ものづくり補助金の申請代行とは?メリットやデメリット、選び方のポイントまで解説

ものづくり補助金とは、酒類事業者に多い中小事業者の経営革新に関する設備投資に活用できる補助金です。

ものづくり補助金は、補助金額も大きく、返済も必要ないので、酒類事業者の経営に大いに役立つ補助金として人気を博しています。

しかし、ものづくり補助金を獲得するためには、専門的な知識とノウハウを必要とする申請手続きや採択後の面倒な手続きを行う必要があるのです。

酒類事業者自ら申請するには、手間と時間がかかり、本業を圧迫するリスクやなんとか申請したとしても、不採択となり、申請に費やしてきた労力や時間が無駄になるリスクもあります。

「なんとか酒造りに支障をきたさないで補助金を獲得できる方法はないかなぁ…」

「前回、自分たちで申請したけど不採択…もうあんな苦労はできない…」

ものづくり補助金は欲しいけれど、自分たちで申請するのはいやだという人に向けて、「ものづくり補助金の申請代行」が注目を集めているんです。

今回は、ものづくり補助金の申請代行に関して、メリットやデメリット、代行業者の選び方のポイントなどを解説します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助⾦は、正式には「ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進補助⾦」といい、補助金をよく知る人の間では、「もの補助」などと呼ばれています。

「もの補助」は、中⼩企業や⼩規模事業者等が経営革新(革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善等)を行うための設備投資等を支援する補助⾦であり、幅広い業種の設備投資・システム投資などが対象です。

2013年3⽉にスタートしてから、各種制度変更を経て、現在では、補助対象経費の2分の1もしくは3分の2について、最⼤2,250 万円(グリーン枠は最大5,000万円、グローバル市場開拓枠は最⼤4,000万円)までの補助が受けられるようになっています。

酒造業者や酒販店など酒類事業者にとっても使い勝手がいいことから、利⽤者も多数いらっしゃいます。

ここでは、「もの補助」について、採択率や、活用事例、申請に必要な要件などを確認していきましょう。

ものづくり補助金の採択率

ものづくり補助金のこれまでの「採択率」(申請件数に対する採択件数の割合=採択されやすさを表す指標)を含めた「令和元年度補正予算事業・令和2年度補正予算事業・令和3年度補正予算事業のこれまでの申請及び採択状況のデータ」に関しては、「ものづくり補助事業公式ホームページ/ものづくり補助金総合サイト/データポータル」で確認することが可能です。

現在、第1次締切分から第13次締切分までのデータが公開されており、採択率の推移を見てみると、第7次締切分まではデータにバラツキがあるものの、第8次締切分以降は、58%から62%前後の数値に落ち着いています。

つまり現状では、「もの補助」の採択率は、約6割と考えていいでしょう。

ものづくり補助金の事例

酒造業者や酒販店など酒類事業者にとって、「もの補助」をどのように活用すれば効果的なのか気になるところでしょう。

酒類事業者が、「もの補助」を活用する事例としては、以下のようなバラエティーに富んだ活用事例が見られます。

【酒類事業者のものづくり補助金の活用事例】

  • 酒造業者によるタンク、充填機、洗瓶機、冷蔵庫、加熱殺菌装置、キャッパー、ラベラー、アルコール分析器など各種醸造用機械設備の新規導入や入れ替え
  • 酒造業者による新商品開発のための原材料の購入や加工・設計・デザイン・検査等の業務委託
  • 酒販店による冷蔵庫などの商品保管設備、商品陳列棚、POSレジやPOSシステムなどの在庫管理・販売管理システムなどの新規導入や入れ替え
  • 酒販事業者の海外展開のためのマーケティング、ブランディング

なお、ものづくり補助金の活用に関しては、設備投資が必須であるため、必ず機械装置・システム構築費(単価税別50万円以上)を計上する必要があること、機械装置等を設置する建屋等の改修工事は補助対象外となっていることなどを押さえておきましょう。
ものづくり補助金の活用事例に関してはこちらもご参照ください!⇒「【保存版】2021年日本酒蔵・焼酎蔵がものづくり補助金活用で導入した設備TOP3!

