋の店舗改装が注目されている背景
- 1.1. ポストコロナの波に乗ろうとしている
- 1.2. 酒販事業の経営課題を解決しようとしている
- 1.3. 新しいことにチャレンジしようとしている
- 2. 酒屋の店舗改装によるメリット
- 2.1. 売上アップが図れる
- 2.2. 経営が安定する
- 2.3. 職場環境が改善する
- 3. 酒屋での店舗改装の種類
- 3.1. 陳列スペースを変えてみる
- 3.2. 商品の品質維持にこだわる
- 3.3. 酒屋で飲めるスペースづくり
- 4. 酒屋の店舗改装の期間
- 5. 酒屋の店舗改装の費用
- 6. 酒屋で店舗改装を行うときのポイント
- 6.1. 現状分析をきっちり行う
- 6.2. 店舗コンセプトを明確化する
- 6.3. 改装計画をしっかり立てる
- 6.4. 費用対効果で考える
- 7. 初期投資を抑えて酒屋の店舗改装を行う方法
- 7.1. 補助金の活用
- 7.2. 酒屋の店舗改装に活用できる補助金を使う
- 8. まとめ
酒屋の店舗改装が注目されている背景
「100年続く老舗酒屋がリニューアル!」
「世界初の駅ナカ醸造場オープン!」
などなど、近時、酒屋の店舗改装のニュースは後を絶ちません。
なぜ今、酒屋の店舗改装が注目されているのでしょうか。
ここでは、酒屋の店舗改装が注目されている下記の背景を探っていきましょう。
【酒屋の店舗改装が注目されている背景】
- ポストコロナの波に乗ろうとしている
- 酒販事業の経営課題を解決しようとしている
- 新しいことにチャレンジしようとしている
ポストコロナの波に乗ろうとしている
酒屋の店舗改装が注目されている背景の1つに、ポストコロナの波に乗りたいと思っている酒販事業者が多いことが挙げられます。
コロナ禍で、酒販事業も、打撃を受けた外食産業の影響で、一時期は料飲店との取引も減り、内食・中食に伴う家飲み需要は増加したものの、外食ニーズを補填するまでには至っていなかったという状況もありました。
しかし、ポストコロナの今、海外からのインバウンド客の増加も含めて、街には人と活気が戻り、外での飲酒ニーズも増加する中、ポストコロナの波に乗りたいと思う酒屋の経営者が、売上アップを図るために、店舗改装に踏み切るといった事例も少なくないようです。
酒販事業の経営課題を解決しようとしている
「もっと若い層のお客さんを増やしたい」
「商品ラインナップを変えていきたい」
「経営の多角化を図り、安定した売上を確保したい」
などなど、酒屋によって悩みは店それぞれ。
「一升瓶離れ」に伴う四号瓶やお酒のミニチュアボトルなど商品ラインナップを変えたいと思っても、売り場のスペースが足りなかったり、生酒や大吟醸酒など温度管理に気を使う高品質のお酒を販売したいのに保管用の冷蔵庫が足りなかったりするケースもあるでしょう。
酒販事業のさまざまな経営課題を解決するために、1つの策として、酒屋の店舗改装がフォーカスされるということもあります。
新しいことにチャレンジしようとしている
酒屋には老舗も多く、代々事業を承継してきた後継者が、自分の代になり、新しいことにチャレンジする一環として、店舗も改装して、将来を見据えた事業計画を練り上げ、マーケティング戦略も一新するといった事例も多くなっているようです。
たとえば、これまでお酒を売ることだけに特化してきた街の酒屋さん。父から事業を承継した若い店主は、世界へ自身のお店のお酒を売りたいとEC販売を強化したり、お酒で飲みたいというお客さんのニーズに応えるとともに、経営を多角化して収入を安定させたいと思い、角打ちをはじめたり、新たなチャレンジのために、店舗改装を決意するといったケースが見受けられます。
コロナ禍を経て、ポストコロナになりつつある社会情勢も、若い経営者のチャレンジ精神を後押ししているのでしょうね。
酒屋の店舗改装によるメリット
なぜ、最近、酒屋の店舗改装が注目されているのでしょうか。それは、酒屋の店舗改装にさまざまなメリットがあるからです。
酒屋の店舗改装によって考えられるメリットは、以下のとおりです。
【酒屋の店舗改装によるメリット】
- 売上アップが図れる
- 経営が安定する
- 職場環境が改善する
以下、順に解説します。
売上アップが図れる
酒屋の店舗改装の最大のメリットは、売上アップが期待できることです。なぜ店舗改装すると売上アップが期待できるのでしょうか。
1つは、店舗改装により、酒屋の事業課題を解決できるからです。初期コストのかかる店舗改装を何の目的もなしに行う経営者はいないと思います。酒屋の店舗改装には、店それぞれで異なる事業課題の解決を図るという目的があることでしょう。
たとえば、一升瓶だけでなく、小容量容器のお酒を販売するなど商品ラインナップを変えたいのに、陳列スペースが不足していた酒屋さんで、顧客の目線や動線を意識した店舗改装を行った結果、利益率の高い商品の売上を伸ばせたり、顧客単価がアップしたりして売上アップを図れた事例。
あるいは、将来を見据えて、中高年層だけでなく若い層のお得意さんを増やしたいと考えた酒屋さんでは、店舗を改装して、店頭の冷蔵ショーケースを増やしたり、日本酒クーラーを導入したりしてお酒の試飲をはじめたことで、若者の来客が増えた事例。
店舗改装して、居心地の良い空間を提供することで、顧客満足度をアップして新規のお客さんを増やしたり、リピーターを増やしたりすることも可能になります。
このように、店舗改装には、さまざまな要因で売上アップが図れるメリットがあるのです。
経営が安定する
酒屋の店舗改装には、多角経営に成功して、経営が安定するというメリットも期待できます。
たとえば、街の酒屋さんとして、お酒の対面販売に特化していたとしても、さまざまな事情でお酒の販売が落ち込み、経営が安定しないといった状況は、どのお店にも訪れるリスクがあります。
角打ちなど酒屋の店舗改装によって、経営を多角化できれば、事業上のリスクを分散でき、収益もアップするので、経営を安定させることが期待できるでしょう。
職場環境が改善する
酒屋の店舗改装によって、スタッフの動線や設備の更新なども改善できれば、生産性向上が期待でき、スタッフの満足度もアップします。
店舗改装によって職場環境が改善することで、お客さまへのサービスの質もアップした結果、顧客満足度アップにつながり、リピーター増加、売上アップへと連鎖する「事業上の好循環」が期待できます。
酒屋での店舗改装の種類
酒屋の店舗改装といっても、改装の目的に応じて、さまざまな種類があることはご存じでしょうか。
ここでは、酒屋での下記の店舗改装の種類について解説します。
【店舗改装の種類】
- 陳列スペースを変えてみる
- 商品の品質維持にこだわる
- 酒屋で飲めるスペースづくり
陳列スペースを変えてみる
「商品ラインナップを増やしたい」
「お客さまの動線を変えたい」
など、店舗内の陳列スペースの変更を目的とした店舗改装も検討の余地ありです。
商品ラインナップを増やしたいのに陳列スペースが足りない、利益率の高い商品やイベントを意識した商品を目立たせるような陳列がしたいなど、陳列ペースを変更することで店の売り上げは大きく変わってきます。
顧客の目線や動線を意識して、「売り場づくり」することが店舗改装を成功させる秘訣です。
※「顧客動線を意識した売場づくり」については下記の記事で詳しく解説しています!
「【お酒売り場改革】成果を出すお酒の売り場づくりを他業種から学ぶ!」
商品の品質維持にこだわる
酒屋での店舗改装の目的が、「高品質のお酒を提供したい」といった商品の品質維持にこだわる改装を目指すのであれば、ズバリ、商品保管に特化した店舗改装があります。
お酒の保管といえば「冷蔵庫」。現状店舗での冷蔵庫の配置場所、保管目的、個数や大きさ、性能などを分析して、自身の店に適した冷蔵庫を導入するための改装も時には必要です。
たとえば、生酒や大吟醸酒など温度管理に注意を要する日本酒の適切な保管には、より低温で(-5℃程度)保管できる店舗内あるいは敷地内冷蔵庫の導入をおすすめします。
商品の品質にこだわった店舗改装を行うことで、売上アップや生産性向上が期待できるでしょう。
酒屋で飲めるスペースづくり
「事業を多角化したい」
「安定した売上を維持したい」
など、酒販事業に関する悩みは尽きないもの。
最近では、お酒を商品として売るだけでなく、お客さまの「このお酒、今、ここで飲みたい!」というニーズに応える「酒屋で飲めるスペースづくり」の店舗改装がキテルんです!