ものづくり補助金申請に必要なもの

ものづくり補助金を申請するために、準備しなければならない書類には、どのようなものがあるのでしょうか。

ものづくり補助金申請は、電子申請で行う必要があるため、事前に「GビズIDプライムアカウント」 を取得して、以下の必要書類を準備する必要があります。

【ものづくり補助金申請必要書類】

  • 事業計画書
  • 補助経費に関する誓約書
  • 賃金引上げの誓約書
  • 決算書等
  • 従業員数の確認資料
  • 労働者名簿
  • 再生事業者に係る確認書(再生事業者のみ)
  • 課税所得の状況を示す確定申告書類(回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
  • 炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況(グリーン枠のみ)
  • 大幅な賃上げ計画書(大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例のみ)
  • 海外事業の準備状況を示す書類(グローバル市場開拓枠のみ)
  • その他加点に必要な資料(任意)

必要書類の中で、採否を分けるもっとも重要な書類は、「事業計画書」であり、採択を受けられる事業計画書を作成するポイントは、基本要件や申請枠ごとの個別要件をすべて満たす事業計画(賃金引上げ計画含む)を記載することです。

基本要件には、事業場全体の付加価値額を年率平均3%以上、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加することや、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることなどが含まれます。
ものづくり補助金の申請時の必要書類に関してはこちらもご参照ください!⇒「ものづくり補助金とは?対象や申請方法、申請上限と採択率を上げるポイントを解説

ものづくり補助金の申請代行とは

「ものづくり補助金申請代行」とは、事業者がものづくり補助金の申請を行う際に、補助金申請専門の代行業者に申請業務を委託することです。

ものづくり補助金は事業者自ら申請業務を行うことはできますが、申請要件など複雑であることが多いため、申請代行業者に依頼することで、スムーズかつ迅速な申請が可能となるなどのメリットも多いでしょう。

申請代行業者は、申請に必要な書類の作成、情報収集、審査結果の確認、採択後の各種手続きなど、補助金を受け取るために必要な申請業務を代わりに行ってくれます。

ものづくり補助金申請代行への依頼が多い理由

ものづくり補助金の申請を事業者自ら行うことができるのにもかかわらず、どうして補助金申請代行業者へ依頼する事業者が多いのでしょうか。

アンカーマンが、独自に利用者の声を集めてみると、以下のようなことがわかってきました。

【ものづくり補助金申請代行への依頼が多い理由】

  • ものづくり補助金の申請に必要な事業計画書など必要書類を作成するのが大変だから
  • お酒づくりやお酒の販売など本業に時間を取られ、補助金申請の準備をする時間や人手が足りないから
  • ものづくり補助金の膨大な公募要領を読み込んで申請要件を把握するのは一苦労だから
  • ものづくり補助金をどうしても獲得したかったから
  • 申請代行業者に依頼したほうが採択率が高そうだったから
  • 応募締切まで時間がなかったから
  • 以前に自分で申請して不採択になったから
  • 自社の強みや将来性などを自分ではうまく文章にすることができないから
  • 自分で申請準備をする上で相談相手が誰もいないから

つまり、ものづくり補助金の申請について、自分で申請できるにもかかわらず、代行業者への依頼が多いのは、自分で申請して採択することが難しいと思っているからという理由が多いようです。

ものづくり補助金申請代行のメリット

ものづくり補助金の申請を、代行業者に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

【ものづくり補助金申請代行のメリット】

  • 補助金申請手続きをまるっと任せられる
  • 補助金の相談ができる
  • 本業に集中できる
  • 採択率が上がる
  • 最適な補助金を提案してもらえる
  • 事業計画を作成する過程でアドバイスを受けられる

代行業者に依頼する最大のメリットが、申請手続きをまるっと任せられるということでしょう。代行業者に、事業者の情報、事業内容や業績、経営トップの考えややりたいことなどを伝えるだけで、市場調査や事業計画書などの各種書類の作成といった申請に必要な準備をすべて代行業者が行ってくれます。

事業者自身でものづくり補助金の申請手続きを行う場合には、補助金申請に関する事務作業を行う担当者を決めて、本業の合間に補助金申請の準備をさせなければなりません。

代行業者に依頼してしまえば、補助金申請に関する人的・時間的リソースに余裕が生まれ、本業に集中することができます。

さらに、補助金に関する相談ができるだけでなく、数万種類といわれている数多くの補助金の中から、事業者に適した補助金を提案してもらえることもメリットの1つでしょう。

申請代行業者は、補助金の専門家であり、補助金申請のプロです。補助金申請の専門的知識とノウハウを持っているので、どんな事業計画書を作成すれば採択されるかを知っています。