「角打ち」「立ち飲み」「量り売り」。
普通の酒屋さんが、新たなチャレンジ(事業の多角化)として、店舗をリニューアルして、商品をその場で飲めるようにする…
中には、天下の東京駅の構内に飲めるスペースだけでなく、諦めていた新規酒造免許も取得して、駅ナカ酒造所を立ち上げた事例もあります。
「世界中に日本の発酵文化を発信したい」
こんな熱い思いがあれば、酒屋の店舗改装の幅は無限に広がるようです。
※酒屋の「角打ち」「立ち飲み」「量り売り」については下記の記事で解説しています。
酒屋の店舗改装の期間
酒屋の店舗改装の期間に関しては、改装工事の規模・態様、導入したい設備の内容等によって違いはあるものの、一般的には、数週間から1〜2ヶ月程度といったところです。
もちろん、建屋の大規模修繕や外装工事など大掛かりな工事になる場合には数ヶ月程度かかることもあるでしょう。
また、店舗改装の期間に関しては、倉庫冷蔵庫など導入する設備のメーカー側での準備などに時間がかかるケースもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
酒屋の店舗改装の期間によっては、営業を休止するかどうかの判断が迫られることもあるでしょう。
店舗改装工事の計画等を入念に練った上で、慎重に検討することが必要です。
マーケティング戦略の一環として、改装工事期間は営業を休止して、リニューアルオープンを大々的にPRした上で、売上アップとリブランディングにつなげるといった選択肢もあるのではないでしょうか。
酒屋の店舗改装の費用
「酒屋の店舗改装にどれくらいの費用がかかるのか?」ということに関しては、店舗改装を検討してる方にとって、一番の関心事ではないでしょうか。
結論から言ってしまえば、酒屋の店舗改装の費用に関しては、改装工事の規模・態様、導入したい設備の内容等によって大きく変動します。
改装工事の期間中、営業を休止するのかどうかによっても売上や営業コストに関係してくるでしょう。
改装工事費用に関しては、依頼する会社にもよりますが、坪単価数十万円程度と考えておくとよさそうです。
陳列棚や冷蔵庫など導入する設備の価格もそれぞれ店舗改装費用に加えて検討しましょう。
たとえば、売り場の地下にある商品倉庫を改装して、店舗内地下倉庫冷蔵庫を導入しようとした場合、改装工事費用として坪単価数十万円に加えて、導入する倉庫冷蔵庫(プレハブ低温冷蔵庫の場合でも坪単価数十万円程度)の価格が必要です。
酒屋で店舗改装を行うときのポイント
酒屋で店舗改装を行うときには、気をつけなければならないポイントがいくつかあります。
ここでは、酒屋で店舗改装を行うときの下記のポイントについて解説していきます。
【酒屋で店舗改装を行うときのポイント】
- 現状分析をきっちり行う
- 店舗コンセプトを明確化する
- 改装計画をしっかり立てる
- 費用対効果で考える
現状分析をきっちり行う
酒屋で店舗改装を行うときには、店舗の現状や自身の店舗の強みや弱みなどを客観的に分析することが大切です。
「自身の店舗に何が足りないのか」
「どんな売り場づくりをすればリピーター客を確保できるのか」
「自身の店舗で残しておかなければならないものは何か」
現状分析をきっちり行うことで、どのような店舗改装をすればいいのかがわかってきます。逆に、現状分析を行わずに、なんとなく古くなってきたから改装するといった程度では、店舗改装による成果はあまり期待できなくなってしまいます。
店舗改装の業者だけでなく、マーケティングの専門会社も含めて、店舗改装する目的を明確化するためにも、現状分析はきっちりと行いましょう。
店舗コンセプトを明確化する
店舗の現状分析を行った上で、店舗の強み弱みに基づいた店舗改装の目的をはっきりさせ、店舗コンセプトの明確化を図りましょう。
たとえば、商品の品質維持に着眼して、試飲もできる店舗を目指すなら、冷蔵ショーケースや日本酒クーラーなどの導入を基軸として、店舗改装の大枠がが決まるでしょう。
また、角打ちや立ち飲みもできる酒屋を目指したいなら、飲めるペースをどのように作っていくかといった内容の店舗改装計画となります。
さらに、お客さんをワクワクさせる店舗にしたいなら、お客さんの目線や動線を意識した売り場づくり、イベントごとに季節性商品を展示できる陳列棚の導入などを中心とした改装になるでしょう。
このように、現状分析に基づいた店舗改装の目的と店舗コンセプトを明確化することで、具体的な店舗改装計画が作成できるのです。
改装計画をしっかり立てる
店舗改装には、改装計画をしっかり立てるということも必要になってきます。建築基準法などの法令を遵守するとともに、余裕を持ったスケジュールを組むことも大切です。