結果として、自身で申請するよりも、代行業者に依頼したほうが、一般的には採択率が上がるのです。

申請事業者の事業にくわしく、気の利く代行業者であれば、事業計画を作成するためのヒアリングややり取りの中で、経営課題解決に関するアドバイスも期待できるでしょう。

ものづくり補助金申請代行のデメリット

ものづくり補助金申請代行を活用する上で、メリットだけでなく、以下のようなデメリットがあることも念頭に入れておきましょう。

【ものづくり補助金申請代行のデメリット】

  • 代行業者への報酬が発生する
  • 悪質な業者にひっかかる可能性がある

ものづくり補助金の申請を自身で行えば、申請に関する費用は、申請担当者の人件費程度ですが、申請代行を活用した場合には、代行業者への報酬が必要となってきます。

代行業者へ依頼した場合には、申請手続きを任せられ、本業に集中でき、採択率もアップするなどのメリットがある代わりに、代行業者への報酬が発生するということをデメリットととらえる場合、メリットデメリットを比較して、どちらが自社に合っているか考える必要が出てくるでしょう。

また、各種補助金の申請代行業者には、良質な業者と悪質な業者が存在するのも事実です。残念ながら、代行業者選びに失敗すると、悪質な業者に引っかかってしまう可能性も出てきます。

悪質な業者の場合、申請事業者の事業内容の分析や市場調査を雑に行い、事業計画書などのフォーマットを用意するだけで、高額な報酬を請求することもあります。

悪質な業者にひっかからないためにも、ものづくり補助金の申請代行を活用する場合には、自社に合った申請代行業者を入念に選定することをおすすめします。

ものづくり補助金申請代行の費用や相場

ものづくり補助金申請代行を活用する場合に、どのくらいの費用がかかるのか、代行業者に支払う報酬の相場が気になる人もいるかもしれません。

ものづくり補助金の申請代行業者の費用やサポート範囲には、基準や相場があるわけではなく、代行業者それぞれです。申請代行費用に関しては、サポートの範囲などとの組み合わせで設定されている場合も多く、総合的に判断していくことをおすすめします。

ものづくり補助金の申請代行業者の代行費用にはさまざまな課金形態があり、「着手金の有無」「採択時の成功報酬額(パーセンテージ)「月額払いの有無」「不採択時の費用の返還」などに着目するとよいでしょう。

どの代行業者も、補助金の種類やサポート範囲によって、着手金や成功報酬額に違いがありますので、ものづくり補助金申請代行を活用する際には、事前に費用に関して確認しておきましょう。

なお、一般的に、成功報酬のパーセンテージが低い代行業者の場合、不採択であっても着手金の返還等の規定がなく、費用負担を強いられる場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

ものづくり補助金申請代行の選び方

ものづくり補助金申請代行を活用する上で、代行業者選びはとても重要になってきます。自社に適した代行業者でないと、途中で代行業者を変更したり、申請準備に時間がかかったりして、最悪、申請期限までに申請できないこともあるからです。

特に、酒造業者や酒販店など酒類事業者の場合、お酒に関する知識が乏しい代行業者を選んでしまうと、事業内容を説明するだけで時間がかかってしまい、本来の事業計画の入念な準備にさく時間がなくなってしまいます。

酒類事業者が、ものづくり補助金申請代行の代行業者を選定する場合には、最低限、酒造業や酒販事業に関する知識を有している代行業者であることが前提となるでしょう。

続いて、ものづくり補助金申請代行の実績を見ていくことも重要となってきます。酒類事業者のものづくり補助金申請には、特殊なノウハウを要し、採択を受けるための事業計画書作成づくりには、それなりの知識と経験が必要だからです。

代行業者のホームページや口コミなどに記載してある「酒類事業者のものづくり補助金申請代行実績」を確認することをおすすめします。

さらに、代行費用に関しても選び方の基準の1つになるでしょう。着手金が必要な代行業者の場合、不採択になったときに、費用を返還してもらえないと、時間をかけて代行業者とやり取りしたとしても、代行業者への報酬だけを負担させられる結果となってしまうからです。

申請代行を依頼する事業者側に立つと、完全成果報酬制を採用している代行業者を選んだほうが、不採択になったとしても、余計な費用がかからないというメリットがあるということになるでしょう。

なお、代行業者を選定する際に、代行費用の高い安いで判断するのは、あまりおすすめできません。なぜなら、補助金申請代行に実績があり、採択率が高い代行業者ほど、ものづくり補助金申請サポートに自信があり、代行費用が高いこともありうるからです。