改装計画では、改装工事のことだけでなく、費用の調達方法を含めた資金計画、お店の営業に関わる営業計画、スタッフの手配や改装に関わる人員配置などの人員計画などトータルで考えることが必要になってきます。
トラブルを事前に回避するためには、工事業者やアドバイザリー会社との入念打ち合わせだけでなく、取引先やお得意さまにも、改装計画を周知徹底して、店舗改装に理解を得ておくことも必要でしょう。
費用対効果で考える
酒屋で店舗改装を行う際に、改装費用の問題は避けては通れない課題の1つです。できるだけ初期投資を抑えて、効果の高い店舗改装を行う上では、「費用対効果」で考えることが大切になってきます。
デザインや設備にこだわって、コストや時間をかけすぎてしまうと、店舗改装後の事業計画によっては、コストの回収がうまくいかないリスクも考えられます。
自身の店の強み弱みに基づいた店舗コンセプトに沿って、客観的かつ冷静に事業計画及び店舗改装計画を立てることが重要です。
他方、またコストには、改装期間中の休業に関するコストも含めることも忘れずに行いましょう。
初期投資を抑えて酒屋の店舗改装を行う方法
酒屋の店舗改装を行う上で、大きな課題の1つが、資金面の問題です。店舗改装にはどうしても初期投資が欠かせません。
ここでは、初期投資を抑えて酒屋の店舗改装を行う下記の方法について解説していきましょう。
【初期投資を抑えて酒屋の店舗改装を行う方法】
- 補助金の活用
- 酒屋の店舗改装に活用できる補助金を使う
補助金の活用
「うちは、銀行からいつでも借りられるから大丈夫だよ」
「自己資金を貯めてあるから心配してません」
といった方もいらっしゃるでしょう。もちろん自己資金や銀行借入を活用するのも選択肢の1つ。
ただし、銀行からの融資は、当然ながら将来返済する必要があり、自己資金を拠出してしまえば、財務状況が悪化します。
この点、店舗改装資金を補助金で賄えば、銀行融資のように返済する必要もなく、拠出する自己資金も少なくて済みますので、初期投資を抑えることができます。
補助金の手続きは、煩雑で専門的という理由で、敬遠される方も少なからずいらっしゃると思いますが、酒屋の店舗改装をお考えの方は、ぜひ補助金の活用を検討してみてください。
補助金の活用を検討する際は、補助金申請手続き代行サポートの検討も合わせて行いましょう。補助金申請のプロに手続きを任せることで、本業に集中でき、補助金の採択率もアップします。
補助金申請手続き代行サポートは、酒造業や酒販業のサポートに特化したアンカーマンまでお気軽にご連絡ください。
酒屋の店舗改装に活用できる補助金を使う
数万種類あると言われている補助金の中から、自社に適した補助金を見つけ出すことは至難の業。
また、補助金の情報は日々変更されますので、この前まで使えると思っていた補助金が、「あれ?もう募集が終わってる…」とか、要件をチェックしていたはずが、「こんな要件なかったのに…」などというケースも…
補助金を本気で受け取りたいと思うなら、補助金の情報は、こまめにキャッチアップすることが重要です。
アンカーマンでは、ご希望のお客さまに、あなたのお店に適した補助金情報を定期的に配信するサービスを行っています。
現時点で、酒屋の店舗改装に活用できる補助金には、次のようなものがあります。
【酒屋の店舗改装に活用できる補助金】
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金
なお、補助金によっては、建屋の改修には使用できないものや、店舗改装のための陳列棚など設備導入だけに使用できるものなど、特徴や用途もさまざまです。
自社に最適な補助金は何なのかお知りになりたい方は、お気軽にアンカーマンまでご連絡ください。
まとめ
ここまで、店舗改装によるメリットや店舗改装の種類、期間や費用の目安などをご紹介させていただきました。
店舗改装を行う上で重要なのは、なんといっても「自身の店をどう変えたいか」という目的意識を明確にすることです。
その上で、自身の店を客観的に現状分析し、強みを活かして、売上アップに繋げられるような店舗改装を検討しましょう。
アンカーマンでは、あなたのお店の店舗改装に適した補助金のご提案や申請手続きを代行できる補助金サポートや、店舗改装を含めた売れるための仕組みづくりをご提案できるマーケティングサポートなどをご用意しています。
「売れるための店舗改装を知りたい」
「うちに合った補助金を提案してほしい」
など補助金サポートやマーケティングサポートにご興味ある方は、お気軽にアンカーマンまでご連絡ください。
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