何の業種でも、「腕に覚えあり」の職人に関しては、報酬も高く、自信と誇りを持って、依頼者の利益を最大限にするように行動するからです。

また、補助金の申請代行を行う上で、特殊な国家資格等は一切必要ありません。代行業者の中には、中小企業診断士、行政書士、税理士などの国家資格を保有している専門家もいれば、補助金申請代行を専門としているコンサルティング会社などもあります。

代行業者を選ぶ際には、国家資格の有無に関わらず、酒類事業者に対するものづくり補助金申請代行の実績や酒類事業に特化しているかなどの専門性で選ぶとよいでしょう。

そのほかにも、いつでもオンラインなどで相談できる体制はあるか、料金体系が自社に適しているか、サポート範囲が自社の望むものであるかなどを総合的に判断して代行業者を選定するようにすることをおすすめします。

なお、代行業者を探す際に、「助成金」申請代行業者も検出されることがありますが、ものづくり補助金は「補助金」であり、「助成金」とは異なり分野が違うので注意しましょう。

さらに、専門家とのマッチングやツールを使用した補助金の提案のみのサービス業者も検出されることもありますが、これもものづくり補助金の申請代行業者ではありません。

補助金申請代行の専門家の選び方に関してはこちらもご参照ください!⇒「酒造業の資金調達方法とは?自己資金や補助金活用の比較、申請代行のメリット・デメリットを解説

ものづくり補助金申請代行利用の流れ

ここで、ものづくり補助金申請代行利用の流れを確認しておきましょう。

ものづくり補助金申請代行を利用するには、以下のような流れとなっています。

【ものづくり補助金申請代行利用の流れ】

  1. 導入したい設備、取り組みたい事業を吟味の上、ものづくり補助金の申請を決定
  2. 自社に適した代行業者に求める条件を確認しておく
  3. 知人の紹介やネット検索により代行業者の候補をピックアップ
  4. 問い合わせや面談を行い、各代行業者の条件を比較し、自社に適した代行業者を選定する
  5. 選定した代行業者にコンタクトをとる
  6. 条件を交渉・最終確認の上、ものづくり補助金申請代行契約を締結する
  7. 補助金申請代行スタート
  8. 代行業者と申請代行業務の進め方の打ち合わせをする
  9. 代行業者の指示のもと、事業者の各種情報・必要資料を代行業者へ提供する
  10. 代行業者と協議を重ね、事業計画を完成させる
  11. 代行業者が、事業計画書をはじめ申請に必要な各種書類を作成する
  12. ものづくり補助金申請代行を活用する上で、メリットだけでなく、以下のようなデメリットがあることも念頭に入れておきましょう。
  13. 代行業者の指示のもと、GビズIDプライムアカウントを取得し、電子申請を行う
  14. 採択結果の通知を受け取る(採択また不採択)
  15. 採択となったら、交付申請をする
  16. 交付決定通知を受け取り、補助事業を実施する
  17. 補助事業が完了したら実績報告を行う
  18. 補助金事務局が確定検査を行い、問題なければものづくり補助金が支給される

補助金申請代行利用の流れに関してはこちらもご参照ください!⇒「酒造業特化の補助金申請代行コンサルタントが、「採択を勝ち取る補助金申請のリアル」を、初心者にもわかりやすく徹底解説!

まとめ

ここまで、ものづくり補助金の申請代行に関して、メリットやデメリット、代行業者の選び方のポイントなどをご紹介させていただきました。

酒類事業者がものづくり補助金を申請する上で、はじめに押さえておくべきことは、「本業である酒造りや酒販事業に影響しないか」「申請代行業者は酒類事業に精通しているか」の2点です。

これら2点を踏まえて、ものづくり補助金申請代行を活用するか、申請代行業者はどのように選ぶかをを考えていきましょう。

アンカーマンでは、日本で唯一「酒造業に特化した」補助金コンサルタントとして、180社以上の酒類事業者様に補助金サポートを提供してきた実績がございます。代行費用も完全成果報酬制を採用し、相談料や着手金は発生せず、補助金が不採択になっても、費用は一切かかりません。

また、アンカーマンでは、補助金により報酬も変わってくるため、蔵元様にやりたいことをヒアリングしてから、補助金の要件確認を行い、ビデオ通話にて正確な金額をお伝えするようにしております。

「ものづくり補助金の申請代行を活用してみたい」

「補助金申請代行に興味はあるものの、まだ決めていない。でも、相談だけしてみたい」

など、補助金のことで気になる点やご興味があればいつでもお気軽にご相談ください。

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